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第一話 第一部 私はいったい何なのか。
ブン バシーーン!
ストライクバッターアウト!
由紀「……。」
なんでだろう、いつものスイングが出来ない。こんなの…私じゃない。
みちる「ゆ、由紀先輩…。元気だしてください。」
そりゃ私だって元気になりたいけど…お父さん、お母さん。信じたくないよ、こんなの。
みちる「ひっ、…お、怒ってます?」
由紀「怒ってないよ…大丈夫。」
本当は大丈夫じゃない、小柴に声をかけられるのは嬉しいけど…もうわけがわからない。試合に集中できるほどの活気が今の私にはない。いっそ変えてもらいたいぐらい。
ギィイイン!
湯子「あっ!」
ガシャン
打球は私の頭上を越えてフェンスにぶつかった。その処理にも遅れてしまい、連携が乱れていく。
「由紀さんこっちです!」
私は中継に投げるけれど、コントロールが定まらず、とりにくい所になげてしまう。私なんてこんな脆い人だったなんて…。
「由紀、変わるか?」
「…そうしてください。」
私はもう気力を失っていた。なにをやってもダメだ。…もう自信がない。
「わかった…皆、由紀の分までカバーするのよ!」
「はい!!」
みちる「先輩、私が打ってきます!!」
みちるが元気良くベンチを去っていく。その姿を私はただ見送ることしか出来なかった…。




