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勇者ゲーム ~ネトゲ廃人共、チート無双で異世界救ってこい!~  作者: ミネルヴァ日月
第四章 さんざめけ☆めけ! 勇者だヨ全員集合! 天下一武闘会!
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第13話 これにてギルド会談終了!

「「「何言ってんだ、このおっさんっ!?」」」


 さくにゃんの登場と暴走で、また修羅場になると思われたが、意外や意外。

 反対派だった板垣が、一転してバトルロイヤルに参戦を表明してくれた。


 これによって、エリーゼ以外の全員がバトルロイヤルに参加となる。


(さくにゃんの暴走で一時はどうなるかと思ったが、予想外の収穫だ。あのババア、やりますねぇ!)

 思いがけない事から万事が上手くいった真太郎が、上機嫌で板垣に話しかける。 


「熟女王国を建国する、などという見果てぬ野望を抱いているとは、流石は大魔導師・板垣。やはり大した男よ」

「ふっ、言われずとも知っている」


 底知れぬ野望を垣間見せてキラリと眼鏡を光らせる板垣を、秘書のさっちゃんがすかさず諌めにかかる。


「何言ってるんですか、ギルマス!? あんな人に乗せられちゃダメですよっ!」

「だって、しょうがないじゃないか。あんな気合の入った熟女に誘われたら断る訳にはいかないよ」

 自分より一回りも年下の女の子に駄々をこねるおっさんが、そこに存在していた。


「『だって、しょうがない』じゃないですよ! えな○かずきですかっ!」

「失敬な誰が、え○りかずきだよ! 奴はピ○子と橋田○賀子先生という熟女に囲まれながらも若い女にうつつを抜かすクズ野郎ではないかッ!」

 自分より一回りも年下の女の子にブチキレるおっさんが、そこに存在していた。

 

「知らないですよ、なんで急に激怒してるんですかっ!?」

「これが怒らずにいられるかッ!」

「んもう! そんな事はどうでもいいんですよ! 大好きな熟女に参加しろって言われたからって、あからさまに怪しい誘いに乗せられないでくださいよっ!」


 完全に頭のおかしい板垣を、常識人のさっちゃんが必死に説得する。


「いいや、乗るねッ!」 

 だが板垣は、ケツの青い小娘の話になどまったく聞く耳を持たなかった。


「はぁ!? 何言ってるんですか! ひょっとして、この混乱のせいで頭がおかしくなっちゃったんですかっ!?」 


「人聞きの悪い事を言わないでくれ、私の頭脳は常に明晰だ。そんな私は大局を見据えて動いているのだ、決して個人的な性癖と私利私欲の為だけで動いている訳ではない。良からぬ勘違いをしないでくれ」


 絶対に嘘だった。


「見え透いた嘘をつかないでくださいよっ! さっき、熟女王国を建国するとかバカみたいな事言ってたじゃないですかっ!」

 さっちゃんがそんな事を言った瞬間、板垣の目が刃物のような鋭さを帯びる。


「馬鹿みたいだと……? 物事を自分の物差しだけで考えるんじゃあないっ! 熟女偏差値28以下の小娘は引っ込んでいろっ! この私は官僚だぞ! 君たち一般庶民とは違う視点で動いているのだよっ! 私に意見したければ、もう少し熟れてからにしたまえっ!」


 どうやら打ち所が悪かったのか、板垣はすっかり頭がおかしくなってしまっているようだ。 


「んもう、一体全体なんなんですのーっ!? まったく意味が分かりませんわっ! もう無茶苦茶ですわーっ!」

 ある意味で皆の意見を代弁したエリーゼが、ヒステリックに喚き出した。


「また、ヒスりやがった。先生、あの人をいい加減に黙らせてくださいよっ!」

「そうしたいのは山々だけど。無駄に煙に巻いたり理詰めで迫っても、恵璃華を追い詰めて、余計に噛みつかせるだけだからなぁ~」

 流石のアダーも、ヒステリックなエリーゼには、お手上げ状態らしい。


「なつきさんだけでなく、この場に集まった全員をたぶらかすとは! 暁真太郎、やはり生かしてはおけませんわっ! この場でお死になさいーっ!」

 エリーゼが襲いかかって来るなり、真太郎はアダーに助けを求めた。


「先生! マジで何とかしてくださいよっ!」


「う~ん……上辺は見栄やら矜持やら色んなもので見てくれを整えているが、その下は不安と恐怖でぐずぐずで、何あれば一瞬で抑えていた感情が爆発する……。分かってはいたが、純粋培養された箱入りのお嬢様の恵璃華には、今の状況は荷が重すぎたみたいだね」

 感情を爆発させて真太郎に襲い掛かるエリーゼを見たアダーが、彼女の心中を察してため息をつく。


「どうでもいい事を冷静に分析してないで、早く助けてよっ!」

「悪いが、しばらく恵璃華を引きつけておいてくれ」

 それから、エリーゼを説得する事は後回しでいいと判断すると、百合子の方を説得する事にした。


「百合子。恵璃華はもうダメだ。これからはキミが、ポムの代表になってくれ」

「ええっ、そんなの無理よっ! 私には、なつきちゃんや恵璃華ちゃんみたいに人を引っ張っていく事なんて出来ないわ……」

 アダーの突然の申し入れに、百合子は控えめな答えを返す。


「引っ張って行かなくてもいいさ、優しく思いやりに溢れる君なら、みんなの背中を押してあげる事が出来るだろう?」

「そんな……買いかぶり過ぎよ。私は、なつきちゃんと恵璃華ちゃんの後に付いて行く事以外に何も出来ないわ……」

 万事に控えめで慎み深い百合子は、自己評価を随分と低く見積もっているみたいだった。

 

「ああ、どうしましょう。こんな時に姫子ちゃんがいてくれれば……」

 頼りなげに瞳を揺らす百合子が、ここにいない友達の事を思って嘆く。


「お止めなさい、百合子。いない人の話をしてもしようがないでしょう!」

「この状況で無いものねだりはしない方がいい、とアドバイスしなかったかな?」


「うぅ……ごめんなさい……」

 情けない事を言った途端、手厳しい友人たちに息ピッタリに怒られる百合子だった。


「我が父よ、この杯を飲むほかに道が無いのでしたら、どうか、みこころが行われますように――と、君達クリスチャンの大先輩マタイ君も言ってるんだ。女だったら当たって砕けろの精神で、何でもやってみるべきなんじゃないの?」


「貴方はまた茶々を入れて! 少しは黙っている事が出来ないのかしらっ!?」

 真太郎が脇から余計な口出しをするなり、エリーゼが髪を逆立てる。


「百合子さん、どうしたらいいかと考えて不安になるのではなく、どうしたいのかを考えて、希望を抱いた方がいいんじゃないですか? 世間知らずなお嬢様に教えてあげよう。未来は予測するものではない、作り上げるものだ!」


「お黙りっ! いい加減に、煽るのをおやめなさいっ!」

 アダーと自分ばかりではとどまらず、百合子にまで手を出した真太郎にキレたエリーゼが剣を抜く。


「放っておけば、なつきさんとわたくしだけに止まらず、百合子にまで魔の手を伸ばすなんて、考えられない無法ですわっ! やはりアナタは、唾棄すべき悪魔の子でしたっ! 神のみ名においてここでお死になさいーっ!」

 感情を高ぶらせるエリーゼが、真太郎に「ズビシッ!」と剣を突き付ける。


「エリーゼさん、素晴らしいお考えです!」

 しかし真太郎は、エリーゼから逃げるのではなく、何故かあえて大胆に詰め寄った。


「な、ななな、なんですのっ!?」


「そんなに俺を殺したいのならば、バトルロイヤルで全ての決着を付けましょう。俺が負けたら、二度と貴女と貴女の親友たちに近寄らないと約束します。ここで、俺達の因縁にケリを付けようじゃありませんか?」

 真太郎がそんな事を言うなり、エリーゼが急にやる気になった。


「分かりやすくていいですわねっ! 首を洗って待ってらっしゃいっ!」


 エリーゼがうっかり丸め込まれるなり、百合子が素でビックリする。

「ちょ、恵璃華ちゃん!? すっかり乗せられちゃってるわよっ!」


 その一方で、なんとかエリーゼを丸め込んだ真太郎も自分自身に驚いていた。


「上手くいったみたいだけど、エリーゼさんがあんな風に乗って来るとは思わなかった――」

 真太郎が感想を漏らすなり、エリーゼがビンタを放った。


「なんて言う訳ないでしょうっ!」

「へぶっ!」

 ビンタを喰らった真太郎が、情けなく床に倒れ込む。


「わたくしを焚き付けて丸め込もうとしていたようですが、このわたくしが貴方風情にしてやられる訳ないでしょう! 馬鹿にしないでくださいましっ!」 

 すぐにヒステリックになる割に何気に賢いエリーゼが、真太郎の目論みを喝破する。 


「これ以上、貴方達の戯事には付き合いきれませんわ! ご機嫌ようっ!」

 すっかり機嫌を損ねてしまったエリーゼが、さくにゃんが壊したドアから出ていってしまう。


「う~ん。恵璃華は不参加って事で、繰り上がり当選でポム・アンプワゾネ代表参加選手は百合子に決定だね」

「ちょっ、なつきちゃん!? まったく意味が分からないわよっ!」

 アダーに無理矢理、参戦を決定させられた百合子が、素でビックリする。


「失敗をものともせず、即座にどさくさに紛れて百合子さんを参加させてしまうなんて、素晴らしいっ! なつき先生、流石ですっ!」

「ふふん。今日のボクはマスター・オブ・セレモニーだよ? この場を仕切るのはボクであり、全てはボクの支配下さ」


 本日の司会を務めたアダーと真太郎はそんなやり取りをすると、ギルド会談を締めにかかった。


「じゃ、ここに集まったみんなは、『さんざめけ☆めけ! 勇者だヨ全員集合! 天下一武闘会!』に満場一致で参加って事で、よろしく!」

「それじゃあ、朝から生ギルド会談は、ここらでお開きです!」


「「では、みなさん! 『さんざめけ☆めけ! 勇者だヨ全員集合! 天下一武闘会!』でお会いしましょう~!」」

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