マクシミリアン第2王国1
タバコを吸いながら歩き。どんよりした空を見上げた。
「何処で道を違えたんやろな……いや、間違い続けたか……」
「お父さん……お父さんは間違いってない。家のためだから」
「いいや……わからんのや。陛下は何を考えて俺らを追放したのかをな………いや、追放やないな。陛下でもない。『あの人』は何を……いや。あの人の故郷やったな……ああ、そうやな」
「………私にもわからない」
「お前は母さんと逃げ、隠れな。付きおうてくれてありがとうな……ローリエ。そして、すまんかった。すまんかった……」
「お父さんは?」
「ワシは自由にする。まぁどうなるかはわからんが結果だけ、シャーリーに伝えてやってくれ」
「…………」
「愛娘よ。俺の背中を追うなよ。親不孝だけは許さんからな。俺は失敗した。滅茶苦茶やって、滅茶苦茶壊して、滅茶苦茶最悪な男になった」
「…………」
寒い……今日は本当に寒い。
*
日が出ているのが短い冬。その日が赤くなり始めた頃にマクシミリアン王国領に入った。すると1匹のワイバーンに乗った騎士が近づいてくる。ワイバーンは喋らず。騎士が喋りかけてくるのを見るとこのワイバーンは家畜のワイバーンなのがわかった。ソーマは彼は「誘導員だ」と言う。
眼科に広がる膨大な長壁の内側の町並みを見ながらその場所まで飛んでいく。
「レットン、すまんが今。発着場を旋回して待ってくれ」
「今日は忙しいのか?」
「英魔国に旅しに行くのとこっちに来る旅行者が多い。あとキャンプ場でな………自然を楽しむバカが多い」
「もうそんな時期だったな」
「だから、少し待ってくれ」
空でゆっくり旋回し、数分待ったあとに着陸の許可が降りた。レットンさんは何か大きい十字の印の上にゆっくりと降り立つ。目の前の騎士が赤旗を振って下ろして着陸を指導する。
「さぁー降りきったら退いてくれ。あとがつかえる」
「へいよ」
騎士が白旗に持ち変えて振りだす。白はOK。赤はダメと言うことだろう。
6個ぐらいの十字の印の発着場に騎士や飛べる魔物とか、色々と忙しくしていた。色んな人種がゴチャゴチャして私はここが「人間の治める場所なのか?」と疑い出す。
レットンさんは荷物を下ろし私たちはそれを受けとる。もう日は落ちて暗くなっていく中、街灯がつきだし路地や発着場を照らす。
「お荷物おいときます」
レットンが手に持っているお荷物を置いた。袋の中に鞄が入っており、それを受けとる。
「ありがとう。今日1日……」
「ええ、ありがとうございますわ」
「いえいえ、こちらこそ。ユグドラシル商会贔屓にしていただき。ありがとうございました」
「ええ。また頼みます」
「はい。ではおやすみ」
そう言って彼はそのまま、休むために竜舎に入って行く。竜舎には天候や状況が事細かに書かれており、旅に役に立つ情報が多い。
「よっこいしょ」
「銀姉。荷物なら持つよ」
「持てないでしょ? このバリスタケースもあるのよ?」
「……だな。人車を頼むか」
「人車?」
「ちょっとここで待っていてくれ」
ソーマは荷物を置いて何か馬車の荷台のような物だけ置いている場所に行く。何かの待合所のような小さな4階立ての家に顔を出す。すると………慌ててこっちに帰ってきた。
「銀姉、ヤバイ。人がいねぇ」
「いない?」
「ああ、全員出ちゃってるってさ。忙しいのだろう」
「ふーん」
「………あっお客さん。もしかして待ってた?」
豚鼻の……身だしなみの整ったオーク族が現れる。そのオーク族は馬車を引いていた。小型の荷車で人が引っ張って行けるものだ。私は「なるほど」と思う。馬もいいけど「これも良さそうだ」と。
「ああ。丁度よかった。マクシミリアン城近くまで。そこの宿泊施設まで」
「わかった。荷物はこれですね」
丁寧に荷物を乗せて運賃を先払いし私は人力車に乗る。なかなか座る場所も布がしかれてそこまで痛くない。雨笠は無い。
ちょっと私は不思議だった。人力車の普及に「馬車の方がいいのでは?」と疑問に思う。
「行きますよ」
「ああ、頼む」
ビュッ!!
だが、私は………亜人の身体能力の高さを忘れているだけだった。人力車はすこぶる速かったのだった。
*
「おおきにー」
「ありがとう」
「ありがとうございました」
無事、私たちは宿屋についた。マクシミリアン城の近く。古き白石で立てられ2階から木のいつもの建物な宿屋に私は時代の継ぎ目を感じつつ、私はソーマについていく。すでに多くの新しい事をみている私は。大分、大人しい気がするのは新しい土地に不安もあってだろうと自己分析をしてソーマの服の隅をずっと掴んでいた。なぜか安心する。
「今日はここに泊まるよ。城は閉じてるし」
「前もって帰ること言ってないの?」
「言ってるが………母さん『明後日に伺う』と手紙で。ちょっと早く来て、銀姉とデートをしたくてさ。一番は早くあの国から出たかったのもある」
「………まぁ!! 今回はデート!! 許してあげるわ‼」
「行かないでもいい?」
「行く!! 黙って行く!!」
興味しかない。初めての私の知らない他国は不安だが、非常に興味が溢れてワクワクが止まらないのだ。
*
夕食について聞くと外で食べることになり、荷物を整理した私たちは宿屋を出た。ソーマに旅なれしていると言われて初めて私が令嬢らしくない事を知った。
「銀姉。普通の令嬢なら他国へ行く場合。金がかかって仕方ない」
「1と2と3」
「一令嬢、二騎士、三使用人」
「そそ、ソーマ知ってるね。そういえば1と1ね」
「一令嬢、一騎士だな?」
「違うわよ。一令嬢、一騎士、一使用人、一下僕」
「僕は何個、兼任すればいいんだ?」
「フフフ、全部よ全部」
私は口元を押さえ。長いロングスカートで服を合わせた。一般人のような姿で能力だけで髪も隠す。
「でっ? 何処へエスコートしてくれるのかしら?」
「エスコート先は。行ったらわかる」
「ん?」
そう言って彼について行くと………寒々とした外の空気の中に非常に香ばしい匂いが漂い。活気があるのか色々と声が聞こえる。そちらにソーマがはぐれないように手を掴んでくるが。恥ずかしさより好奇心が勝ち気にせず。その場所へと向かった。
「わぁ!? スゴい」
「冬の間だけの出店だよ」
その場所は広場だ。石畳の大きな広場に何台もの屋台がところ狭しと並んでいた。今さっき乗った人力車に屋根と色んな物を乗せた。そして。所々に小さなマクシミリアン騎士団旗が屋根に刺さっている。
「寒いのに?」
「寒いが、寒い場所で食べる料理は美味しい」
「………いかにも」
私は頷き、ソーマに連れられ。店を廻る。知り合いの店を探しながら、私の目には多くの料理と談笑、お酒の入った歌に……異国なのに何処か懐かしい雰囲気を感じているのだった。




