番外編2 修羅再臨! ちびっこ軍団、絶体絶命!
「ぎゃあっ!」
双子忍者の不意打ちを喰らった刹那が、仰向けに倒れる。
「こ、こいつら……馬鹿そうに見えるが、かなり知的で狡猾っ! その上、凶暴だぞ! 正直、ナメていたが……かなり危険な奴らだと認識を改めるぜッ!」
一見すると馬鹿なロリッ娘達が、その幼い顔の裏に修羅を隠していた事に勘付いた刹那が、武器を取って警戒する。
「ナメていた……だと? この海賊王をナメていた! だとぉーっ!?」
「忍者業界ナンバーワン&ツーを独走する美人くノ一であるうちらをナメていた?」
「格下のドブス貧乳女の癖に、ナマ言ってんじゃねぇですよっ!」
刹那にナメられていた事を知った小娘たちが、プライドを傷つけられてブチキレる!
「お前らなんてなぁっ、格下も格下なんだよっ! 俺が戦った鬼ババアに比べたらなぁっ! お前らなんて、春先になると勝手に部屋に入ってくる変な虫だぜっ!」
さくにゃんに比べれば、魔王すらスズメバチぐらいの怖さでしかない。
そんな恐ろしい存在に比べたら、目の前のギャーギャーうるさい小娘共など、敵として認識する事すら馬鹿らしい。
「「「ブチ殺すっ!」」」
完全に刹那にナメられた小娘たちが、一斉に刹那に襲いかかった。
「殺ッ! デッドリースマッシャー!」
「「「ぎゃあーすっ!」」」
威勢よく刹那に挑んだ小娘たちだったが、あっさり返り討ちに遭ってしまう。
「カス共がっ! 修羅を倒したこの俺に、お前ら程度の雑魚が勝てるわけねーだろっ!」
すっかり強者としての振舞いが身に付いた刹那が偉そうな事を言うなり、みこが感心したような声を出した。
「はえ~。刹那は知らない間に、随分と強キャラになったみたいだねぇ~」
「ふん。修羅ババアを相手にして本当の修羅場を越えたからな」
刹那がそんな事を言うなり、大量の鳥がギャーギャーと鳴き声を上げながら、逃げるように飛び立った。
「なんだ、急に?」
「なんか、いやな感じ……」
不意に生ぬるい風が吹き、空気が重苦しく淀む――。
「小娘が、いい気になってんじゃないわよ……!」
逃げ惑う鳥の悲鳴を背負いながら現れたのは、不気味な殺気を纏う修羅だ。
「ババア!? 生きていたのかっ!」
修羅の姿を見た刹那が、目を丸くして驚く。
「遅れまして、こんにちわァーッ! ヒロイン登場☆おまちどうさまァーッ! ってねぇッ!」
登場するなり、さくにゃんが殺気を全開にして怒号を張り上げた。
「さくにゃんさん!? 医務室から消えたと思ったら、こんな所にいたんですかっ!」
ミイラみたいに全身に包帯をグルグルと巻いたさくにゃんを見たみこが、慌てて彼女に近づく。
「このガキをぶっ殺す為に抜け出して来たわ……!」
さくにゃんが邪魔そうに包帯を引き千切りながら答える。
「ええっ!? ダメですよ、やめてくださいっ! もう戦いは終わったんですよっ!」
獲物を見つけた飢狼の眼をするさくにゃんを、みこが押しとどめる。
「小娘はすっこんでらっしゃい!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
裏拳を喰らったみこが、三十メートルぐらい吹っ飛んでどっかに消えた。
「馬鹿野郎っ! 修羅に言葉が通じるかっ!」
みこがぶっ飛ばされたのを見た刹那が、一気に臨戦態勢に入る。
そんな刹那を見るなり、さくにゃんがニヤリと笑う。
「本気になったあたしは強いわよ……そう、あれよ……ラスボス並に強いわよ!」
戦闘態勢になった刹那を見たさくにゃんが、全身から殺気を放出させる。
すると、地面に転がっていた小娘たちが騒ぎ出した。
「おいっ、そこのババア! うちらの勝負の邪魔するのはやめるのだーっ!」
「ナメた真似してんじゃねーですよ、クソババア!」
「そのしわがれた頸動脈かっさばきますよっ!」
小さき修羅たちが、マジもんの修羅に命知らずにも喧嘩を売る。
「お前というクソみたいな存在によって、うちらが霞んでるんですよっ!」
「お前のせいで、うちらは春先になると部屋に入ってくる変な虫扱いですよっ!」
「こんのクソババア! まずはお前から成敗してやるのだーっ!」
何かが襲って来た!
そう思った瞬間、小娘たちの体が宙に浮いていた。
いや! さくにゃんに、ぶっ飛ばされていたッ!
「「「ぎゃぼおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーっ!」」」
本物の修羅によって、修羅を気取る小娘たちが一瞬で葬られるッ!




