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双天の彼方  作者: 明希 光
第二章
15/23

幕開:涙石少女の嘆き

とある場所にひっそりと立つ小さな塔にて。


その少女は1人泣いていた。


「うっ…ひぐっ…」


少女の流した涙は宝石へと変化し、コトンと床に落ちる。


少女の流す涙には特別な力が宿っており。

誰もがその涙を渇望した。


故に少女はこの場所で涙を流す事を強要されていた。




泣く事しか出来ない自身の不甲斐なさに打ちひしがれ

ながら少女は涙を流し続ける。


少女の手足は拘束されていて。逃げる事さえも叶わない。



少女は全身傷と痣だらけで。酷く傷んだボサボサの純白の髪

と止めどない涙で溢れた青碧(せいがん)の瞳。


「…けて…だ…れ…か…助…けて。」


今にも消え入りそうな声が静寂の中に響く。




どんなに助けを求めようとも。

少女を助けようとする者は誰一人として居なかった。


そんな現実に少女はまた涙を流す。


「私は…」


嗚咽を零しながら嘆くように少女は告げる。


「生まれて来ても、良かったのかなぁ…」


今にも消え入りそうな少女の嘆きは静寂の中に消え去った。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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