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作戦

悠が帰ってきた。




ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!

「聞けお前ら。今週の日曜日に、恋路京子と錦滓のデートが決まった」

部長は、僕が部室にはいるやいなや、そう言った。





どうも、こんにちは。横島宗です。

最近、僕の下の名前言ってないし、そろそろ忘れる頃かな?と思って自己紹介しました。

ちなみに、忘れそうだったのは、作sh――ゲフンゲフン。

さて、今日も愉快に相談部な僕ですが、どうも、僕の初依頼、暗いですよね。

僕はもっと、こう、

「胸が大きくならないんです。どうすればいいですか(ウルウル)」やら

「男の人と喋るのが、苦手で。。。その、お話相手に、なってくれませんか(モジモジ)」とか

ないのかなぁ?

後者の方は、割りとリアルじゃなかったかなぁ。

そもそも、学年全体――学園全体から嫌われている僕と、話したい人間がいるとは思えないけどね。

言ってて悲しいけど事実だからね。

まぁ、受けてしまった依頼を、取り消すわけにもいかないんだけど。

そんな事を考えながら、相談部の部室の扉を開くと――

「今週の日曜日に、恋路京子と錦滓のデートが決まった」

なんて、華麗で滑らか、スルスルと、言葉が脳髄へ染み込んでいく部長の声が、華麗になめらかに、スルスルと脳髄に染み渡っていった。

途中から言ってることがよく分からなくなったのは、秘密だ。

「へぇ。で、どうやったんだ?まさか恋路京子本人が誘ったのか?」

不二先輩は、大して驚いた風もなく、部長に聞く。

まぁ、部長なら、他人のデートの取り付けくらいやりそうだし。

「あぁ、そのとおりだ。恋路京子にやらせた」

「どうやって?」

「どうやっても何も。これは本人の仕事だろう?まさか、全てを相談部がやるとは、思ってないだろうな、不二」

「…まぁたしかにな。だが、俺の見たところじゃ、それができないから、相談部にきたんだと思うぜ?」

「どこに行こうと、それは自分でやらなければいけないことだ。それをやらせたまでだ」

部長はそう言って、話を終わらせた。

うん。言うことがかっこいいなぁ。

余談だけど、かっこいい女の子とか、凛とした女の子って、ツンデレが多いと思うんだけど、部長はクーデレだよね。

早くデレが見たいというか。

こーいうタイプは、いきなり居なくなったりして、「私、あいつのことこんなに想ってたんだ。…こうなるまでどうして気付かなかったんだろ、私」みたいな攻略が大事だと思うんだけど、これ、相手が自分に依存してないとできないんだよね。

僕、そのレベルまで、いける気がしないんだけど。

まぁ、部長と恋愛したいわけじゃないんだけど。

「さて、ではデートの日程が決まったところで、当日の作戦を伝える」

部長は不二先輩から目を外して、黒井さんに目を向ける。

「黒井、お前は今回、錦滓に犯された女と、あとその彼氏を持ってこい」

「な……うん。分かった。頑張ってみるよ」

それが、出来るあたり、黒井さんは恐い。

「そして三富士。お前は、今回、錦滓に犯される役だ」

「うーす」

三富士は軽く返事を――

「って、三富士さん!?部長!!犯される役ってなんですか!」

「いや、そのままだが?…あぁ、安心しろ。キスくらいまでだ」

「安心できませんよ!キスって重要ですよ!乙女として」

「お前は、乙女じゃないだろう…」

「とにかく駄目ですよ!なんで、そんなに落ち着いているんですか!?」

だが、そんな僕の叫びは、部長の言葉に圧殺される。

それは当然だった。

その答えは常識だった。

常識なんてものは、場所によって消え去ることをわすれていたんだ、僕は。

そもそも、彼らに常識なんて枷はないのだ。

なぜなら。

いや、だからこそ。



「なんでって、私達は、変態じゃないか」



変態なのだ。











帰り道。

いつもにまして僕はトボトボ帰っていた。

「なんで僕は忘れていたんだ…。あそこは変態部なのに」

『変態』

そんな2文字で、あそこの人達の行動は説明出来る。

そんなことを、なぜ僕は忘れていたんだ。

変態(コレ)』に慣れ親しんだ僕が。

なんで、自分(変態)を忘れていたんだ。

「でも、いまさら、そんな事を気にしたって仕方ない…」

自分を、変態を忘れていた自分への後悔はもういい。

そんな自己嫌悪にも似た自傷行為に、意味はない。

僕は、そう。

女の子が大好きな変態だ。

それは覆らないし。

止める気もない。

だから、せめて、三富士の唇を守りたい。

あの唇。

部室で、いつも見ているあの唇。

あれが、錦君如きに蹂躙されてたまるか。

あれは、女の子が楽しむものだ。

三富士のパートナーとなる女の子が、味わうものだ。

決して男が愉しむものじゃない。

「僕は百合が、大好きだぁぁああああ!!」

思わず叫ぶ。

近所の人が、「なんだなんだ?」と見てくるが、僕を見たとたん、何事もなかったように日常に戻った。

なに?その「あぁ、横島君か」みたいな、諦観じみた空気。

今は、便利だけど。

そもそも同性愛のなにが悪い。

女の子好き好き、はぁはぁの僕が、百合が嫌いなわけないじゃないか!

Lets同性愛。

yes同性愛。


――あれ?

同性愛……。

「あ!!思いついた!三富士の唇を守る、最強の作戦…!」

これなら、キスと、三富士の唇の防護。

どちらも達成できるではないか。

やはり、百合は、僕を見放していなかった。

僕に、こんなアイディアをさずけてくれたのだから。

……だが。

「これ、、、、キツイだろうなぁ」

欠点として、僕のライフが本格的にゼロになる。

「でも、これ以外ないだろうしなぁ」

だけど、この作戦以外思いつかないし、僕以外にこの作戦は出来ないだろう。

…。

…。

…。

――よし。

「いいよ。ここまで来たら、やり尽くしてやる……!」

決心する。

ここまで来て逃げるなんて、男じゃない。

否、変態じゃない。

僕は、女の子大好きの、変態なんだから。

このくらい、やりきってやる。

「そうと決まれば、悠を抱きしめよう」

手紙には三日位と書いてあった。

なら、もう帰ってきているはずだ。

「うぉおおおお!!悠ぅううううう!!」

僕は全力で走り始めた。








家に帰って、ちゃんと悠を抱きしめることに成功した。

悠も最初は嫌がっていたけど、僕の必死の様相を見てか、頬を紅く染めながら抱きつきを許してくれた。

これだから、悠はかわいいなぁ。



さくしゃのあとがき。

ここからイケメンへの――もとい錦君への逆襲が始まります。

なんとか、この依頼の構想が出来ましたので、最後まで頑張ろう思います。

では、また後で

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