第三話 第七部 アドバイスの力
みちるはバットをトントンとベースを叩くようにしてピッチャーの方を向いた。本当に身長高い…。男性審判と同じぐらいの身長って…。
チョンジャ「(でかいわね。でもこういうタイプの投手は…!)」
ピッチャーが投げる体制に入った。そして腕をまわす。
シューーー バシン!
ボールワン!
みちる「(球速はそこそこある。当てれば飛んでいけそう!)」
みちるはもういちどトントンとベースを叩いて構える。でもみちるって器用じゃないから…振り回すタイプだからこのピッチャーには厳しいかもしれない。
シュッ ググググッ
みちる「(チェンジアップ…。)」
ギィイイィイン!!
打球はファーストへのフライ、いや、ライトへのフライになっていった。高いフライだがグングンと伸びていく。そして巴美羽は適当に走りながらまわっていく。みちるはちょっぴり悔しそうな顔をしていた。
バシン! アウト!
案の定、ライトフライで終わってしまった。でも私から見ればよくあの場所まで飛ばした感じだった。
湯子「さて…いきますか。」
夕菜「気合いれていこう!」
湯子はグローブを叩いてマウンドへと向かっていった。巴美羽はあくびをしながらベンチから出てくる。
巴美羽「あ、そうだそうだ。湯子ー。」
突然巴美羽が湯子の近くにやってきた。そして耳元でなにか言っていた。
巴美羽「体の軸とねじりを使って投げてみな。湯子は体が柔軟だからそれを上手く利用するの。」
湯子「本当に? …信じるよ?」
何か分からないけど巴美羽は伝えると帽子の上にグローブを乗せて守備位置へと移動していった。いったい何を考えているのだろう。そんなことを考えている間に一回の裏の攻撃が始まった。
湯子「(…ねじり…ね。)」
湯子はしっかりとサインを確認した。そして投げる体制に入る。
由紀「(フォームが!?)」
湯子が投げる瞬間に私はあることに気づいた。フォームが違う。いつもより躍動感があって、力強さがみえている。
シューーー バシーーン!!
ストライクワン!
「おおおお!!」
スタンドからも驚きの声が聞こえている。いつもの時よりも速く感じる。まさか巴美羽はアドバイスをしたのか?




