表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで  作者: 猫都299
【ハーレムに加えてほしいと頼まれたけどオレは純愛厨だから君だけいればいい・下】【※多一視点】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/37

13 幼馴染との約束(拓馬視点)


 るりの望みを叶える為に、人生を捧げた。


 いつの事だったか。彼女から願われた。「彼女」を助けてほしいと。


 「彼女」とは、るりの友人で……通り魔に傷付けられ入院したと聞いた。犯人は捕まっていない。今、思えば。それが「魔法」によって行われたのなら、捕まらなかったのも頷ける。証拠も残らないだろう。


 るりは大層ショックだったようで、随分と憔悴していた。


 オレは、るりの幼馴染だった。小学校に通っていた頃は、ちょくちょく交流があった。中学では疎遠になったけどな。


 当時のオレは、ひょろっとした弱々しい奴だった。るりと、接点を持てなかった。そのまま大人になり、人生を終えた。


 るりの願いを聞いたのは、後の人生でだ。再び「オレ」としての人生を歩んでいた。気付いたのは、小四の時分。るりが言い出したのだ。泣きながら。怖いイメージが浮かぶと。中学生になってできた友達が通り魔に襲われるかもしれないと、オレへ訴えてくる。


 信じ切れないながらも、るりの友達を助ける為に……るりを安心させる為に協力しようと決めた。


 ひ弱な体では、犯人を捕まえられないかもしれない。体を鍛え、容姿も変えた。黒髪だったのを赤茶色に染め、中学に上がる頃にはピアスも付けた。何と言うか……張りぼてだ。少しでも強そうに見せた方がいいと思った。


 そして、ついに。その日が訪れる。「彼女」の後をつけていた犯人の前に出る。「彼女」の足音が遠ざかる。日没後の、暗い道の途中で。犯人と向き合う。


 「彼女」を害そうとしていたのは、「彼女」のクラスメイトだった。るりとも同じクラスだ。


 そいつはブツブツと……「ほかの男を選ぶなんて許さない」とか、言ってたっけな。今後「彼女」に近付かないように「あいつは、オレの女だ」と、脅しておいた。近くに隠れて聞いていたるりに「そ、そうなんだね」と言われた。誤解されたのかもしれない。しかし、弁解の機会は得られなかった。後日、オレの方が悪者に仕立て上げられていたからだ。


 腕を上げる為に売られた喧嘩を買い続けていたのも、よくなかったのだろう。オレの方が捕まってしまった。


 「彼女」は、るりが「彼女」の為に望んだ願いを知らない。


 後の……今の人生では、るりに記憶はなさそうだった。それでよかったのかもしれない。不安なく生きてほしい。その為にも「彼女」は、オレが護るから。


 もう一度、覚悟を決める。




 溜めていた息を吐き出す。

 この人生での「彼女」は、今までと少し違う気がする。前の人生を振り返って思う。


 今回の「彼女」が「魔法」による対決を制し、自ら打ち勝ったのを見届ける。

 姿の見えなくなった「彼女」のお兄さんについては申し訳ないが思う。


「やっと守れた。……約束を守ったよ。るりちゃん」


 幼馴染だった彼女の為に。

 弱い心をハッタリの強さで覆い隠し、自分を変えた。


 大事な約束を、胸に抱えている。


 見上げた空は、今までで一番明るく……沁みた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ