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【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで  作者: 猫都299
【ハーレムに加えてほしいと頼まれたけどオレは純愛厨だから君だけいればいい・下】【※多一視点】

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14 居所


 拓馬や仁も含め……全員、志望する高校に合格した。



 ある日。街角でたまたま、拓馬と桃井野が歩いているのを目にする。…………二人は、手を繋いでいる。


 えっ……?


 仲睦まじい後ろ姿を凝視する。彼らは、オレの視線にも気付かずに去った。拓馬の、何とも言えない嬉しそうな表情を……もう一度、脳裏に浮かべる。


 拓馬の好きな人は……もしかして。桃井野だったのか?


 思い至る。

 前世で聞いた拓馬の好きな人の話は……桃井野の事だったんだ。


 勘違いしていた。紫織を誤解していた。


 きっと、こんなオレだから。…………彼女の一番になれなかった。


 紫織は、お兄さんを一番大切に想っているのだと……痛い程に感じている。

 オレは彼女のお兄さんに、一生……敵わないのか?


 複雑な心持ちになっていた頃。突如、お兄さんの居場所が判明する。


 オレだけが分かった。誰も、まだ気付いていない。紫織も。

 だから、秘密にする。


 お兄さんの姿は見えないが……頭の中に、彼の声が響くのだ。聞こえているのは、オレだけのようだった。


「やあ。多一君。紫織の逆ハーレム計画を、阻止してくれてありがとう。紫織の知らない所では、逆ハーレムをコンプリートできていたみたいだけど……まぁ許そう」


「お兄さんも、きっちり約束を守ってくれたんですよね? わざわざ彼女を『家』の『外』に連れ出したくらいですからね?」


 『家では手を出さない』約束だった。お兄さんは、悪びれもせずに言ってくる。


「ああ。バレてた? 手を出したの。別にいいよな? どうせ、お前の勝ちなんだから」


「それは……どうなんですかね?」


 そうは思えなかった。多分、彼女は一生……お兄さんを忘れないだろう。


 隣に紫織がいるから、実際には声を出さずに思考で会話している。

 気になっている件を確認する。


「……いつまで、いるんですか?」


「ああ……いつまでだろうな……」


 返答に一瞬、気が遠くなる。


 お兄さんにも分からないだと? 冗談じゃない。


 くっそ……! まさか、このままずっと……こんな感じ……な訳、ないよな? 誰か、違うと言ってくれ。オレは一生、お兄さんと生きていかなきゃいけないのか?


 ゾッとする。


 嫌だ、絶対に。


 ライバルだった人が、永遠のライバルに進化したように……クソ煩わしい。


 お兄さんが伝えてくる。


「……言うの忘れてたけど。考えた事も全部、聞こえてるよ?」




 それから、お兄さんは……オレの中に居座った。いつまでいるのだろう。もしかして……紫織との結婚後も?


 時々……思考に聞こえる声のみで、じゃんけんする。勝った方が体を数時間、動かせる条件で。全然譲らない日が続くと、お兄さんがうるさくて厄介だからだ。


「紫織が悲しそうにしてる! オレの事を思い出しているに違いない。多一君、代わってくれ。ここは彼女の想い人である本人が、慰めるべきだろう」


「は? 寝言は寝てる時に言うもんですよね? 今、この世に生きているのはオレです。彼女の婚約者はオレです。死んだお兄さんは引っ込んでてください」


「まだ死んだとは、決まってねーんだけど……」


 彼女の側で秘密裏に、お兄さんといがみ合う日々を送っている。


ひとまず、あらすじにある当初の最終話まで書きました! 完結にしておきます。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました! ブックマークや評価やいいね等、応援にもたくさん励まされました! 特に……投稿する度に、いいねを頂いたおかげで……ブックマークが減った際の喪失感が和らぎました。読んでくださる読者様の存在を、ひしひしと感じております。私が気に入っているエピソードに、たくさんいいねを頂いた事もあり……何と言いますか、ありがとうございます。


※2026年1月5日現在、修正中で……1月3日から別サイトにて【応募版】の投稿を始めました。各話の文字数を調整したバージョンです。

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