17話 双天、少女の家族と対面する
「お見苦しい所をお見せしてすみませんでした。」
落ち着きを取り戻したルミスは先程の自身の行いを
恥じるように謝罪する。
「ルミスはまだ子供なんですから。
気を遣う必要なんてありませんよ。」
「子供の体型で言っても説得力ないぞ。」
そんなツッコミを入れる陸に昊はギロリと陸を睨む。
「人のコンプレックスを弄るのは
どうかと思いますよ。陸。」
「いや。だって事実じゃ…うぎゃっ…」
昊は陸の足に踵を落とし、強制的に陸の言葉を遮った。
骨を砕くような勢いで踵を落とされた為に陸はその場で
蹲り、悶絶していた。
「だ、大丈夫ですか?」
「心配いりませんよ。陸はああ見えて丈夫ですから。」
気にするなと言わんばかりの昊にルミスは呆気にとられる。
(もしかして?この人達仲悪いのかな?)
一抹の不安を胸にルミスは昊の意向に従う。
昊はルミスを手足の枷を破壊し、
浄化魔法でルミスの全身の汚れを除去する。
それにより。酷く傷んだボサボサの頭髪は艷やかで
美しい純白の頭髪へと戻る。
「あ、ありがとうございます。」
「当たり前の事をしただけですから。
礼なんて必要ありませんよ。それに…」
パチンと昊が指を弾くとルミスが身に纏っていた
ボロボロの服がフリルであしらわれた可愛らしい服
へと変化する。
「ふ、服が!?」
「ルミスはせっかくの美人なんですから。
ちゃんと身なりを整えた方が良いですよ。」
「い、いえ。そんな…私なんて…」
勿論。昊は本気で言っているのだが。今まで褒められた
事のないルミスはお世辞だと誤認する。
「まあ。馬にも衣装って言った所だな?」
全く持って空気の読めない陸はそんな言葉を投げ掛ける。
「それを言うなら。馬子にも衣装ですよ。
後これ以上余計な事を口走るようなら。
その口を縫って地面に埋めますよ?」
冷酷に言い放つ昊に陸は引き攣った笑みを浮かべる。
「す、すんません。」
「それはそうと。早く向かいましょうか?」
「む、向かうって一体どこに?」
「勿論。貴女の家族が居る屋敷にですよ。」
「でも今は…」
そんなルミスの言葉を遮り、昊はルミスの家族が居る
屋敷内へと転移する。
転移した先は屋敷内のロビーだった。
「今は皆寝ています。なので。出直した方が…」
「それなら問題ありませんよ。」
そう言って昊はパチンと指を弾く。
「一体何を?」
「今屋敷に居る全員に起きてここへ来るよう暗示を
掛けましたので。すぐに…」
そんな昊の言葉と共に屋敷の者達が一斉にこの場に
押し寄せる。
「一体何事だ!!!」
1人の男性が昊達を睨み付ける。
その男は他でもないこの屋敷の主であり、
ルミスの父サインズ・カルスティアだった。
彼の顔を見たルミスの表情が恐怖に染まる。
「お、お父様。」
「ルミス。何故?お前がこんな所に…」
鬼のような形相で睨む彼にルミスは怖気付く。
そんな怯えるルミスを庇うように昊が前に出る。
「初めまして。涙石魔術の家系カルスティア公爵家の皆様。
私は皆様のよく知る双天の片翼にして。
ルミスの母ルスティアナ・リグレットの妹。
ソラ・リグレットと申します。以後お見知りおきを。」
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