第二話 第九部 巴美羽の意地悪
みちる「(守備では失敗したけどバッティングでは良いところを見せる!)」
ギィイイイン!!
衣世「うっわ、どこまで飛ぶのよ。」
ガシャン!
私と巴美羽がバッティング練習の順番待ちをしているとみちるがフェンスにぶつける勢いのあるヒットを打った。みちるはそのままセカンドへ走っていく。
衣世「私だって肩はいいの…よっ!」
シュゴオオオ
本職はファーストだというのにあの肩、信じられない。みちるはベースにスライディングしていく。
ズザザザザザ
セーフ!
さすがにこの当たりだったら確実にセーフになるだろうと思った。けどみちるのスライディング、ぎこちないというかあわてっぷりがとてもかわいらしかった。
巴美羽「ぷぷぷ、あのスライディング。」
由紀「笑わないであげてよ。あの子は本気でやっているのだから。」
巴美羽「はいはい。」
巴美羽はバットをグルグルと回しながら左打席に入った。ピッチャーは相当意識している。
巴美羽「(ただ打つのもアレだなー。面倒。…そうだ。)」
ピッチャーが腕をまわして投げる。
シューーー
ギィイン!
みちる「ひえっ!?」
シューーーー
打球はみちるの足元を抜けていく当たりで左中間へと転がっていく。巴美羽は笑っている。まさか巴美羽は狙って打ったのか? みちるはホームへと余裕で帰っていく。ホームを踏んで一点。得点に絡むことができた。
みちる「こ、怖かったー。」
由紀「大丈夫?」
みちるは胸に手を当てて深呼吸していた。もし分かってやっていたのなら…なんてひどいことなんだろうか。




