第48話 運命の告白と死神の仕掛け
ようやく第二話の「ほんの気持ち程度のおまけ機能」が発動です!
本日は19時頃に第二弾を投稿します!
下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。
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魔王軍幹部 リンベル将軍視点
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魔王城の平穏な日々が戻ったある日のこと。
「りんべる」
突然、私の執務室に現れたのはピンキーだった。角ウサギの姿でふわふわと足音も立てずに入ってきたかと思うと、真っ直ぐこちらに向かってくる。
「ん? どうかしたのか?」
不意に名前を呼ばれて少し驚いたものの、気軽な調子で応じた。何せピンキーは基本的に穏やかで、いつもふらりと現れるから。
しかし、今日はいつもと雰囲気が違う。
「おふろ、はいりたいです」
「へ?」
思わず間の抜けた声が出た。
「えりおす、おふろはいった……その……わたしもはいりたいです」
「ちょっ、ちょっと待って! 魔王様と一緒に入りたいのではなく、お風呂に入ってるのが羨ましいってことかな……?」
「うん。えりおすもりんべるも入る。わたしも入りたい」
ああ、なるほど。今までは魔獣だからお風呂に浸かるなどしないだろうと思っていたが、実は入りたかったのか。
ピンキーの希望なら応えてあげたい――でも、普通に一人で入るのは難しい。
「ふむ、なら仕方ないね。私も一緒に入ってあげよう」
「ほんと?」
嬉しそうに耳をピコピコ動かすピンキーを見て、私は笑みを浮かべた。
「任せなさい。いいお湯、用意してあげるよ」
城内にある大浴場は、戦いの疲れを癒やすために整備された特別な場所だった。
蒸気が立ち込める中、私はピンキーと肩を並べて湯に浸かる。
「ふわぁ……きもちいい」
ピンキーは気持ちよさそうに目を細め、湯船でぷかぷかと浮いている。その姿はまるで癒しそのもの。
「いい湯だろう? 魔王軍の最高級施設だよ」
「んー、すごい。りんべる、ありがとう」
「かわいいピンキーには特別待遇だよ」
冗談交じりにそう言うと、ピンキーは照れくさそうに湯気越しに笑った。
「エリオスも、こういうの好きかな」
唐突に名前が出て、私は思わず耳をそば立てる。
「どうして?」
「……うーん、よくわからないけど、いつも私のこと見てくれる。うれしいけど……わたし、変だなって思ってた」
「変って?」
「なんか、胸がドキドキする」
ふむふむ、これはまさに――
恋の芽生えじゃないの!
私は湯の中でこっそりガッツポーズを取った。
「それって、ピンキー。エリオス様のこと、好きってことじゃない?」
「すき?」
「そう。特別な感情っていうか……たとえば、ずっとそばにいたいとか、一緒に笑いたいとか、守りたいとか」
ピンキーは少し黙り込み、湯にぷかぷかと揺られながら考え込む。
「……わたし、たぶん、すき」
その言葉を聞いた瞬間、私は「やったわね!」と心の中で大歓声を上げた。
だが――その直後だった。
「ピンキー!? な、何?」
突如、彼女の体から薄い黒い霧のようなものが立ち上り、空気が揺らめいた。
「りんべる、なんか……へん……」
その言葉と同時に、彼女の小さな角ウサギの姿がぼんやりと変形し始めた。
耳が短くなり、ふわふわの尻尾は長く滑らかなものへと変わる。手足も人間に近い形へと伸び、肌は淡いピンク色の輝きを帯びていた。
「これって……」
目の前には、小柄だが美しい少女が立っていた。年齢は12~13歳程度の姿で、角の名残は小さな装飾のように額に残っている。
「ピンキー……?」
「わたし……」
ピンキーは自分の手足を見つめ、驚きと戸惑いを浮かべていた。
「へんしん……したの?」
「そ、そうみたいだな。でも、どうして?」
「……わかった」
ピンキーの瞳が真剣な色を宿す。
「たぶん、わたしが……エリオスをすきって気づいたから」
「愛の自覚……ってこと?」
頷くピンキー。
「し、死神の仕掛け……」
どうやら愛を自覚することで発動する何かが彼女に変化をもたらしたのだろう。
「でも、わたし……べつにこの姿じゃなくてもいい」
そう言うと、ピンキーの体はふわりと再び光りに包まれ、あっという間に元の角ウサギへと戻ってしまった。
「な、なにそれ!?」
「うん、どっちもできる。ウサギも、獣人も」
ケロリと言うピンキーに、私は呆然とする。
「自由に変身できるなんて……普通、獣人にはできないわ」
「わたしはピンキーだもん」
「……まあ、そうだね」
湯気の中で、私は新たな彼女の成長を強く感じていた。
「前に、エリオスとやくそくした。これからも、エリオスのそばにいたい」
ピンキーがぽつりと言った言葉に、私は頷いた。
「それが愛ってもんだよ。きっと魔王様も喜ぶよ」
「りんべる、ありがとう」
にっこり笑うピンキーの姿は、以前よりも少しだけ大人びて見えた。
彼女の未来は、これからますます輝いていくだろう――
そしてその隣には、きっと若き魔王様がいるはずだ。
私はそんな二人の姿を思い浮かべながら、心の中で密かに応援する決意を新たにしたのだった。
……あ、のぼせそうだ。
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