第三話 第三部 協力とはいったい
パコン! パコン!
由紀「巴美羽。」
巴美羽「ちょっと! そこは私じゃないでしょ!?」
私たちは湯子、夕菜ペアと戦っていた。第一試合の衣世、みちるペアは湯子、夕菜ペアに負けていた。このままでは私たちも負けてしまう。でもこの歯切れの悪さ、そしてチームプレーが全くできていない。巴美羽が自分でとりたいところだけ打っている感じだった。
巴美羽「もうー! このままだと負けるよ!?」
巴美羽は愚痴を言いながらサーブを打つ。湯子は丁寧に打ち返す。私の所にやってきて私も打ち返す。どちらか微妙なところに飛んでいったが、ちゃんと二人で指示を出し合って夕菜が返す。そしてまた微妙なところに。
巴美羽「あ、由紀。」
由紀「おそいよ!」
私は急いで反応したため、ボールがあさっての方向に飛んでいった。そしてそのせいで私たちは負けてしまった。
湯子「いえーい!」
夕菜「それじゃあ衣世、みちるペア入って。負けた方がジュースおごりね。」
私たちは完全にリズムが合わないまま次の試合へと移っていった。巴美羽はめんどくさそうに手を後ろにあてていた。
巴美羽「ねえ、めんどくさいから微妙なのは全部由紀やって。」
由紀「なにそれ…まったく…。」
私はため息をつきながらサーブを始めた。二人はそこそこのコンビネーションを見せていた。だけど…少しだけど微妙にずれが見えていた。私たちはそこを徹底的についていった。
衣世「このままじゃ負ける!」
みちる「そう言われても…。」
ビチィ!
衣世「あ、負けた。」
由紀「ふぅ…巴美羽も少しは動いたわね。」
巴美羽「ちょっとだけね。」
結局私がそこそこ動いて買った。そしてジュースをおごってもらうことになった。だけどなんでだろう。巴美羽にものすごく嫌な感じがしていた。




