表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/32

依頼-2-

最近、家族のと違う洗濯かごに、僕の服が入ってるよ。



なんで、一家全員僕に思春期女子の父への対応してるの?幼児退行プレイなの?悠は僕の娘になりたいの?

「依頼の内容はな」

部長はつらつらと話し始める。

いや、待って。

ここの変態共に、恋愛なんて、分かるはずないでしょ?





「…ということだ」

部長は、小さく息をつく。結構喋ってたもんなぁ。

それで、彼女の話をまとめると。

先程の女の子は、恋路京子(こいじきょうこ)

僕と同じ2年生で、クラスも同じ。

凛とした雰囲気を持つ、可愛い娘だ。僕の予想じゃ、ツンデレ。

後ろで髪を纏めていて、制服の襟口からうなじを覗かせる、割と巨乳な娘。

うなじ、いいよね。うなじ、最高だよね。

で、相談内容は、恋愛相談。

何でも、1年生の頃から好きで、最近は見かけるだけでドキドキが止まらなくなるそうだ。

それは、病気です。病院行きなさい。

でも、本人が言うところによると、恋の病だそうだ。

病気なら、もちっと弱々しいところを見せて欲しかった。絶対可愛いのに。

そして、その恋の病が、恋路さんの胸を締め付けて、苦しいそうです。

どうにかしてください。

みたいな相談。ちなみに好きな人っていうのは同学年の錦滓(にしきおり)君。

文武両道、容姿端麗。皆から好かれ、優しく。芯のある人間らしい。

ちなみに、錦滓の対義語は横島宗らしい。

らしいらしい。らしいを使わないと確定になっちゃうからね。

「というか、あんなでかい乙胸(前話参照)のどこが締め付けられているんだ。ブラのカップの問題なんじゃないかな?」

「横島君は、今日も変わらず変態ですねぇ」

三富士が怠そうな声を上げる。怠いなら、わざわざ変態言わないで欲しい。

「とりあえず、今は黒井に、錦滓のことを調べさせているから、お前らはもう帰っていいぞ」

部長の一声で、今日の相談部は解散となった。





帰り道。

僕はいつも通り、一人で寂しく帰っていました。

実際、僕に同学年の友達なんて居ないからね。

悠だって直ぐ帰っちゃうから、いつも一人になるわけです。

「はぁ…」

僕が憂鬱な考えを張り巡らしていると、目の前に見覚えのある顔を見つけた。

「あ…錦君だ」

先程、部長に顔写真を見せられた錦滓くんである。

そして、その錦君の隣には、女の子が一人……。

モテモテな錦君の隣を歩ける人って、つまり。

「あれ?じゃあ、隣を歩いている子って、彼女?」

よく見ると、綺麗な人だし、多分彼女だろう。うん。

展開早いなぁ。もう解決しそうだよ。

「――これで、相談終了なのかな」

だって、錦君には彼女がいたわけだし。

恋路さんには残念だけど、仕方ないよね。さすがに彼女持ちの男を、攻略するなんて、できないでしょ。錦君の彼女さんが、寝取られ趣味なら、一概にそうは言えないけどさ。

となると、相談部は、恋路さんを慰めるのかな?

いや、無理だろ。

あの変態たちにそんなこと出来たら、そもそもまず変態じゃない。

どちらかというと、

錦君と、あの女の人を別れさせるだろう。

「あぁ、もう!!悠を抱きしめたい!!」

むしゃくしゃするので、早く家に帰って、可愛い可愛い悠を抱きしめよう。

従姉妹パワー充電しよう。

そうと決まったら、ダッシュだ。

僕は、従姉弟が大好きだ!!




家に帰ったら、

『宗へ

私達三人は、ちょっと旅行に行ってきます。

別に宗をのけ者にしたわけじゃないです。

ただ、一家で一番信頼できる宗に留守番を頼むことに決めました。

お土産も買ったら、宗が悔しい思いをするので、買ってきません。

三日ほどしたら帰りますので、それまで、どうにか過ごしてください。

PS、

宗も、旅行に行くといいと思います。

外を知り、早く巣立ちしてくださいね。期待しています。

母さんより』

なんて手紙が、玄関の前に置いてあった。

ばかやろう。泣くぞ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ