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第49話 結婚の決意

いよいよ。次がラストです! 21時頃、投稿します!

下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――


 魔王軍幹部 リンベル将軍視点


 ――――――――――――――――――――――――――――


 あれから一年――魔王国には今、笑顔と喜びがあふれていた。


 きっかけは 若き魔王エリオス様と角ウサギ(改め、獣人の少女)ピンキーの婚約発表。魔王国中の民が祝福に沸き返り、私はその場に居合わせた感動を未だに忘れられない。


 もちろん、私もその発表の瞬間には人目も憚らず涙をこぼしてしまった。 普段の冷酷無比な将軍の姿はどこへやら。


「よかったわねぇ、エリオス様……!」


「将軍、泣いてますね」


「だって! あのかわいい魔王様がついに婚約なんて……!」


 部下の視線は少々冷たかったが、そんなものは気にしない。 可愛いは正義である。


 婚約発表が行われたのは、魔王城の広間でのことだった。

 金と黒の華やかな装飾が施された会場には、魔王国の重臣や聖獣たち、さらには民代表まで集まっていた。


「今日は皆に大事な報告がある」


 壇上に立ったエリオス様は、まだ少し緊張した様子だったが、まっすぐな瞳で場を見渡していた。

 その隣には、獣人姿のピンキーが控えている。


 耳と尻尾がピンと立った彼女は、いまだ角ウサギの可愛らしさを残しながらも凛とした空気をまとっていた。


「ピンキーと……俺は婚約した!」


 瞬間、会場は爆発的な歓声に包まれた。


「おおおおおおおお!!!」


「エリオス様ばんざーい!」


「ピンキー様もお美しい!」


 その時、聖鳥フェニックスが会場の上空を舞いながら炎の輪を描き、聖獣グリフォンが雄叫びを上げた。


「おめでとう! おめでとうエリオス! ピンキー!」


 グリフォンはいつものごとく犬扱いされることもなく(よかったね)、神聖な雰囲気のまま婚約を祝福していた。


 ピンキーはそんな喧騒の中、控えめながらも微笑んでいる。


「エリオス、ありがとう」


 その言葉は控えめでも、彼女の心から溢れる幸せが滲んでいた。



 この一年間で、ピンキーの成長は目覚ましいものだった。


 愛を自覚してからというもの、彼女は「死神の仕掛け」によって獣人へと変化したのではなく、エリオス様の隣に立つべく一人の女性 へと変化し始めたのだ。


「ピンキー、最近背が伸びたんじゃない?」


 ふと尋ねると、彼女は照れたように耳を動かした。


「わかる? 少しずつだけど」


 以前はエリオス様の肩にも届かないような小柄だった彼女が、今ではしっかりと横に並んで立つ姿になっている。


 けれどもその笑顔には、 あの頃のピンキーらしい無邪気さ も健在だ。


「エリオスと結婚したら、ずっと一緒だね」


 彼女がぽつりとつぶやく声に、思わず目頭が熱くなった。


「ピンキー……幸せになりなさいよ!」


「うん!」


 ピンキーの答えはいつもまっすぐだ。



 婚約発表の翌日から、魔王国では大規模な祝賀祭が行われた。


 街中には花が飾られ、人々は踊り、魔法の花火が夜空を彩る。


「エリオス様、ピンキー様ばんざーい!」


 子どもたちは手を振り、商人たちは記念品を売り出し、魔法使いは特別な魔法ショーを開いている。


 ピンキーの存在が与えた影響は大きい。 彼女はただの婚約者ではない――聖獣たちにも認められ、死神の力さえ宿した伝説的な存在だ。


「ピンキー様は我らが誇りだ!」


「この国はますます強くなるぞ!」



 婚約が決まった以上、来年には二人の結婚式が控えている。

 魔王城ではすでに準備が進められており、私はその手配の一部を担当していた。


「リンベル将軍、この花の配置はどうなさいます?」


「もっと可愛い感じで!」


「ですが、魔王様の式ですので厳粛さも……」


「可愛さと厳粛さの両立よ!」


 部下たちは呆れ顔だったが、私は真剣だった。何としても エリオス様とピンキーの最高の式 にしなければならない。


 ピンキーとエリオス様の幸せな姿を見ていると、私も心に誓いを立てずにはいられなかった。


「この国を、二人のためにもっと強くするわ」


 エリオス様とピンキーの未来は輝かしいものになる。彼らの幸せを支えるため、私はこれからも全力を尽くす。


 だから―― 私は今日も可愛い魔王様のために戦う。



 ――――――――――――――――――――――――――――


 ピンキー視点


 ――――――――――――――――――――――――――――


 ――それは、私にとってとても大切な日でした。


「ピンキー、準備はいいか?」


 隣から聞こえたエリオス君の声に、こくりと頷きました。


 魔王城の広間は、私たちを祝福するために集まった人たちでいっぱいでした。

 こ、これは緊張します。

 立派な服を着た貴族や将軍たち、遠くから呼ばれた聖獣たちも見えます。あ、ケッシ―さんも来てくれたのですね。流石に司令官のセリシアさんは来れなかったようですね。


「いよいよだな」


 エリオス君の手が私の手をぎゅっと握ってくれます。少し汗ばんでいて緊張しているみたいですね。

 私も心臓がどきどきしていたけど、 エリオス君がそばにいると思うと不思議と怖くはないです。きっと頑張れます!



 壇上に立ったエリオス君が、みんなの前で口を開きました。


「今日はみんなに大事な報告がある」


 少し声が震えていたけど、エリオス君はまっすぐ前を見ています。


「ピンキーと……俺は婚約した!」


 その瞬間、私の耳がびくんと動いてしまいました。


 広間が歓声で大爆発です。すごいです!


「うおおおお!!」


「ピンキー様ばんざーい!」


「エリオス様、最高!!」


 魔法の花火が空に咲いているのが窓から見えます。

 あ、空には聖獣グリフォンさんと聖鳥フェニックスさんです。二人も来てくれたのですね。

 ワンちゃんが「祝福だぁぁ!!」と吠えています。鳥さんもぐるりと空中を舞って火の輪を描いています。


「……すごい音」


 耳を押さえながらエリオス君を見ると、彼は少し照れくさそうに笑っていました。


「ピンキー、ありがとうな」


「え、どうして?」


「一緒にいてくれるから」


 その言葉がなんだかくすぐったくて、気が付けば、私も「うん」って微笑んでいました。



 思えば、あれから一年で私も変わりました。


「ピンキー、最近背が伸びたんじゃない?」


 リンベルさんがそう言った時、私は耳をぴょんと動かしました。


「わかる? ほんの少しだけど」


 昔はエリオス君の肩にも届かなかったのに、今ではちゃんと隣に立てるようになったのです。

 それに、獣人の姿になるのももう慣れました。耳と尻尾が揺れる感覚も、前より自然に感じます。


「ピンキー、前はもっとふわふわしてたけど、最近ちょっと大人っぽくなったんじゃない?」


 リンベルさんの言葉に、何だか照れます。


「そうかな?」


「エリオス様の婚約者だからね! 可愛いだけじゃダメよ!」


 リンベルさんはやたら張り切っていたけれど、私にはよくわかりません。


 ただ一つだけ言えるのは――


 私、エリオス君が好きだ。


 その気持ちだけは、はっきりしています。



 婚約が発表された次の日から、魔王国ではお祭りが始まりました。

 街には花が飾られて、人々が楽しそうに踊っています。


「ピンキー様! 婚約おめでとうございます!」


「ありがとう!」


 私が手を振ると、子どもたちがキャッキャと笑いながら走り回っています。

 ふっふふ。かわいいですね。


 お店では婚約記念の特別な菓子や小さな人形が売られていて、どれもエリオス君と私をモデルにしたものらしいです。


「ピンキー様の人形、かわいい!」


「エリオス様もかっこいい!」


 恥ずかしいけど、みんなが喜んでくれるのは嬉しいです。



 婚約が決まった以上、来年には結婚式が控えている。


「ピンキー、ドレスはどんなのがいい?」


 エリオス君が真剣な顔で尋ねてくる。


「エリオスが好きなやつ」


「それだと決まらないだろ!」


 彼が困った顔をするのがおかしくて、わたしはくすっと笑ってしまいました。


 魔王城ではリンベルさんが花の配置について叫んでいます。


「もっと可愛く! いや、厳粛さも……いや、やっぱり可愛さが大事!」


 周りの人が呆れていたけれど、リンベルさんは真剣そうですね。 エリオス君の幸せが彼女に

 とっても一番大事なのでしょうね。さすがに、私が長い間、親子と勘違いしただけの事はあります。



 夜、星がきらきらと輝く中、私はエリオス君の隣に座って空を見上げていた。


「ピンキー」


「なに?」


「来年、俺たち結婚するんだな」


「うん」


「お前、後悔してないか?」


 その言葉に、わたしは首を横に振った。


「エリオスと一緒だから大丈夫」


 彼は照れたように笑いながら「そっか」と言った。


 私は、エリオス君と一緒に未来を歩いていく。


 それが何よりも幸せだと思えたから。

※ 作者からのお願い

「面白い」「続き読みたい」など思った方は、ぜひログインしてブックマークと下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。よろしくお願いします!

つまらないと思った方は、☆一つでも評価つけてくれると勉強になりますので、よろしくお願いします。

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