第一話 第九部 みちるの調子と衣世の完成度
ギィイイイイン!
ガキィ
みちる「ありがとうございました!」
みちるは良い当たりも多かったけど悪い当たりも目立っていた。期待できるというか不安というか。曖昧な部分があった。そして次はあの衣世という人がバッティングをする。いったいどんなバッティングを見せてくれるのだろうか。
ギィイイン!
衣世「あるぇ? もうちょいこうかな。」
当たりは悪くない。けどセンター真正面。そしてもう一度大きく構える。
ギィイイイン!!
夕菜「うわ、いった。」
バサッ
今度はカンペキにとらえてライト方向へのホームランを放った。なによりもあの柔軟性のあるスイング、並の練習では届かないものだ。平然と振っているってことはもう何十万回と素振りを続けて編み出したものだろう。あんな性格かもしれないけど、ソフトボールに関しては熱心な人なのかな。
衣世「うひょー、飛んだ飛んだ。」
しかしあの口は止まるところを知らないようだった。いつまでもしゃべり続けていたのが一番印象に残ってしまった。
衣世「しゃーしたっ!」
何を言ってるのかわからないけどバッティングが終わったみたいだ。二年生としては完成度が高い。こんな人もいるんだな。
湯子「ふぅ、次投げます!!」
何人かわたった当たりで湯子の出番がやってきた。しかし運悪く、私の打順にまわってきそう。始めのうちに緊張感をほぐしておけば…心置きなく勝負ができる!
ギィン!
「よっと。」
打たせて取るピッチングが上手く出来ているみたいだ。ここまでヒットは少なくすんでいる。この強豪ぞろいにしっかりと抑えられている所はすごい。さて…次は私かな。
監督「次!」
由紀「はい!!」
湯子「(由紀…ここまで最高のアピールが出来ている…。あとは由紀を抑えてエースの座を確実のものにする!!)」
由紀「お願いします!!」




