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幕開:涙石少女の嘆き
とある場所にひっそりと立つ小さな塔にて。
その少女は1人泣いていた。
「うっ…ひぐっ…」
少女の流した涙は宝石へと変化し、コトンと床に落ちる。
少女の流す涙には特別な力が宿っており。
誰もがその涙を渇望した。
故に少女はこの場所で涙を流す事を強要されていた。
泣く事しか出来ない自身の不甲斐なさに打ちひしがれ
ながら少女は涙を流し続ける。
少女の手足は拘束されていて。逃げる事さえも叶わない。
少女は全身傷と痣だらけで。酷く傷んだボサボサの純白の髪
と止めどない涙で溢れた青碧の瞳。
「…けて…だ…れ…か…助…けて。」
今にも消え入りそうな声が静寂の中に響く。
どんなに助けを求めようとも。
少女を助けようとする者は誰一人として居なかった。
そんな現実に少女はまた涙を流す。
「私は…」
嗚咽を零しながら嘆くように少女は告げる。
「生まれて来ても、良かったのかなぁ…」
今にも消え入りそうな少女の嘆きは静寂の中に消え去った。
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