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双天の彼方  作者: 明希 光
第二章
20/23

18話 双天の片翼、交渉する

その耳を疑うような発言に陸を除く全ての者が驚愕する。


「んなっ…!?双天の片翼!?

それにルミスの母親の妹だと!?」


「ええ。だからこそ姉に代わり彼女を引き取りに来ました。」


そう淡々と述べる昊の横で陸は苦笑を浮かべていた。


(よくもまあ。あんな有りもしない嘘を堂々と付けるものだ。)


昊の素性を知る陸だけはそれが嘘であると理解していた。


(でもまあ。真言の力を持つ昊の言葉は全て真実になる。

例えそれが嘘で塗り固められた虚言であったとしても。

それが真実であると()()が錯覚する。

昊曰くそこまで使い勝手は良くないとの事らしいが。)




その事実を知る由もない者達は昊の言葉を鵜呑みにする。




「で、ですが。幾らルミスの母親の妹であっても。

戸籍上ルミスは私の娘ですし。それに親権を

放棄した母親の親族に娘を渡す事は出来ません。」


それらしい事を言って退ける彼に昊は冷静に振る舞う。


「その点に関しましてはご心配なく。

ちゃんと国王陛下に承諾を頂きましたので。」


そう言って昊は国王陛下の証印が押された証明書を

提示する。


「んなっ…!?そんな馬鹿な!?」


「勿論。国王陛下には今まで貴方方が行ってきた

ルミスに対する処遇を全てお伝えしています。

その上でまだルミスを引き止めますか?」


その問いにこの場に居る全員が一斉に青褪め、

顔を俯かせた。



「異議が無いのでしたら。私達はこれで失礼します。」


それだけ言って昊はルミスを連れてこの場を去ろうとする。


「お待ちください。」


昊達を引き止めるように一つの声が響き渡る。


振り返るとそこにはルミスと同年代くらいの桃色の髪

と瞳の少女が立っていた。


「まだ何か?」


「姉は体が弱く、殆ど外に出た事がありません。

そんな姉をいきなり外に連れ出すのは如何なものかと…」


「それはつまり。体が弱いと知りながら適切な処置もせず。

あのような場所で生活をさせていたというかしら?」


「それは…」


「だったら尚の事。ルミスをここに居させる訳には

行かない。」


「それでも見ず知らずの貴女が身勝手に姉を連れ去る

なんて言語道断です。それともまさか。姉の力を

独占する為にこのような暴挙に出たんじゃ…」


その言葉で昊の怒りが頂点へと達した。


「もう良い。消えろ。」


昊が屋敷の者達を葬り去ろうとした。


その瞬間だった――


ピタリと昊の動きが止まる。


「全く。世話が焼けるわね。」


子供じみた昊の声とは正反対な大人びた女性の声が

昊の口から発せられる。


「昊を止めてくれた事には感謝するが。俺はあんたの事が

嫌いなんだ。だからささっと引っ込んでくれ。」


陸の言葉に彼女は鼻で笑う。


「奇遇ね。私もあんたの事が大嫌いよ。

私の可愛い可愛い()(たぶら)かしたゴミカス野郎。」


そう言って彼女は陸に中指を立てるのだった。

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