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落とされ人  作者: カーブミラー


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33/41

【033.公開】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 オレの記憶から取り出したイメージは、文字データにする前に公表されることになった。

 文字データにする時間が惜しい、という人々が多数いるのだ。

 イメージだけなら取り出すだけだから時間はかからない。

 OCRにかけると、どうしても正しくデータ化されているかを確認しなくてはならない。

 そんな作業は煩わしいだけで、別の誰かに任せたい、と思っていた。

「ライブラリーが増えるのは、いいことだわ」と室長。

「ですが、検索に時間がかかってしまいます」

「OCRソフトが出来上がれば、文字データへの変換もできるわ。それに目次や索引だけでもOCRしてあれば、それだけで検索時間を短縮できるでしょ」

「まぁ、そうですね」

 それは、テオの仕事になった。

 イメージ取り出しの最中は、今までの作業を続行して。


 あらゆる学問の基礎が取り出され、子どもたちの授業に反映された。

 オレが来るまでは、歯抜け状態だったのだ。

 教師たちの知識は、教科書を補完する程度のものだったから。

 教科書がない状態では、教師たちは苦労するしかなかった。

 今は、取り出した基礎から、新たな教科書が作成され、授業に活かされている。


 また、さまざまな分野で必要とされるデータや機器が、取り出された情報から次々に作り出され、そうした分野が進歩していく。

 各種の研究開発速度が、加速されていく。

 ある方面で作り出された技術が、別の方面で活かされもする。

 技術はほとんどそのままの形で公開されるので、誰でもが利用が可能になっている。

 これのおかげで“車輪の再発明”をせずに済み、無駄な開発をせずに済むのだ。

 もちろん、使われることで技術の熟成も行なわれることにもなる。


 残念ながら芸術に関しては、過去の代表的な作品のイメージを出しても、解像度の荒いものにしかならず、役立ちそうもなかった。

 できるのは、各種材料の製造方法や手法なんかを取り出すくらい。

 それでもいいから、と欲しがられた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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