21話 双天の片翼、封印される
守るようにしてルミスの前に立つティスタニア。
それに対しギリっとクレアは歯噛みする。
「もう何なのよ!!次から次へと邪魔ばかり。」
「本当に人間とは醜く、愚かな生物だ。」
呆れたように吐き捨てるティスタニア。
「何をしている?早くルミスを殺せ!!」
そんなサインズの声と共に屋敷の兵士達が武器を構える。
「精霊王である我に牙を剥くとは。
身の程を知れ。痴れ者が。」
ティスタニアの言葉と共に植物のツタが
ルミスを除く全ての者達を拘束する。
「変に動かれても面倒だ。そのまま大人しくしていろ。」
そう吐き捨てるとティスタニアはルミスを抱えてその場を
後にするのだった。
そうしてティスタニアはルミスを抱えて街外れの丘
へと移動する。
移動を終えるとティスタニアはルミスに
取り付けられた枷を破壊する。
「あ、ありがとう…ございます。」
「主の意向に従ったまでだ。感謝される筋合いはない。」
「それでも助けて貰った事に代わりは…」
「やはり。理解出来ぬ。何故?貴様のような小娘の為に
主がそこまでするのかが。」
「それは私にも分かりません。何故?彼女が私なんか
を助けたのか?」
「主は何よりも人との繋がりを大切にしていた。
だからこそ主は他者の為に何度も己を犠牲にしてきた。」
ティスタニアの表情が悲痛に歪む。
「え、えっと?その?」
なんて声を掛けて良いか分からずルミスは
しどろもどろになる。
そんなルミスにティスタニアは言葉を投げ掛ける。
「気を引き締めろ。そろそろ決着が付く。」
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一方その頃
隔絶された世界で千日を超える年月死闘を繰り広げていた
2人に疲れが見え始めていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…相変わらず。化物ね?
まさか。ここまでしても死なないなんて。」
肩で息をしながらイレアは語り掛ける。
「何千億回と俺を殺して置きながら。良く言うぜ。」
イレアのように息は上がっていないものの。
陸の動きは明らかに鈍くなっていた。
「そろそろ決着を付けるとしましょうか?」
そう言ってイレアは詠唱を唱え始める。
「世界が紡ぎし、天地の理よ。かの者の…」
「詠唱。させるか!!」
詠唱を妨害しようと陸が攻撃を放つが。
その攻撃はイレアに当たる直前で掻き消される。
「全ての権利を奪い、隔絶の都にて…」
「くそっ…」
陸は幾度となく攻撃を放つが。その攻撃は全て
イレアに当たる直前で掻き消される。
そうこうしている間にイレアは最終詠唱に差し掛かる。
「かの者を永久に閉ざし、世界から切り離せ。
【乖離封印】」
イレアが詠唱を終えると同時に陸は忽然とこの場から
姿を消す。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…何とか上手く行ったわね?」
その場に膝を突きながらイレアは言葉を紡ぐ。
「貴女には悪い事をしちゃったわね?
でもそれで貴女の望みが叶うのなら本望よ。」
その言葉と共に空間が解除され、
イレアはティスタニアとルミスの元へと飛ばされる。
「主!!」
ティスタニアの呼び掛けに昊は意識を戻る。
「一体何が?」
昊が疑念を抱いた。
その刹那――
昊の体に異変が起こる。
「なっ…昊様!!」
昊の姿にルミスは思わず愕然とする。
何故なら昊の体は5歳児程の若さにまで
退化してしまっていたからだ。
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