暑い
「あーつーいいぃ」
ついそんな弛れた声を出してしまう程、暑い日。
まったくもー。なんで、太陽は365日無休で働いてるのに、こんなに頑張っちゃってんの?
暑すぎるでしょー。某、元テニスプレイヤーも吃驚の暑さだよ。
そういえば、太陽って擬人化するとどんな娘になると思う?
エネルギーあふれる黒髪の娘?わんぱく娘?
それもいいかもしれない。でもね、僕は思うんだよ。
太陽は、小さいクーデレ娘だと思うんだよね。ほら、ああいう娘って地味に温かそうなイメージがあるよね。あくまでイメージだけど。
「わー、太陽ちゃんあったかーい」
「……ん(少し嬉しそうに。恥ずかしそうに)」
とかすっごくいいと思う。火星×太陽が最高だと思う。カップリングとしてね。惑星ではね。
茶髪ショートカット、無表情系の無口クーデレ。着る服は大体萌袖がいいな。
――というかここまで言って、気づいたけどあれだね。もろ南先輩だね。
ま、つまり、南先輩は最高に可愛いってことです。はい。
いやね。南先輩の可愛さは異常だよ?
あんな容姿でよく、今まで生きてこれたね、って感じだよ。
もう、あんな娘を道端で見かけたら、つい声をかけちゃうね。
そんな南先輩の可愛い所は、やっぱ何といっても、小動物っぽい雰囲気だよね。
僕は、別に動物は好きじゃないんだけど、南先輩のあの雰囲気は、そういわざるを得ない。
一番近いのは、子猫。子猫って感じが南先輩からはする。
なんていうか、日向とかで目を細めて、気持ちよさそうに背伸びしてそうだし。
ひゃーかわいい。
ぺろぺろしたくなるね。
ぺーろぺろ。ふひひ。
いひひひ。いーひぃひひぃ。
「……横島?大丈夫?」
と、当事者の南先輩が横に来ていた。どうやら心配してくれたらしい。
ありがたやー。
「どうやら駄目みたいです。暑さでやられました」
「……そう」
…………。
……………ぱたぱた。
「そういう所あざといんですよ。南先輩!!」
僕は言いながら南先輩に向き合う。
だって、、、、だってさ。
この人、僕に向かって団扇仰いでるんだよ?
惚れちゃうよ、もー。
「しってますか南先輩。あまりにあざといと、嫌われちゃったりするんですよ?特定の人に」
「……?(首をかしげる)」
「く……。だから、そういうテンプレ的可愛い行動を重ねると……」
「……可愛い?(さっきとは逆方向に、首を傾げる)」
「……ぁ、あ。……可愛いんです!!」
「……(頬を染める。ちょっと嬉しそうに)」
「うがぁあああああ!!もう僕の負けでいいですから、ぺろぺろさせてください!!」
横島は『とびかかる』を使った。
「やめんか」
しかし、不二先輩に弾かれてしまった。
「なぜだ。なぜ、邪魔をする……ッ」
「目の前で行われていようとした、悪行を止めたまでだ」
「ひーどーいー。舐めたい舐めたい」
ジタバタじたばた。
「横島くん?今日も今日とて変態だね」
僕たち三人(というか僕)がじゃれていると、黒井さんもやって来た。
うーん。なんかいらつくよね。黒井さんに言われると。
「ちくしょう!ちくしょう!黒井さんのくせに!黒井さんのくせに!!」
「失礼な……。なんども言ってる気がするけど、先輩だよ、俺」
笑顔を引き攣らせながら、黒井さんは言ってくる。
「くろーいせーんぱーい」
「ニュアンスがおかしいよね?黒い先輩って言ったよね」
「大体合ってるな」不二先輩。
「……合ってる」南先輩。
「君ら酷くない!?」
まぁ、いつもの黒井さんだね。この流れ。
――と、そんな訳で、いつも通りの相談部。
夏でも通常稼働です。
「どうやったら成仏するか、考えてみた」
綿貫君と他相談部メンバーもいる相談部室で、部長が話し始めた。
「綿貫君は、幽霊とのコミュニケーションはとれてるのかい?」
「ん……あぁ、一応取れます」
言いながら、綿貫君は自分の背後を覗き見る。
なんだろう。あそこに琴吹さんがいるのだろうか。
そんな綿貫君の様子を見て、部長は、聞く。
「そうか。じゃあ今、君から見て琴吹君はなにかしたがってるかい?」
「いや……。別にわかんないっすね」
綿貫君は考える素振りをしたが、結局そう答えた。
駄目だなぁ。綿貫君は。
「乙女心がわからない奴め」
「横島には、言われたくないな……」
「僕程気の使える男は、中々居ないよ?」
「お前程、話していて気の疲れる男は、中々いないな」
失礼だなぁ。ぷんぷん。
――と、僕と綿貫君がじゃれていると、部長がその言葉を発した。
それは、とても唐突に。
意味不明で。
とても文化系の女子とは思えない。
とても、理解出来ない一言だった。
「……ふむ。なら、野球をしよう」
さくしゃのあとがき
全然書けなくなってビビリました。
頑張ります。