怒れる星乙女
共和国でも有数の大都市ライアガンドス。帝国の恐怖とはまるで無縁なこの場所は、美しく整った目にやさしい色の建物が連なる。上空から見ると、都市が街はきれいな円形を描いており、夜は灯りが星の煌めきの如く美しい。1つの宇宙がそこにあるようだった。
そんな気高き街のなか、気高らざる咆哮を放つ者がいる。
「ムキー! ふざけるんじゃねーですわ!」
青い髪を長くのばした小柄な女性は顔を真っ赤にして怒る。その容姿はこの都市に相応しい顔立ちで、大きく鋭い猫のような目とすらりと高い鼻、薔薇の花のようなすっと聡明な口元を持つ美少女であるのに、それをまるで蔑ろにするかのような子供じみた表情だった。
「まあまあ、落ち着きなって」
彼女の友人である、メガネの足の太い少女は、彼女をなだめようとするが、怒りが収まる様子はない。それはいつもの事だった。
「今度のナイトパアティーであんなものを着ろなどと、冗談も大概にしてほしーものですわ!」
「ワシは良いと思ったけどなあ? プラナだったら似合うと思うで」
「カーッ! まったく、ドワーフってのはファッションと言うのがまるで分かっておりませんことね。これだから田舎者の肉労人種って言うのは社交界には縁遠いんですわ!」
「ほー、ワシら馬鹿にするたぁいい度胸しとるやないか。このチンチクリンのチビスケが!」
「なっ! この私にそのような暴言を吐くとは許しがたいことこの上ないですわ! この豚足野郎!」
「あー、おチビちゃんがムキになってる〜カワイイねぇ」
「ムッキー!」
プラナと言う少女は、友人に掴み掛かかりブンブンと体を揺さ振る、しかし、それもまたいつもの事で、ドワーフの少女の顔には余裕が満ちていた。口笛を吹くような口をして、天に目をやり、こう思った。
その単細胞を直さない限り嫁の貰い手はなさそうだな……と。