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相談部談義

「横島氏。昨日は大丈夫だったかい?」

倒れた翌日。

部室に向かうと、部長が心配そうに聞いてきた。

あれだよね。こういう優しい所を見せることで、人がつくのかな?

ギャップ萌ってやつ。

あの、ツンデレとかクーデレ理論。

あの、ヤンキーと子犬の関係みたいな。

ジャイアン理論だよ。映画版ジャイアン、本当かっこいいよね。

「後輩。大丈夫だったのか?」

「横島君。大丈夫だったんだね?」

「……横島。大丈夫?」

いつものトランプ三人組も聞いてくる。

え?なに?僕こんなに愛されてたの?嬉しすぎるんだけど。

「大丈夫です。僕愛されてますね。今日も南先輩は可愛いですね。抱きついていいですか?というか抱きつきます」

「あ、大丈夫だな」不二先輩。

「大丈夫みたいだね」黒井さん。

「……どうせなら【倫理(略)】」南先輩。

「大丈夫なようだね」部長。

「横島君……変…態」三富士。

「おい三富士。寝ながら言う必要ゼロだよね」

僕は床に突っ伏しながら(抱きつきに跳んだら、不二先輩にたたき落とされた)、つっこむ。

部長はそんな僕を見据えながら、、、、、

なんか、地面に這ってる状態で、あんなめを向けられたら、もう――!

「部長、パンツ見せてくださいぅぅううぃぃぃいいいいいいい痛い痛い痛い!!」

不二先輩に踏まれた。

だから、僕は部長に踏まれたいんだ!(重要)

「はぁ…。じゃあ、横島氏。今日も頼んだぞ」

部長は、ため息をつき、、、、え?

「今日もって…?まさか?」

それはないよね。さすがの僕も、病み上がりにあんなことしたくないっていうか。

それだけは、いくら部長でも、勘弁――

「あぁ、錦滓ストーキング作戦だ」

――してくれなかった。







翌日。

僕が泣く泣くストーキングをした、翌日だ。

「昨日も、錦君は違う女の人とネちょってました。いい加減、僕のライフはゼロです」

「まだまだ俺のターン」

「部長!!」

これ以上、あの男の尾行をしたら、僕の精神力が消え去っちゃうよ。

そんな僕の様子を見かねてか、富士先輩がフォローしてくれる。

「なぁ、丘。もういいんじゃないか?」

「そうか?ふむ、そうだな。大方のことは、黒井が調べたしな」

「調べたんですか!?なんのために僕を!!」

「すまない。意地悪したくなったんだ」

部長は、ぺろ、と真っ赤な舌を出す。

そんなんで許されると思ったら、警察いらないんだよ!

「許す!」

まぁ、許すから変態なのかもしれないけど。

部長のこんな姿が見れただけで、もう僕は幸せ者だもんね。

「よし、では、二人が身を粉にして調べてくれた事を、まとめようか」

部長は、部員全員を集めて、カーテン部屋に入った。






「さて、ではまとめだ。黒井、頼んだ」

「はいはいっと。…あ、あー」

「黒井、早くしろ」

「分かってるって。じゃあ、調べたことを言うよ?」

「……うん」

「えー。まず、対象は錦滓(にしきおり)。2年D組24番。現在彼女は無し」

「そっからっすかぁ。早くしてくださいよぉ」

「分かってるって。じゃあ、調べたことを言うよ?」

「黒井。遊ぶな」

「…はーい」

「黒井さん。早くしないと、三富士が寝ます」

「それは、ダメだよ…!三富士さん、おきて!」

「起きてますよぉ」

「それは良かった。じゃあ話を戻すけど」

「スースー」

「寝ないで!三富士さん!」

「黒井!」

「俺のせいじゃないよね!?」

「早くしろ」

「………。でね?錦滓君は、今、色んな子とランデブーでしょ?」

「そうですよ。でも、ランデブーなんてレベルじゃないです」

「うん。錦滓君を入念に調べたらね。。昨日の小泉さんみたいな目にあってる人に会えたんだよね」

「………黒井は、時々、本当に恐いね」

「ちょ、夏貝さん。ひどいなぁ」

「お前が実際、うちの部では、一番怖いだろう」

「いや、不二君には負けると思うよ」

「お前の方が勝っているだろう」

「なんだと!この俺が黒井に負ける?…おい黒井、立て、叩き潰す」

「え!?俺、完璧に意味ないよね?負け認めたよね!」

「へぇぇぇえんしん!!」

「ヤメテ!!俺の負けだから!!不二君!!」

「ふッ!やはり俺が正義か!ふふふふふ、ふはははははは!」

「ほら黒井、遊んでないで早く言え」

「君たちのせいだろう…」

「黒井さん。早く」

「あぁ、もう!!つまり、錦滓君は、今レイプ魔なの!」

「ぶっ飛びましたね」

「あぁ、昼真っからレイプ魔とか大声で叫ぶのは、横島氏位かと思っていたぞ」

「うるさいな。でね。最初に横島君が見たのって、どんな感じだった」

「うーん。基本的にネちょってますけど、、、、でも、相手側の女の人、嫌がってる様子はなかったですよ?」

「そうかい……。じゃあ、多分、元カノとか何かだろう」

「なにかって…。適当ですね」

「いや、そこは実際関係ないからね。事実として、レイプ魔というだけでいいんだ」

「なんでですか?」

「俺たちは、ただ恋路さんの、恋をどうにかすればいいんだ。具体的には、胸の苦しさをなくすことね」

「はぁ」

「で、錦滓の正体が分かった所、後輩、お前はどう思った?」

「いや、身近に、イケメン腹黒なんていうベタな奴いるんだなって」

「横島君…。まぁいい。錦滓君が色んな女の子に手をだしているんだ。それをやめさせて、さらに、恋路さんとつき合せるなんて、不可能に近いでしょ?」

「それは…そうですね」

「でしょ?だからね。この相談を解決する方法はひとつしかないんだ」

「え?どういう……あ」

「気付いた?横島君」

「あぁ、はい。確かに、相談部ならやりそうですもんね」

「それは、どういう意味…」

「横島氏が、ここのやり方を理解したところで、結論を言おうか」

「………」

「我々相談部は、これより」


「恋路京子を、失恋させる」



さくしゃのあとがき

やっと相談部の皆さんが動き出します。

さて、これで、恋路さんには横島フラグは立つのでしょうか?

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