表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

劣化コピペの集まりからの脱皮失敗!

作者: 井の中の蛙(松永)

またまた、投稿させてもらいました。私は馬鹿なので、主人公もあまり頭が良い人間には設定しませんでした。主人公にも「俺は馬鹿だ!」と言わせています。(笑)主人公が天才だなんていう設定で書けません。前作『展海峰と小説家の卵』と同様に5,000とチョットぐらいの文字数ですので、直ぐに読めると思います。暇がある人は読んでください。お願いします。

 ある日曜日、イサムは、ツトム君と電話していた。ツトム君は高校時代からの友達である。

イサムは、言った。

「よう!イサム君この間のバーベキューは良かったね!」

ツトムは、答えた。

「うん!美味しい肉だったね~!また、皆で集まってイベントやろうよ!」

その後、バーベキューに参加していたメンバーについての話をして電話を切った。

 イサムは、46歳!いいおっさんである。どこにでもいそうなおっさんである。

電話を切った後、イサムはニュース等をチェックした。ありふれたニュースばかりである。46歳にもなれば、殺人、強姦、地震、台風等のニュース等は過去にも見てきた事で、被害者達が可哀想だとは思うが驚くべき事はない。チョット驚いたのは、大阪なおみが、日本人で初めてテニスの四大大会で優勝した事だろうか…。

 ニュースを見終えて、イサムは、また平凡な一日を繰り返してしまったなと思った。イサムは、それとなくあまり興味がなく、あまり信じてない神仏に関するサイトを開いた。イサムが、驚くような神仏への解釈などが載ってないかとふと思ったからである。いやいや、神仏への解釈など驚くべき解釈等はなかった。こんな信仰もあったのねと知らなかった事はあるが…。特別驚くことはなかった。イサムは宗教学者なんかじゃないが、人間が想像する事ってこんなもんでしょと考えていたのである。

 イサムは、ゆっくりと机についた。そして、高校生から始めた週に一度、日曜日につけている週刊日記のようなものを書き始めた。


『年を取ってから、こんなもんでしょ!と思えることが多く、驚くことが少なくなった。昔は、「え?そうなの?そんなものなの?なにこれ?」等と驚くことがたくさんあった。最近の自分は、偽の悟りの境地に到達している。こんなもんでしょ!そんなもんでしょ!等などだ!』


 そこまで書くと、イサムはため息をつき高校生の時に書いた最初のページをめくった。そのページには次の様に書かれていた。


 『国語の先生に次のようなことを言われた。「お前は文章作成能力がないから、毎日日記を書け!」面倒くさくってしょうがない!週刊日記にしよう!終わり!』


 イサムは、「スー」と大きく息を吸い、「フー」と大きく息をはいた。「それでは寝るか!」イサムはベットに横たわり寝た。。

 イサムは、佐世保市役所の土木部に勤めている。担当している仕事は、順調に進んでいる。

他の担当者の友人からは、「お前は、いいな!仕事順調に進んでて…。俺は大変だよ!」等と羨ましがられている。イサムは、1週間無難に仕事をこなしあっという間に日曜日が来た。週刊日記を書く日である。

 イサムは、週刊日記帳を取り出し、先ず前週の週刊日記を読んでつぶやいた。

「驚きかー!そういえばそうだな!昔は、色んな事に驚きを感じていたな!学問、芸能ネタ、その他諸々ね!」

イサムは、「スー」と大きく息を吸い、「フー」と大きく息をはいて、今日見た討論番組を思い出しながら書き始めた。


『今日、討論番組をみた。日韓の歴史問題を扱っていた。有識者達が色んな歴史認識をもって討論していたが、保守派が圧倒していたかのように見られた。もっと、弱者の視点から歴史を語ってほしいのだが…。今週もたいして驚くべき事なし!以上!』


イサムは時計を見て寝るには早すぎる事に気付くと、PCで歴史認識という言葉を検索した。ここでも保守派が優勢のように感じられた。イサムは、今日は速く寝よ!と思い直ぐに寝た。

 月曜日が来た。イサムは、「さあ!仕事だ!」と言うと、仕事に出かけた。以前と似たような仕事ばかりで、新しく驚きに値する仕事には出会えない。それでもイサムは、一生懸命働いた。仕事を終えた後、イサムは同僚のツヨシに呼び止められた。

ツヨシは言った。

「よう!イサム!お疲れ様!」

イサムは答えた。

「あ!ツヨシ!お疲れ~!」

ツヨシは言った。

「昨日の討論番組みた?」

イサムは答えた。

「日韓の歴史問題を取り扱ったやつ?」

ツヨシは言った。

「それそれ!韓国や日本の左派の歴史認識はひどいよ!」

イサムは答えた。

「あ!そうかな?」

ツヨシは言った。

「だってそうだろ!無茶苦茶だろ!」

イサムは答えた。

「まあそういう見方もできるね!じゃあ!今日は用事があるので帰るよ!お疲れ様!」

イサムは逃げ出すように家に帰った。家に帰ったイサムは、PCに向かい、ある言葉について検索した。『賢者 正しい歴史認識』である。賢者なら正しい歴史認識を分かっていると考えたからである。

 イサムは、そこである新聞で掲載された歴史認識についての記事を読んだ。内容は、歴史家のエドワード・ハレット・カーさんの主張を要約したものであり、イサムが注目した点は次の2点だった。


1.『歴史家の選択や解釈から独立した「歴史的事実」など存在しない。都合のよい事実を選択し配列すれば「正しい歴史認識」などいくらでもつくることができる。つまり、「正しい歴史認識」なるものが存在するというのは、あまりにナイーブな、もっと言えば子供じみた考え方なのだ。』


2.『より正しい「歴史認識」のためには、殊更に「正しい歴史認識」を言い立てる人間の背景を研究する必要がある。』


イサムは、「スー」と大きく息を吸い、「フー」と大きく息をはいてつぶやいた。

「チョット驚いた!正しい歴史認識か~!わかんねー!」

イサムは、少し考え事をして、その内容をコンビニで買った小さなメモ帳に次の様にメモを取った。


『俺は、基本的には「弱者に優しく、強者に厳しい歴史認識が良いと思う考え」、つまりその様な思想的背景をもっている。しかし、俺の頭の中には、同時代について色んな複数の正しい歴史認識と感じている事がある。それらの中には矛盾というか、他人にはスッキリと納得してもらえる様に説明できないものもある。例えば、「日本は侵略戦争をした!」「いやいや自衛戦争でしょ!」等である。朝鮮、中国を弱者と捉え可哀想だと思うと、「日本が侵略戦争をした!」という歴史認識をもってしまう。日本と白色人種の帝国主義国らを比較して、日本が弱者で追い詰められていたと考えると、ある程度まで自衛の戦争という側面があったとの歴史認識をもってしまう。俺はブレまくっている。正直言って、俺の頭の中ですら正しい歴史認識を一つにまとめきれない。正しい歴史認識について語る事は、歴史家のエドワード・ハレット・カーさんさえ難しいと考えているみたいなのに、俺はそれを語る事はできない。俺には分からない。この賢者の知識にチョット驚いた!』


イサムはメモを取り終えると直ぐに寝た。

 イサムの仕事は、火曜、水曜は忙しくなかったが、木曜日、金曜日は忙しかった。木曜日、金曜日は現場に行ったからである。土曜日は当然休みで、家で討論番組を見ていた。内容は日本における女性差別についてだった。イサムは、女性は可哀想だと思った。そんなことを考えたり、ボーとしたりしながら土曜日を過ごした。

 さて、イサムが週刊日記をつける日曜日が来た。午前中は、新聞を読んだり、討論番組を見たりして過ごした。討論番組の内容は日本の高等教育であった。知識人達は、教育制度について多くを語っていた。例えば私学助成金をどうするか?奨学金制度はどうあるべきか?等だ!イサムは、教育方針はこれでいいのか?という事も論じてほしいと思いながら見ていたが、そういう討論はなされなかった。

 イサムはチョット早いが週刊日記をつけることにした。


『月曜日は、「正しい歴史認識とは?」について、土曜日には「女性差別」について考えた。あまり良い考えは浮かばなかったが…。俺は分からない事だらけだ!ただ、「正しい歴史認識とは?」については、エドワード・ハレット・カーさんに感謝!少し頭の体操になった。チョット驚き、ためにもなった!「女性差別」については、「賢者 女性差別」で検索してみようと思う。 終わり』


 イサムは週刊日記を書き終え、コーヒーを飲んだ。そして、PCを開くと「賢者 女性差別」で検索をしだした。あまりイサムの好奇心をくすぐるものはない。イサムは、俺一人が女性差別撤廃についての方法等を考えても仕方ないかと思い検索をやめた。

 月曜日、イサムが昼食を取っていたら、またツヨシが隣の席に着き話しかけてきた。

「よう!お疲れ様!」

イサムは答えた。

「お疲れ~!今日は何のよう?」

ツヨシは昼食を取り始めながら言った。

「別にたいした用はないよ!お前が討論番組とか好きだって聞いてさ~!俺もそういう番組好きなんだよ!」

イサムは答えた。

「あ!そうだったんだね!君も好きだったんだね!」

ツヨシは言った。

「昨日の日本の高等教育!教育制度なんかの討論番組はどうだった?」

イサムは答えた。

「教育方針はこれでいいのか?という事も論じてほしいと思ったよ!」

ツヨシは言った。

「教育方針ってどういう事?」

イサムは答えた。

「暗記中心の教育を変えよ!自分の頭で考えさせる教育に!と思ってたんだけどね!」

ツヨシは言った。

「ありきたりな答えだね!教育というのは暗記中心で良いんだよ!暗記は勉強の基本だよ!試験での評価も暗記しているかどうかをチェックするのが一番公平に行えるよ!論文なんかの評価だと、点数をつける人の主観が入るから公平に試験を受けられないよ!」

そうこう話し合っている内に2人は昼食を取り終えそれぞれの課に戻って行った。その日の午後は、イサムにとって憂鬱な時間となった。イサムは仕事に集中できずその日を終えた。

 火曜日仕事を終えたイサムは、PCの前にいた。日本の教育と海外の教育についての比較をし、どちらが良いのか考えようとしていたのだ。アメリカでは、国民が無知だと民主主義は滅ぶ、民主主義を守る国民を育てる事を基本方針にしているようだった。また、自分で考え主張することができる国民を育てることも重要視されているらしい。またフランスでもイサムの見たサイトによる説明だと、アメリカと似ているようであった。これらは、あくまでイサムの見たサイトによる情報であり、イサムの誤解かもしれないが…。

 土曜日になった。イサムの今週の仕事が、少し忙しかったからか?イサムは、直ぐに土曜日が訪れたような感じがしていた。9:00頃ツトム君から電話があった。

ツトム君は言った。

「おはよう!イサム!今日カラオケ行かない?」

イサムは答えた。

「え!今日はやめとくよ!」

ツトム君は言った。

「何かあった?」

イサムは答えた。

「そんな気分じゃないんだ!俺!あんまり世の中について驚くことがなくなり、人生を楽しめなくなってきてるんだ!」

ツトム君は笑いながら言った。

「おいおいおい!病気か?」

イサムも笑いながら答えた。

「病気じゃねーよ!人生悟ったような気がして…。偽りの悟りなんだけどね!」

ツトム君はまた笑いながら言った。

「偽りの悟り?じゃあ真の悟りをひらけば?」

イサムは言った。

「無理だっちゅうの!真の悟りなんて、誰もできないよ!」

その後数分、二人は話し、電話を切った。カラオケはキャンセルとなった。

 イサムは土曜なのに、週刊日記帳を取り出し過去のページを読み返した。高校生の時に書いたページに以下のような書き込みがあった。


『「大人は汚い!何が憲法9条だ!自衛隊は軍隊だ!俺は佐世保にいるから知っているんだぞ!」って小学生の低学年の頃思った!今もそう思う!』


イサムは、小学生の低学年の頃の自分を思い出した。この時は世間知らずで、この考えを自分のオリジナルな考えと思ってた。自分の他にもそう考えている人がいるとは知らなかった。馬鹿だった。イサムは、『自分の頭で考えた事も他人から見たら、誰かの考えからのコピペでしょうと思われる。』と思った。本当にコピペしてもいる。最近では正しい歴史認識について賢者の考えをコピペして頭の中にいれた。イサムは考え、土曜日なのに週刊日記を書き始めた。


『俺は、劣化コピペの集まりである。劣化コピペとは、誰かの悟りや考えのコピーを頭に入れる事!また、自分の頭で考え悟ったと思う事も、先人で似た考えを持った人がいたらそれも劣化コピぺであると他人から見られるし、仕方ないだろう。俺は馬鹿だから、自分の頭で他人に評価される完全なオリジナルの悟りや考えをもつ事はできない。俺は劣化コピぺの集まりからの脱皮はできない』


イサムは、そこまで書くと週刊日記を閉じた。そして独り言を言った。

「ああ!俺は馬鹿だ!俺は、どうあがいても劣化コピペの集まり!脱皮はできない!しかし、劣化コピペの中で何を重要視するか!これから劣化コピペを消去も追加も訂正もできる!ま!それで、個性をだせれば良しとしよう!大半の人がそうなのだから…。」

イサムは、「スー」と大きく息を吸い、「フー」と大きく息をはいて、また独り言を言った。

「こんなもんでしょ!」


なかなか、文章を書くというのは難しいですね!

前作『展海峰と小説家の卵』は、たったの2ポイントですよ!

さみしいな~!

めげずに頑張ります!チェスト~!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ