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孤高の深海 プロローグ

作者: オリジナル

近未来。地球は人造人間に支配されていた。人間は奴隷や実験体としての価値しか無かった。




太陽と月。正反対の2つは交わる事は無かった。月の裏側。そこに人造人間ホムンクルスの基地があった。




[ご報告します。ジェイルが落とされました][ウム。見ていた。アイシャとカゲツだな。裏切り者が。こざかしい。所詮、単なる雇われだ。ジェイルも。何も変わらんよ]




南海の孤島、イージスター島。ホムンクルスから逃れた人間が住み着いた島。人々は自給自足の生活を送っていた。また一人その島を訪れる男がいた。




[兄さんよ。どこまで行くんだい?][イージスター島。片道で構わない][イージスター?止めときなよ。あんな辺境の島。他にも行けるぜ。ヤートのカジノとかよ][船を出せ。イージスター島だ][変わった客様だな。まあ良いや。乗りな。お代は要らねーよ。無事でいろや。まだまだ若いんだろ?なんせ物騒な島だ]





男は港を出た。[何でこだわるんだ?イージスター島なんて][力試しだ。野蛮な島なんだろ?久しぶりのシャバでな][お客さん囚人さんかい?][アア。お頭。煙草あるか?][まあ昔から船乗りは訳ありだからな。判らなくも無いぜ。ホラよ。全部持ってきな。餞別だ][キューバ産か。旨いね。この煙草]





[着いたぜ。イージスター島だ。ジャーな][ありがとう]




茶色いフードを深く被り男は上陸する。




暫く歩くと門番がいた。[名を名乗れ][サンディース。囚人だ。連絡は行ってるはずだが][サンディースか?待てよ]門番は名簿を見る。[サンディース。サンディース。あった。フーン。囚人ねー。まあ良い。入れ][通らせて貰うぞ][スチャッ。待てよ。武器はまずいだろ?持ち込み禁止だ。置いてきな][目が肥えた門番だな。ホラよ。これで全部だ][左のポケットは?][バレたか。ハイよ][まあ、とにかくだ。問題は起こすなよ。この島は統治されているんだ。権力でな。ジャー楽しんできな。旅人さんよ]重い門が開く。サンディースは荷物を担ぎ中に入る。




…………権力で統治された物騒な島ねぇ。そうは見えないがね…………





町民は穏やかに暮らしていた。町並みを眺めながら今日の宿を探す。市場で新鮮なリンゴを買い丸かじりする。果汁を啜りながら歩くサンディース。



[キャー!泥棒ー!誰かー!]サンディースのセンサーが反応する。[取られる方が悪いんだよ!関わりたか無いね][止まれ!盗人!撃つぞ!]警察が取り囲む。[取った物を床に置け][ヘイヘイ。わかったよ]男は荷物を床に置く。[第1部隊!撃て!蜂の巣にしろ!]ズガッガッガッガッガッ。泥棒は撃ち殺される。[お嬢さん。これですな][エエ。ありがとうございます][お礼は仕事料で構いません。この位ですな][そんな法外な値段。出来ませんわ][拒否しますか。お嬢さん。構いませんね]第1部隊が銃口を向ける。サンディースは影から見ていた。[ナッ………何ですか?貴殿方は?][警察です。権力者ですよ。我々の命令は絶対なのです。それとも何です?島から出てホムンクルスの餌食になります?][…………わかりました。お支払します。ですからこの島に居させて下さい][判れば良いんですよ。なら期限までに。切符切りますからね]






………ヒデエ。どっちが悪党か判らないな。警察だあ。権力者だあ。面倒だな…………





イージスター島。権力者に統治された島。そこがサンディースが選択した土地だった。





プロローグ。完結

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