第二話 第二部 アドバイス?
湯子「巴美羽…なによ。」
巴美羽「体の使い方、もうすこし柔軟にこう…キュッって使ってみなよ。」
湯子「キュッ? こ、こう?」
巴美羽「違う。もっと…こうっ!」
巴美羽が投げ方のお手本を見せている。しかもフォームが湯子とそっくりだ。だけど腰の使い方が確かに違う。というよりは教え方。やっぱり巴美羽は天才なんだ。イメージでやる人って天才が多いって聞くけどこれが本当の天才なんだろうな。
夕菜「自然にってことかな。意識しすぎるから堅くなっていると思う。だから柔軟に使おう。ってこと。」
衣世「おお! 夕菜っちすげえ!」
みちる「せ、先輩だよ! ちゃんと言葉使い考えてよ!」
巴美羽は湯子がやり始めたところでまた座ってテレビを見始めた。飽きたらすぐに別のことをやるんだね…。
巴美羽「あ、そういえばここってゲームセンターが下にあったわよね。いってくる。」
衣世「私も行くっす。」
夕菜「こら二人とも。」
夕菜がとめるが二人は楽しそうにドアをあけて下へと降りていった。なんて自己中心的な行動なんだろうか。
湯子「うーん、こうかな。」
みちる「たぶんそうだと思います。」
湯子はまだあのフォームのことについて考えている。本当に良い人なのか悪い人なのか私には分からなくなってきた。とにかく、あの性格だけは治していかないと。
夕菜「どうする? あの二人。」
由紀「私は遠慮しておくよ。それより素振りしない?」
夕菜「そうね、行きましょう。一度声かけないとね。」
湯子「誰もいないといろいろと心配だからあの二人が帰ってくるまで私は待っているわ。何かあったら電話して。」
由紀「了解。」
みちる「先輩、いきましょう。」
みちるが犬が尻尾を振るような顔で私の後についてきた。なついているみちるは…ほほえましくなる。




