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鏡の国の魔法陣
翌日。
夏菜の病室へ趣いた僕は、かなりの大荷物だった。
大きな紙袋が三つと、『春日井園芸店』と書かれたビニール袋が四つ。合計七つの袋を抱えた僕を尻目に、稀子をはじめとした面々は涼しいカオでドアをくぐっていく。
少しは、手伝おうという気が起きないんだろうか。
「あの・・・・・・七海さん、手伝いましょうか?」
「い、いえいえいえいえいえいえ大丈夫です! ご心配なく!」
やっぱり、美玖さんは天使だ。だが漢たるもの、女に荷を持たせるようでは情けない!
強がってはみたものの、やっぱりちょっと重すぎる。
「はあ・・・・・・」
床に荷を置くと、ガチャンとガラス同士がぶつかったような音がした。
『七海! 乱暴に扱わないように!』
「ごめん」
僕は慌てて紙袋を覗き込む。良かった、無事みたいだ。
「さぁて、始めるか」
金本さんが腕まくりをする。
「はい」
夏菜は今検査中で、あと三十分は戻ってこない。そのあいだにセッティングしないと。
僕は張り切って、紙袋の中の『鏡』を取り出した。