幕開:2人の旅路を見守る者
とある世界にて。
陸と昊の行く末を観測する者が居た。
その人物は紺色の髪に青玉色の瞳を持つ
18歳くらいの青年だった。
「『双天』世界の頂きに最も近いとされる2人。
そんな2人に待ち受ける結末は何よりも残酷なものだ。」
静寂な世界に一つの声が静かに響き渡る。
そんな静寂な世界はこの世のものとは思えない程の
絶景に囲まれた世界で。
それはもう言葉では言い表せない程に美しい世界だった。
「だけど。僕にはどうする事も出来ない。
僕には結末を変える力なんてないから。」
嘆くように彼は言葉を紡ぐ。
「それでも僕は君に、君達に幸せになって欲しい。
君は僕の最愛であり、彼は君の大切な人だから。」
2人を見据える彼の目はとても優しかった。
「幾度なく繰り返される君達の旅路は言葉では
言い表せない程過酷で残酷なもの。それでも君達は
決して歩みを止める事はなかった。
一体何が君をそうさせているんだい?」
その問い掛けに返答はない。
「君達は幾度となく出会いと別れを繰り返し、
幾つもの困難と修羅場を乗り越えてきた。
そんな君達ですら乗り越えられない窮地というものが
存在する。」
まるで全てを見透かしているかのように彼は語る。
「それに君は何でも1人で抱え込み過ぎだ。
だからそれが隙となり、仇となる。
だけど。君は気付いて居ない。
影が君を闇に引き摺り込もうとしている事に。」
そして彼は静かに怒りを露わにする。
「どうして?こうも世界はあの子達に試練を
与えたがるのか。本当に世界と言うものは残酷だ。」
怒りを露わにながらも彼は2人に優しく微笑み掛ける。
「それでも僕はここで君達の行く末を静かに見守るしか
出来ない。だからこそ世界の終点で君達と出会える事を
心から願っているよ。」
今回で一章は終わりとなります。次回から二章に入ります。
次回から週一回投稿に変更致します。
次回の更新は7月6日の午前11時になります。
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