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わたし覗く顕微鏡 前編  作者: あおいやぎ
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王様はおうさまで孝雄は・・・

死ぬ前に澄んだ青空が見たかった


そう言い残して死んだ王様


納得の晴天が本日である。



「つかぬことをお聞きしますが、あなたは、あなたのことをわかっておりますか?」



ただ道を歩いていただけ。孝雄は驚いた。

まさか自分に話しかけているわけではないだろうとこっそり声がする方をみると

白髪の老人がニッコリとこちらを見ている


孝雄は人差し指を自分に向けた



「そうでございます」


老人は頭の位置を全くもって上下させず滑るように人波をかきわけてこちらにきた、その動作に比べ孝雄は動けずにいた。



「こちらをお渡しします。使わなくても結構使っても結構。お好きになさってください。いずれ分かります」



孝雄が山ほどある質問をぶつけようにも、老人はすでにその場にいなかった。

なにしろこの後フリーターである孝雄唯一の就業場所へ急いでいた矢先だ

助かるは助かるが、それどころではないだろうしかしそれどころにさせたまま、激務を超え家路についた。






昼頃、老人から顕微鏡をもらった。

たしか、プレパラートとかなんやら中学校以来だ。

ずっしり重い。

老人に似合わないほどピンクとリボン、ポップでサブカルチャーな箱を開けた。


「1、これは顕微鏡です」


分かっている。箱を開け真っ先に目に入る何枚か連なった説明書にそう書かれていた。


「2、好きなモノを拡大して見ることができます」


分かっている。大体そういうものだろう。


「3、あ~!?信じてませんね!!」


なんだ。なぜ無駄に人の体温を感じさせる文章なんだ。そしてこれだけの文章に1ページを使うな。と思いながらページをめくる


「4、いやっ私ったらいけない!紹介が遅れました。てへへ~。説明書の説子です!!」


いけない。なんの変哲もない文字であるのに、”どっこい太鼓少女”にでてくるローリヤの描写で聞こえてしまう。孝雄は自らが高揚していることに気づくまで時間はかからなかった。


「5、では早速顕微鏡を使ってみましょう!!レンズの下に指を入れて、覗いてみてね!!」


孝雄が浮かぶ疑問がここで回答されていた。この顕微鏡、作りがおかしい。プレパラートなんやらで挟むなんなりその土台がないため、見る物体を固定できない。それは別途用意が必要なのか?ならあの老人の商売に付き合わされているのか?と思いながら指を入れると、突然顕微鏡が音声を発した。


「スキャンします」


おぉぉ。驚いた。最新。孝雄は、2017年に感動した。そして、音声はまるでローリヤであった。


「スキャン完了。覗いてみてね!」






「何よ孝雄くん急に呼び出して私忙しいんだからね」

このメグミが忙しくないこと、孝雄は把握していた。

脳で作られた本意が身体のどこか真っ黒なところで加工され、口から嘘となり発せられる。

今日だって、呼ぶための口実に試行錯誤を重ねた賜物であった。

「なに?これが前言ってた顕微鏡?」

「本当にこれに指を入れるだけで1万円くれるんでしょうね?」

孝雄は大きくうなずいた。原点回帰。一周回ってシンプルにお金が一番利用できた。


「スキャンします」


「スキャン完了。覗いてみてね!」


レンズを覗こうとするメグミを必死に止め、1万円をにんじんのように釣り、

「はぁったくよくわかんない。そしたら、男の子と遊んでこよ~。」

恐らく彼女は直帰して”どっこい太鼓少年オンライン”にログインするであろうから、孝雄も裏アカウントでログインを済ます。


「ねぇ、あの子だれ?」


そう孝雄がなによりも驚きなによりも収穫であったのは

この顕微鏡

話を理解し、会話が行える。

孝雄は優しく、ローリヤ彼女はただの友達さなんて顕微鏡を説き伏せ、データを読ませた


「データ7 解読します。すなおさ27% 続いて録音データどれを解読しますか」


孝雄は、データ7にメグミと名前をつけ、録音データの中から発言を選択した。


「メグミ 『そしたら、男の子と遊んでこよ~。』は、『おじいちゃんのお見舞いに向かわなきゃ』です。」


メグミ・・・。

孝雄は、ホルモンが飲みきれない、そんな切ない気持ちになっていた。

ありがとうローリヤ

しかし、確信ができた。この顕微鏡は、人の本音を知ることができる。


「もういい?ログオフしちゃうよ?」


あの老人なにものか知らんが、当時のモヤモヤなど吹き飛ばす逸品。

この顕微鏡があれば・・・んーまぁなんかすげぇことができそうである。


「ねー」


しかし孝雄は冷静だ。プラスの面があればマイナスの面もある。どう安全にこれを使いこなすか。


「ねーってば、オーナー00037280。」


孝雄はこなれた様子でパソコンを使い。オーナー名を変えた。このパソコンとの連動も大発見であった。


「大紳士孝雄さま、眠い。また明日ね。」


そういうとローリヤは自らシャットダウンをした。こうなるとパソコンを駆使しようが、再起動することはできない。そしてあわよくばこのまっすぐに顕微鏡な姿、不満ではあった。

孝雄は未来につながるこの顕微鏡の使い道、その第一歩の使用方法を明確に定めていた。


明日、バイト先にこの顕微鏡を持っていこう。


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