【035.眠れぬ夜】
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眠れぬ夜は、誰にでも訪れる。
今夜のオレが、それだった。
身体からの欲求よりも、心からの欲求の方が強そうだ。
寝室の間接照明をつけ、ベッドの縁に腰掛ける。
人恋しいが、誰でもいいわけじゃない。
セクサロイドのミリーに、いて欲しいのだ。
だが、それはできない相談だ。
彼女のいるところが、我が家なのに。
なら今のこの気持ちは、ホームシックなのか?
そうかもしれない。
もう帰れない家、それがミリーなのだ。
オレのすべてを受け入れてくれた。
ミリー。
今はもう記憶の中だけの存在。
明るい褐色の肌は滑らか。
それよりも濃い色の髪は、ふんわりと自然なウェーブを持っていた。
瞳は、白く滑らかな玉石に黒い宝石をはめたかのよう。
唇は少し厚めで、明るく赤く染まっていた。
彼女が笑うと美しく白い歯がチラリと見え、その笑い声は小鳥のさえずりのようだった。
その細く長い指が、しなやかに優しくオレを包む。
ふくよかなその胸で、眠るのだ。
そんな彼女は、もういない。
明かりをそのままに、オレは自分を抱きしめて、目を閉じた。
いつのまにか、眠りに落ちていた。
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