即死の攻撃をする雑魚敵ってなんか相手が死亡するだけで派手さとかも全然ないしハッキリ言って地味じゃないですか!?
「即死攻撃!」
「グアああああ!!!」
その攻撃を受けた人間はHPが満タンだったにも関わらず一瞬にしてやられてしまった。仲間は目の前のその即死攻撃を放った悪魔に睨むような顔をして逃げていく。
「くはは、おとといきやがれってんだ!へへーんだ」
そう言いながら、倒された仲間を蘇生するために逃げていく人間たちを見ていた。ここはダンジョンの中掃ほど。そこのは悪魔がたくさん住み着いているのだった。その悪魔、あろうことか即死の攻撃を放てくるのだ。その攻撃で人間ごときなら運が良ければ簡単に倒せてしまうのだ。しかも即死なので回避は不能。出会ってしまったら逃げるというのは1番の選択肢と言われるぐらいだ。
「今日もまた倒したな」
「ああ」
仲間のカタツムリが話しかけてくれる。この魔物も悪魔と同じところにいて攻撃自体は強くないのだが、補助ばかりしてきてその上このカタツムリから倒そうとすると硬くて苦労するのだ。こいつが悪魔と一緒に出た日にはもう人間側は散々だろう。
「ほんとすげーよな」
「いやいや、そんなことはないさ」
「いや、普通にすごいって!本当に!」
「でもこれで即死させたってまた蘇ってくるからあんまり意味がないような気もするんだがな」
「いやあ、お前はそれでどんだけ人間を葬ってきたと思ってるんだ」
「まあそうだけどよ...」
「もっと自信を持て!お前のそれはすごいことだ」
「ああそうだな」
そう言われると悪魔のこの即死攻撃はなかなかのものだと思えてくる。悪魔の1人が「ほらきたぞ」と言いながら指差す先には人間が6人ほどの集団でやってくる攻撃だった。
「お前のその力見せてやれ!」
「おう!」
悪魔はそう言うと意気揚々と向かっていった。
「はあ」
「ドンマイ、次があるって」
落ち込む悪魔をカタツムリの魔物が慰めていた。結果から言ってしまえばあの6人組には一発も即死攻撃を当てられなかった。先ほど対策ができないとは言ったが一応対抗策はある。それが即死を無効にすると言う盾だ。これを装備していれば相手の即死攻撃など全く怖くなくなるのだ。
だがそれはかなりのレアものでこの時点で手に入る確率はほとんど無いに等しい持っている方がレアなケースなのだ。だから対策は実質ないと言ってもいい。
「あの盾持ってるのは想定外だっただろ」
「まあ...そうだけど」
「大丈夫だって、次こそ倒せるって」
「全滅させられるかなあ」
「大丈夫だって!今度は行けるって行ける!!」
「そうか...」
「ほら!きたぞ!!」
また人間がやってくる。今度は3人ほどであの例の盾はどうやら装備していないようだ。悪魔はその人間達の方へと向かっていく。そしてその人間と出くわすと勢いよく即死攻撃をする。今度は3人全員に即死攻撃を入れることができた。
「やっぱお前すごいよ。魔王様にも勝てるんじゃねえか?」
「冗談でもそんなこと言うなよ」
もちろんそんな言葉間に受けていなかった。魔王はもちろん即死など効かないし即死以外で勝てる部分など全くないのだ。全てにおいて完璧という全ての魔物達の憧れの存在とも言えるほどだ。はあ、とため息をついて悪魔はこんな事を言い出した。
「ずっと不安だったんだ。即死攻撃ってなんかこうパッとしないんだよな。華がないというか」
「そんなもの必要ないだろう」
「魔王様はどう思ってらっしゃるのだろうか?」
「もちろん有能な部下だろ」
「そうか?こんな即死攻撃の俺をか?」
「そんな卑屈になるなって。魔王様に聞いてみればいいだろ?」
「そんなこと!」
「私がどうしたって?」
その声と共に目の前に大きなツノとマントを生やした魔物が現れる。悪魔達より数倍は大きく威圧感がすごい。これこそ「魔王」という感じだ。突然の魔王の襲来に「魔王様!」と声を合わせてその名を叫ぶ。
「こいつがあんまり自信ないっていうんですよ」
「ほう...それはなぜだ?」
「それはその...えっと...」
魔王の前では口籠もってなかなか自分の言葉で言い表すことができない。
「お前はすごい。数々の人間を撃退してきたのだからな」
「あ...はい」
魔王のその言葉に嬉しそうにそう返事をする。魔王は次のセリフを言う前に少し困った顔になり「それでな...」という。次になにがくるのかと悪魔は楽しみにしていた。
「そんな褒めた後にいうのはとても心苦しいのだが...俺より目立つからその即死魔王やめてくれないか?」
「えっ???」