【002.最後の食事】
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刑罰が決まり、数日をブタ箱で過ごした。
そのあいだに、身体検査がされ、坊主頭にされた。
坊主頭なんて、施設以来だ。
そのころは、定期的に切られていた。
坊主以外の選択肢はなかった。
ブタ箱最後の日には、豪華な食事が出された。
看守が言う。「もうこんな食事は取れないだろうからな」と。
「まさか」
「いいや。詳しくは知らんが、おまえの行く先は、弱肉強食の世界だ。それだけは憶えておけ」
そういうと看守は、通路の奥へと消えていく。
オレは、ありがたくその豪華な飯を味わって腹に詰めた。
オレも含めて、60人弱がそこにいた。
みな、囚人だ。
全員が、シートに座らされている。
拘束服とベルトで、身動きがとれない。
頭もシートに固定されている。
動かせるのは、口と舌と目だけだろう。
目の前のカメラに目を向けて、口を開けば、細いチューブが口に伸びてくる。
ドリンクだ。
味は、あるんだかないんだか、わからないくらいの塩気。
最初のうちは、みな文句をたれていたが、今では誰もが独り言を呟いているか、眠っているかのどちらかだ。
ここは、監獄への船の中だ。
窓はない。
あったとしても暗闇と星があるだけだ。
この船から脱出したら、すぐに死ねるだろう。
外は、冷たい真空の世界なのだから。
ここは、宇宙空間だ。
そして、この船は、監獄惑星〈スータン〉に向かっている。
〈スータン〉は、岩石型の惑星で、恒星レダンをまわる第2惑星。
テラフォーミングされたが、なぜか、監獄惑星として封鎖された。
〈スータン〉の軌道上では、封鎖ブイがいくつもめぐっている。
入ることはできても、出ることは許されない。
出ようとすれば、自動攻撃されて、落ちていくだけだ。
この船は、地表には向かわない。
向かっているのは、〈スータン〉を管理している監獄ステーションだ。
いったい何を管理しているのかは、疑問だが。
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