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サンドウィッチと魔女
「お昼にしましょうか」
櫻井さんが立ち上がる。時計は十二時四十分を指していた。
美玖さんも立ち上がり、カウンターの向こうへ入っていった。サンドウィッチを作るようだ。ハム、チーズ、レタスなどの具材が次々と冷蔵庫から取り出される。
ハムのサンドウィッチは、稀子の大好物だ。心なしか表情がうきうきして見える。
『七海、夏菜は一面のピンクの花畑が見たいと言ったんだね?』
「うん」
何か思いついたんだろうか。
稀子の瞳は、鮮やかな強い光を放って輝いて見えた。桜色の小さな唇が柔らかなラインを描き、笑みの形を作る。
『無邪気な姫のために、私は魔法使いになって見せよう』
この洒落、気づいてくだっさった方は凄いです。
しょーもなくてすみません。