第四話 第一部 決勝まで進んで
私たちはあの勝利から破竹の勢いで勝利を積み重ねていった。1試合除いてコールド勝ち。湯子だけではなくほかの投手陣も頑張ってくれていた。そして打撃陣の勢いは止まらなかった。私と巴美羽で首位打者を争うぐらいで夕菜もトップバッターとして大きな活躍をしてくれている。衣世もみちるもホームランを量産している。一歩みちるが多いぐらいだった。
みちる「今日は決勝だね。にしてもアメリカのチームはかなり身長大きいね。」
衣世「あの子、みちるよりでっかいよね。世界って広いわね。」
みちる「でもバッティングなら負けないよ!!」
湯子「ピッチングは私だって負けてられないわよ。」
みんなの勢いはとどまることを知らなかった。夕菜も自信をもって次の試合に挑もうとしていた。そんな中、巴美羽は一人でぼーっとしていた。
由紀「何してるのよ。」
巴美羽「いや…あの投手はすごいなって思って。」
由紀「巴美羽がすごいって言うほどの投手?」
巴美羽「こういうのを待っていたのよ、こういうのを。」
ズバーーーーン!!
私はそのボールを見て驚いた。なんだあの勢いのある球は。速い遅いとかの問題じゃない。勢いが…信じられないものだった。一瞬見ただけでセンスのある投手だということが分かるぐらいだった。
巴美羽「いいねぇ、こういうのがあると本気になれるわね。」
由紀「巴美羽が本気? 珍しいわね。」
巴美羽「というかいままでが退屈だったのよ。」
なんだかその言葉を聴くと少し嫌な気分になる。まあ…巴美羽だから仕方ないのかな。でも…私にとっては許せない。




