表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁義なき悪役令嬢   作者: 水銀✿党員
腹黒王子プロローグ
21/59

悪役王子の第五歩: わがままの結果


 銀姉に勝った事になった。俺は銀姉に髪をくれといい。変態と罵られる。だが………もっと変態な事を行うために頼んだので気にしはしていない。


 俺は努力をする。頑張ってそのために必要なのだ。





 つまらない程に平和である。シンシアとノブリスはくっついてるようでくっついてないようでイチャイチャもなく。苛め返しの行動から全く何もない平和な日々にヘドが出そうだった。セシリー暗殺未遂事件で悪名が広まり事件を起こせば私在りと言われ皆が襲われないように規則正しくなってしまった。不良なんていない故になんにもなく時が過ぎる。


 私はいつものガゼボ(屋根つき小屋)に顔を出した。だが、平和である日常はすぐに崩れる。目の前の物によって。


「えっ?」


 椅子に可愛い可愛い銀髪に赤い瞳。黒と紺の中間から黒っぽいドレスに身を包み。大きな胸の谷間を見せる人形が座っていた。


「………はい?」


 私は人形に近付きツンツンする。柔らかい感触に驚く。スゴく人のよう。人間の暖かさが人形に手から伝わり人形が暖かくなる。腰をつかんで持ち上げると胸が揺れた。


「銀さま?」


 どこからどうみても。あの大好きだったキャラにそっくりだった。人形も球体間接でスゴくそれっぽい。もちろん座って抱き締める。過去の夢で見たことのあるなにかのお人形。


「あああ~水銀○~ああああ!! あああ!!」


 胸が柔らかいい……人形は本当に柔らかい。それを抱き締めて頬を擦り寄せる。思い出した。そう私はこのキャラが好きで銀と名乗ったのだ。


「ふふふ。ジャンクになりなさーい!! きゃあああああああああああ!!」


 目の前の恋愛イチャイチャ並みに感極まって泣きそうになる。


「凄くいい!! だれ!? だれが置いたの!?」


 本当に気になったが。私は水銀○の可愛さに全てを忘れて愛でるのだった。





 俺はバラの園から単眼鏡で監視をしていた。反応に興味があったのだ。先ず銀姉が来る前に人形を置いて、「どういった反応するのかを見よう」と思ったのだ。銀姉を模した人形だ。銀姉の髪を使った。


 そして、銀姉はなにも知らずに接触。ナイフを構えるか人形を気味悪がってどうするかを観察する。


 銀姉が選んだ選択は………俺の感情を殺すに十分だった。


 愛でる。


 嬉しそうに持ち上げて抱き締めて。まるで乙女が人形遊びをするような光景に血流が速くなり動機息切れを起こす。


 予想外の結果から持たらされたギャップの嵐に俺は心が死にそうになる。鼻血が出そうなほどに血流が良くなった。


「やっべ………マジでかわいい」


 人形に一生懸命話しかける銀姉。おままごとのような行動をする銀姉。まるで姉妹のような光景に感動する。


「ああ………ああ………尊い」


 銀姉にもこんな一面があることが凄く嬉しかった。







「銀姉……気に入ったかい?」


「ソーマドール………やっぱりね」


 「ああ。やっぱりあなたなのね」という雰囲気で私は水銀○を抱き締めた。


「銀姉……凄く気に入ってるのはわかったから返してほしい」


「ん……やっ!! 水銀ちゃんは私の!! ミーディアムになるの!!」


「水銀?……名前ならシャーリーと言いますよ銀姉」


「しゃ、しゃーりー?」


「そうです」


 私は悩む。その名前に。


「私の名前……?」


「いいえ、銀姉は銀姉。シャーリーはシャーリー」


「ええ!?」


「だから、返してください」


「ま、まぁいいわ。返す」


 私は人形をソーマドールに渡した。しかし……地獄はそこから始まるのだ。


「にしても……あなたが人形愛があったなんて。変態ね」

「変態だろうな………しかし。大事な仲間だ。努力するために。練習とか。練習とか」


「ふーん」


 なんか、変な感じだが昔の私もそうだったので偏見はなかった。ぬいぐるみは黄色い電気ねずみが好きだった気がする。


「……シャーリー今日も綺麗ですね」


「……う、うん?」


「銀姉どうしました?」


 椅子に座り人形を愛でるソーマドール。


「な、なんでもないわ」


「そうか………シャーリー。君の銀髪は綺麗で美しい。まるで天使だよ」


「あ、あう………」


 名前変えさせようかな。凄く恥ずかしい。


「ソーマ………その………」


「すいません。今はシャーリーを愛でる行為で忙しいんです。胸……大きくなったね。シャーリー」


 や、やめろ。目の前で水銀○の胸を触るな。


「ソーマ!!」


「なんですか? 銀姉?」


「そういうことしちゃダメ」


「そういうことするために作って貰ったんですよ?」


「で、でもダメなものはダメよ!!」


「……銀姉」


「な、なに?」


「顔真っ赤」


「!?」


 私は自分の顔に手を触れさせる。確かに熱い。


「銀姉も結局乙女なんですよね。人形遊びしてましたし」


「はい?」


「抱き寄せて愛でたでしょう?」


「うぐぅ……ぐぅ……」


 見られていたと言う事に少し恥ずかしさを覚える。私はなんとも今すぐここでソーマを殺したくなる。しかし………人形に血糊がつくなんてもっと嫌だった。


「せ、せめて名前だけでも変えてくれませんか? シャーリーは私の名前でもあるんですよ?」


「知ってる」


「よし、人形置きなさい。ケリをつけましょう」


「落ち着いてくれ。ほら? この人形可愛いだろ?」


「ま、まぁ………」


「銀姉もこれぐらい綺麗で可愛いんだよ。わかったか?」


「……………うぅ」


 なに、今日。最近、平和だったから仕組まれたの。凄く恥ずかしいよ。なに、こんなの望んでない。


「……ソーマお願い……それだけはどうしてもダメなの」


「…………わかりました」


 ソーマが立ち上がり人形をもって歩き出す。今日は武器を持っていない。そんなソーマが唐突に叫ぶ。


「よし!! シンシアさんとノブリスに自慢しよう!!」


「!?」


 私は立ち上がる。ソーマは走りだし………シンシアの元へ向かったのだろう。慌てて私は追いかける。


「やめろおおおおおおおおおおお!!」


 悲鳴とともに追いかける。







 カフェテラス。ソーマドールとシンシアと私が座っている。ノブリスは紅茶を持って現れる予定だ。雑用王子。


「へぇ~銀姉さんのお人形ですか~かわいいですね」


「シャーリーと言います」


「抱っこしてもいいですか?」


「どうぞ~」


「うわぁ~柔らかい!!………ああ………ああ………」


 私は何か変なことをしないかを見守る。水銀○を護るのは私だ。


「……大きい」


「…………」


 シンシアが悲しい目で抱いている人形の胸を揉む。自分のが揉まれているようで嫌だが我慢して見つめた。無心で揉むシンシアに少し笑ってしまいそうになる。目に見えるコンプレックスなのだろう。


「人形より小さいって………」


「銀姉さん……うぅううう」


「………また。シャーリーさんが泣かせたのか? ソーマ?」


 ノブリスが紅茶を持って現れる。


「いいや………胸が小さくてコンプレックスで泣いてる。慰めてやれよ」


「えっ!? い、いや………そ、それは………」


「けっ、うぶな野郎だぜ」


 ああ……あの無口だったソーマはもういないのね。


「お前なら言えるのか?」


「シンシアさん。胸が小さいのは恋愛しないからです。もっと恋愛してください」


「て、ソーマドールさん!?」


「そうよ!! ソーマの言う通りよ!! いいこと言うわね!!」


「銀姉さんも!?」


「まぁ、私はいつもの恋愛イメージしてたから大きいのよ~」


「うっ………頑張ります」


 シンシアがオロオロしだしながらも水銀○をソーマドールに返した。ソーマドールはそれを受け取り胸を揉みだす。


「銀姉の胸の感触に近くしてもらったから……やはり感触いいな。銀姉……さすが……あっ違ったシャーリーさすがだよ」


「あああああああもう!! シンシア!! これどう思う!?」


「かわいいと思います!!」


「違うわよ!! 私の名前をつけるのよ!!」


「ソーマ……本当か」


「ノブリス。本気だ。愛してるんだ」


「いや……知ってるけど。そこまでだとは………」


「ソーマドールさんは本気ですね」


「もちろん」


「人形愛を理解されてる!?」


 シンシアとノブリスは見つめあって頷き合い。なんか納得していた。私だけが恥ずかしい思いのまま………シャーリーと名前のついた水銀○に翻弄される続ける。平和が良いものなのを……この日、初めて知ったのだった。




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ