【024.仕事開始】
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デスクが割り当てられ、さっそく目録作りを開始した。
コンピューターは、それぞれに用意された。
つまり、オレにも使え、と言うことだ。
まぁ、目録は、口頭でテオに伝えればいいから、そのまま、使い方を憶えていけばいいだろう。
こちらの仕事の開始とともに、アネットは部屋を出ていった。
いろいろと準備を済ませてくる、と言って。
テオに伝えながらの作業を開始する。
それをたんたんと続けていく。
目録は、頭の中で、すでに並べ終えている。
こちらでは、コンピューターのマニュアルを記憶してから操作をしていく。
コンピューターの操作は、別段、難しくはない。
もちろん、凝ったことをするには、それなりの技術が必要だろう。
それも瞬間記憶してしまえば、ある程度のレベルから開始できる。
だが今は、その必要はない。
というわけで、オレの操作は、次から次へと進んでいく。
横目でとなりのテオを見ると、操作には慣れているが、オレの伝えるスピードが早いのか、どこか慌てていて、汗まで流している。
「テオ、大丈夫かい?」
「はい? ああ、いえ。まだありますよね?」
「ああ。ちょっと休憩しようか」
「助かります」
テオは、最後の入力を終え、背もたれに身体を預けた。
「ふぅ」
「そんなに大変かね?」
「これでも入力には自信があるんですが、数が数だけに」
「うん。だが、まだ一分野のはじまりだ。日数がかかる作業だな」
「ふぇぇ」と脱力するテオ。
「ははは。どちらにせよ、少しペースを落とすことにするよ。君をそんなに焦らせても仕方がないからね」
「ありがとうございます。そうしてもらえると助かります。何か、飲まれますか?」
「そうだね。何があるかな?」
「乳酸菌飲料、コーヒー、紅茶、緑茶、あとは水ですね」
「では、コーヒーをもらおうか」
「わかりました」
彼は、すっと立ち上がって、給湯室に向かった。
「どうかしら?」と室長がそばに来た。
「順調、と言っておきましょう。日数がかかりますが」
「それはかまわないわ。ダラダラされては困るけど」
「もちろんです。お給料をもらうのですから、それなりにがんばりますよ」
「それでいいわ。ところでその記憶している分野はどのくらいあるのかしら? どの方面が多い?」
「そうですねぇ……大まかに言って、30方面でしょうか」
「方面だけで、30? 冗談でしょう?」
「いえ。何か問題が?」
「まさか、そんなにあるとは」彼女は、怪訝な顔をした。「本当に記憶しているの? すべてを」
「ええ。さっきも言いましたが、消去もしていませんから」
「驚きだわ。コンピューター顔負けね」
「人に見せることができないのが、欠点ですがね」と笑みを浮かべて見せた。
「確かに残念ね。でもそれをコンピューターに入力できたら、王国のためになるわ」
「少しでも役立てられるとありがたいですね」
テオがドリンクを持って、戻ってきた。
室長は、そのまま部屋を出ていった。
コンピューターをひととおり憶えたところで、オレも入力を開始した。
それ自体が、コンピューターの勉強だ。
使い方がわかっても、身体が慣れる必要がある。
どんな分野でもそうだ。
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