【033.公開】
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オレの記憶から取り出したイメージは、文字データにする前に公表されることになった。
文字データにする時間が惜しい、という人々が多数いるのだ。
イメージだけなら取り出すだけだから時間はかからない。
OCRにかけると、どうしても正しくデータ化されているかを確認しなくてはならない。
そんな作業は煩わしいだけで、別の誰かに任せたい、と思っていた。
「ライブラリーが増えるのは、いいことだわ」と室長。
「ですが、検索に時間がかかってしまいます」
「OCRソフトが出来上がれば、文字データへの変換もできるわ。それに目次や索引だけでもOCRしてあれば、それだけで検索時間を短縮できるでしょ」
「まぁ、そうですね」
それは、テオの仕事になった。
イメージ取り出しの最中は、今までの作業を続行して。
あらゆる学問の基礎が取り出され、子どもたちの授業に反映された。
オレが来るまでは、歯抜け状態だったのだ。
教師たちの知識は、教科書を補完する程度のものだったから。
教科書がない状態では、教師たちは苦労するしかなかった。
今は、取り出した基礎から、新たな教科書が作成され、授業に活かされている。
また、さまざまな分野で必要とされるデータや機器が、取り出された情報から次々に作り出され、そうした分野が進歩していく。
各種の研究開発速度が、加速されていく。
ある方面で作り出された技術が、別の方面で活かされもする。
技術はほとんどそのままの形で公開されるので、誰でもが利用が可能になっている。
これのおかげで“車輪の再発明”をせずに済み、無駄な開発をせずに済むのだ。
もちろん、使われることで技術の熟成も行なわれることにもなる。
残念ながら芸術に関しては、過去の代表的な作品のイメージを出しても、解像度の荒いものにしかならず、役立ちそうもなかった。
できるのは、各種材料の製造方法や手法なんかを取り出すくらい。
それでもいいから、と欲しがられた。
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