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順風満帆の結果自覚ゼロのワガママお嬢様誕生

プラナの父と母は会ってすぐに相思相愛になり結婚。程なくして、問題児プラナが生まれた……


生まれた時点から彼女は恵まれに恵まれていた。赤子の頃の、その可愛らしさは母親を凌ぐ程で周囲からもこんな綺麗な赤ん坊は見たことがないと絶賛された。赤の他人がそうなのだから両親がそう思わない筈はなく、元々優しい男であるリエンハートとマシュナは完全に虜となった。その溺愛ぶりは相当なもので、後に生まれた妹のパメラともども、怒る事など一度もなく、望むものを遠慮なく与える旗から見れば過保護すぎる愛を妻と共に注いだのだった。周囲もまた、リエンハートの娘にはたいそう甘い対応をするものが多かった。


しかし、それだけ甘やかされたのに(いや、それがよかったのかもしれない()、プラナの才能は全く腐らなかった。


学校の成績は(一部を除き)頗る優秀で、特に運動能力はクラスの男子すらまるでかなわないほどだった。この時点で既に彼女は、騎士団「アウルファイン」に入るべく資質を示していたのだ。中等教育も高等教育も名門校に通いまさにエリート貴族に相応しい華やかな経歴をプラナは卒業後に、難関である共和国親衛騎士団に入隊し今に至る。


本当に苦労の少ない恵まれた人生を歩んできた彼女なわけだが、最大にして唯一の欠点が、その、性格だった。


とにかく人生の上で自分に有り余る程の自信がある彼女は、自尊心及びプライドが非常に高く、全てにおいて舌が肥えてしまっていた。そのため、物や人の素が少しでも悪いと容赦く高飛車な態度で言葉攻めをする。自分が言われたことが殆ど無いのに、或いは無いからなのか、あまりにズケズケ言うその姿は高慢に思われ、また温室育ちでワガママな面や妙に子供っぽいところがあって、すぐに短気が発症して乱暴な言葉を吐くので、品がなく見えるのもマイナスポイントだ。


そんな性格では、当然だが人望など得られるはずもなく、学生時代から友達はさっぱりおらず、また男子から好意を抱かれ恋に発展した事は1度も無かった。要するに、さっぱりモテなかったわけである。


全てにおいて優れているはずのプラナなのだか、人を引き付ける「魅力」に関しては圧倒的に欠けているのだった。そして、それを、本人はあまり自覚していないのであった。


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