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クリスマス

その年のクリスマス、




美香は優に買ってあげたい物があった。




それは1983年に発売されたファミリーコンピューター。




ファミコンである。




最初のゲームカセットはポパイやドンキーコング。




そしてその年、マリオブラザーズの発売が始まったのだった。




超高級品とまではいかないが決して安くはない代物。




それでもちらほら普及の波が来ていて




友達の家にファミコンをやりに行く優を見て彼もきっと欲しいはず…と察した。





修から入金される金額は毎月ほぼ一定でそれはまだ途切れたことがない。




残金が貯まり口座のお金が50万をきる事がなくなっていたのだ。





美香がふとそんな話を達也にすると




達也はデパートへ連れて行ってくれ




自分の財布からドンキーコングとポパイのカセットを買ってくれたのだった。




「マリオだけで十分なのに…」




「ええやん、俺も今度ゲームやらせてな」




美香は自分へのクリスマスプレゼントを強く断った。




それでも達也は美香へバッグを贈った。




クリスマスの夜、優は目を丸くして驚いた。




「うわ!信じられへんわ!!」




「うちもゲームやりたいから…優くん成績もめっちゃ良かったし」





それから冬休みは



美香が揚げたドーナッツを食べながら夜な夜な二人でゲームを楽しんだ。




それは普通ではない家庭環境にも




もうずいぶんと慣れた頃だった。





年子で互いに思春期真っ只中の美香と優が




あまりけんかをすることはなかった。




仲良くしていないと きっと生きてゆけない…。




口には出さないけれどお互いに同じ懸念の心を持っているから。




優はますます背が伸び




美香はどんどん大人っぽくなっていった。




口では「どんくさー、どんくさすぎるわ!」と美香をよく責めて



時々泣かせることもあったが




学校では有名な美香の存在が優にとって大きな優越感でもあった。





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