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第6話 護衛料は、ジャーキーで!!

下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――


 魔王軍幹部 リンベル将軍視点 (つづき)


 ――――――――――――――――――――――――――――


 まずい。剣の勇者を相手に我々だけでは無理だ。魔王様の魔力は確かにすごいが、如何せん戦闘経験があまり無いのだ。

 一般の兵士ごときに遅れを取ることは無いが、勇者を相手にするには早すぎる!


 勇者どもは、まだ目の前の少年が魔王様だとは分かって居ない。ここは何とか魔王様を逃がさないと。


「お前たち、エリオスを連れて先に……あっ!!」


「バーーッカ。誰も逃がすわけないじゃん。ゾラスの重力魔術だ。動けないだろうが、こいつの得意技だ。さぁって切り刻んでやるかな」


 しまった。兵士たちに魔王様を連れて逃げるように指示しようとしたが奴らの方が一歩早かった。剣の勇者と名乗る者が、ゆっくりと鞘から剣を抜く。その姿を見ながらも、私や兵士だけでは無く、圧倒的な魔力を持ち、魔力耐性も持っている魔王(エリオス)様までもが動けなくなっている。


 がぁーー動け!! 魔王様だけでも逃がさないと!!


 駄目だ。指一本動かせない。こんな一方的な状態になるとは全く想定していなかった。

 魔族は手や足を切り落とされた程度ではすぐには消滅しない。何なら繋ぎ合わせれば、くっ付けることも可能だ。だが人間の血が流れ死ぬように我々も斬り口から魔素が流れ落ちる。魔素を失うと消滅してしまうのだ。特に首は駄目だ。一気に魔素が流れ出るため、くっつける暇もなく消滅が始まってしまう。


 あぁ、兵士たち三名が無抵抗まま、なすすべもなく斬られていく……


「はっはは。簡単に切れるな。この剣は、さすがに勇者の剣だけあるよ」


「ちょっ、ちょっと勇者様、あまり切り刻むと魔石が小さくなってしまいますよ」


「おっと、そうだった。じゃあこいつは首だけ切り落とせば良いっか。ん? お前は幹部級だろう? それで、このチビの親か? しっかし親子そろって魔力は高そうだな。良い魔石が取れそうで嬉しいよ! そうだ!! お前には、このチビが消滅するところを見学させてやるよ。」


 このクソ勇者は、そう言うと私の手足を切り落として生かしたままにした。

 あぁ、駄目なのか! まさか、こんなところで魔王様を失ってしまうとは魔王国は終わりだ……


 申し訳ございません。魔王様。私が至らないばかりに。


 剣の勇者が魔王様の両腕を切り落として、さらに首を目掛けて剣を振り上げた! クソ、これまでか!


 ドゲッッシ!!


 は? はぁぁ? な、何があった?

 突然、剣の勇者が吹っ飛んだぞ。


 ハッ! なんだこのピンクの物体は?? 体が動かないから良く見えないが、いつの間に居たんだ?


 ズドーン!!


「ガッハァ!! 動けた!」


 あれ? ゾラスとかいう魔術師が居ないぞ。あ、ひょっとして岩にこびりついているあの赤い塊がそれか?


 そ、そうだ。ピンクの物体はなんだ? あ、魔王様の近くにいる。危険だ。あいつは凄まじい魔力を持っている。間違いなく魔王様さえも超えているぞ。あーークソ私も手足を付けないと!!


「ま、魔王様!! 危険です離れて……っん? ……つ、角ウサギか?」


 姿形は角ウサギの幼体に見えるが、いや、ピンクだけど??

 って言うか、何で角ウサギが、こんなに凄まじい魔力を持っているのだ?


 ピンクの角ウサギなど見たことも聞いたことも無い。これは変異個体なのか??

 あ、いや、それは後回しだ。まずは魔王様だ。


 あぁ、本当にすみません。魔王様を助けるどころか、私の手足を持って来てもらって助けてもらってしまった。とにかく、私も手足をくっつけないと……


「なあ、お前は何者だ? とんでもない魔力だし、勇者を蹴り飛ばしたときのスピード、あれは俺の目でも追えなかったぞ。なあ、お前、俺たちと一緒に来ないか?」


 ま、魔王様。角ウサギには言葉は通じないと思いますが?


「プイ!」


 えぇぇ! 通じたのですか?


「お、良いのか! リンベル、こいつに何かあげる物は持っていないか?」


「はぁ、取り合えず、携帯食のこれしかありませんが」


 と言って私はジャーキーを取り出した。ん? この角ウサギ。これに興味があるのか?

 魔王様が角ウサギを抱き上げて、ジャーキーを見せてあげた。

 あれ? 魔王様、私の知識だと角ウサギは草食だったはずですが……あ、食べた。



 ――――――――――――――――――――――――――――


 ウサギの花子視点


 ――――――――――――――――――――――――――――



 うーーん。どうもこの人達、悪魔かもしれませんが、別に悪い人たちでは無い気がします。

 いや、食べ物をくれたからではありませんよ。

 バラバラにされた仲間が消えた後に残った石を持って、きちんと弔っているように見えます。

 その弔い方から荒っぽさや雑さは見えません。きっと心から弔っているのでしょうね。


 まぁ、私には関係ないことですね。では、私はこの辺で……

 えっと、失礼しようかと思っているのですが、この子供、私の事を大事そうに抱きかかえてまして、下手に暴れたり、そもそも、ちょっと動いただけで、殺してしまいそうで怖いです……うーーん、困りました。


 仲間の石と、仲間を切り刻んだ剣は女性が持って行くようです。

 この人は、この子供の母親なのでしょうか? そうなると先ほど石になってしまった仲間は父か兄でしょうか?

 うーーん、なんだか不憫に感じますよ。仕方がありません。私も行く当てがあったわけでは無いのでこの親子に付き合ってあげましょう。


 先ほどのように物騒な奴に絡まれたら、可哀想なので私が護衛してあげますね。

 で、その代わりジャーキーをくださいって言っておかないとです!


「プイ、プ、プイイ」


 あ、二人して首をかしげています。やっぱり通じませんか?


※ 作者からのお願い

「面白い」「続き読みたい」など思った方は、ぜひログインしてブックマークと下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。よろしくお願いします!

つまらないと思った方は、☆一つでも評価つけてくれると勉強になりますので、よろしくお願いします。


毎日更新できるように、頑張ります。

よかったら、他の作品も見に来てくださいね。

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