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アダムとイブが口にした禁断の果実ってなんだろうね。それより僕は真っ裸男女2人が、美味しく果物食べてる図が気になるよ

─interval─

これでよかったんだろう。

彼はとても晴れやかに、切ない顔をしていたが、それでも。

青臭いし、それなりに痛々しい光景だったけれども、この世の中ではそれを青春と呼ぶのだから。

少なくとも、俺のように最悪ではないはずだ。

「幽霊なんだから。幽かな霊魂。いずれは消えてなくなるもの。それと、ここまで綺麗に別れられたんだから、これでいいんだ」

だが、バッドエンドなのだ。

「……それだからやっぱり、俺は幽霊が嫌いだ。勝手に消えてしまう」

迷惑極まりない。勝手に取り憑いて、勝手に去っていく。

「黒井さん、部室に戻ります。綿貫くんは置いて」

もう聞き慣れた声。全く敬わない不躾な後輩だ。意外にもこの少年にも気遣いはできるらしい。

もちろん俺もここに残るつもりはないけど。

「分かった。じゃあ、行こうか」

俺は隣にいる少年と一緒に、歩き出す。

夕陽が眩しくて、うざかった。








時間は戻って、5月。

「木原さん。僕は思うんだ。なぜ女子の胸は膨らむのか、と」

「黄昏気味になにを言うとんの、あんたは」

僕──横島宗と、木原琴理は、屋上から部活をしている女子陸上部を見ていた。

今日は珍しく相談部は無くて、久しぶりに僕は、陸上部観察をしているというわけ。

木原さんは廊下で会ったから連れてきただけ。彼、友達いないから、早く帰るんだよね。足速くて捕まえるのは大変だった。そんなに帰りたかったのかな。

「あんたから逃げただけなんやけどな……」

「心で思ったことが垂れ流しになるだなんて、この世は理不尽だ」

ポジティブ自己完結ができないこの世の中、辛いね。

「ってそんなことはどうでも良いよ。僕が言ってるのは、女子の胸だよ」

胸、おっぱい、バスト、乳。とりあえず僕的に、胸って読み方が好きです。

その胸。これは第二次性徴、つまり今この時期に成長するものだけど、僕はそういうことを言いたいわけじゃない。あ、ちなみに第二次性徴ってのは、体の性器以外が成長する事を言うよ。賢くなったね。

閑話休題。

僕は木原さんの胸元へ視線を向ける。それは真っ平らな絶壁だ。

そこらの女の子より可愛い木原さんの胸が、こんなに小さい。つまり、可愛いと胸の大きさはノットイコールということだ。

それについては日常生活でも証明されているんだけどね。

例えば、小学生然り、二次元然り。多分一般の男子生徒に聞いても、巨乳が可愛いではないと答えるだろう。巨乳が可愛いなら、白鵬だって可愛くなっちゃうし。

つまり、だ。人間の根源的欲求。アダムとイブのいちゃこらをするとしても、胸が大きいが可愛いじゃないのだから、胸の大きさに価値はない。プレイの幅が広がるとかいうヤリ〇ンは死ね。

では胸が膨らむ理由は何なのだろうか。

神はなぜ、人間の胸を膨らませようとしたのか。

もう一度確認するが、僕は第二次性徴の事を語っているわけではない。ただ、純粋に、神が胸という部位を膨らませた事への疑問を解き明かしているのだ。

まず、だ。男が胸を見て興奮する。これ自体おかしな話である。前にも話したが、普段見えないところが見える事に、背徳的エロスを感じてゲイボルグがランデブーするわけだが、これを考えると、極端な話、級友の生足を見ることと、脇腹をみることに大差は無いのだ。僕は生足の方が興奮するけどね。

そんな僕のマゾい趣味は置いといて。

隠れている部位が見えるのならば、なぜ胸を膨らませたのか。僕は、考えた。

そして、一つの結論に至った。そう、それは──

「腕立て伏せ、それしかない」

「横島、今自分が何文字語ったか分かっとる?暇人にも程があるやろ」

胸。この部位が一番輝くのは、腕立て伏せの時だ。

この腕立て伏せ。実は相当レベルの高いモーションだ。

一度重力に屈しながらも、それを跳ね返す。その運動を繰り返し、最終的にまた、地面へ倒れ込む。この運動。擬人化したとしたら、まさにツンデレ。手を伸ばしたいけど、小さな意地が邪魔をする。だけど、本当に辛くなったときは、『少しだけ……こうさせて』と可愛いデレ。このツンデレ運動を終えた者は、頬を紅く染め、汗を垂らしながら、そう──胸を地面に押し付ける。

神は、そこに注目した。押しつぶされる胸。これは、普段から重力にツンツンしている、胸がデレた瞬間と言えるのではないだろうか。

それならば納得がいく。ツンが大きい程デレが効く。これは基礎事実だ。

さらに、まだ腕立て伏せはこれだけじゃない。

している最中の胸。これを見ると──

「見える見えるぞ!!パラダイスが、ユートピアが!!」

そう、これこそが普段見えないものが見えた瞬間。谷だ。

インディージョーンズでさえ突入したことのない秘境。これをみて駆り立てられる男のロマン。

腕立て伏せ、これを考えた人間は世紀の天才だったに違いない。

しかし、本質的な理由は腕立て伏せではないと、僕は思う。

今までは見ることに主題を置いてきたが、今度は触。そこに注目しよう。

胸は脂肪で出来ているのは周知の事実だが、それはつまり、柔らかいという圧倒的事実だ。

ぬいぐるみや、ふかふかのベッドなどから分かるように、柔らかいということは、イコールで『癒やし』である。

もう分かったと思うが、まぁそうだ。ただ単純に癒やし。神は、癒やしを与えるために胸を膨らませたのだ。

アダムとイブを知っているだろう?アダムを不憫に思った神が、イブを作り出したという話だ。アダムは男だから、神はイブという女性をつくりだすことで『癒やし』を与えた、と考えることができる。

──長々と語ったが、僕が言いたいのはこの三つ。他にも色々と思いつくが、さらに長くなるのでやめよう。

神が胸を膨らませた理由。それは、まとめると癒やし。見てよし、触れてよしの最強癒しアイテムを作り出すため、神は胸を膨らませたのだ。

「ふ、それでも僕は貧乳派さ」

「内容もまとめも本当に最低やのに、なんでそないに誇らしげなん……?」

「ちなみに木原さんは、僕の守備範囲です」

「いやぁぁぁああ!!やめてぇぇぇえ!!」

貧乳好きだからね。ぐふふ。

さぁ、僕とあらたな扉を開こうじゃないか……!!

扉の鍵は僕たちのゲイボルグ♂さ!

「いやぁぁぁあああ!!」

春の空に木原さんの可愛い声が響きわたった。






後に一週間程、レスリング部からの勧誘が激しかった。なにあの部。超怖い。

アーッ!♂



さくしゃのあとがき

言い訳はしません。やる気がなくて、更新しませんでした。

今回、作者は腕立て伏せに目覚めました

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