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第32話 剣国の滅亡そして

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 ――――――――――――――――――――――――――――


 弓国 サルサ将軍配下の兵士視点


 ――――――――――――――――――――――――――――


 弓国の名将、サルサ将軍は、ついに剣国を侵略する絶好の機会を得た。

 剣国は武力の国であり、その鋼の剣と剛毅な騎士たちとは、幾度となく領土をめぐり小競り合いが行われてきた。

 しかし、近頃の噂では、剣国全土が聖獣グリフォンの猛威によって灰燼に帰したという。


 宰相から二面攻撃の計画を聞かされたサルサ将軍は、これを絶好の機会と捉え、一個師団を率いて剣国への進軍を開始した。


 強くて厄介な魔人族の方面には勇者が向かい、我々は弱っている剣国を好きなだけ蹂躙出来るのだ。

 これほど楽な侵略は、今をおいて他にない。


 道中、彼の心は高揚していた。戦うことなく、剣国の領土を自国のものにできる。食糧、財宝、領土、すべてが弓国のものとなるのだ。


 だが、実際に剣国の国境を越えたとき、その期待は無残にも打ち砕かれた。


「これは……地獄か?」


 サルサ将軍は、唾を飲み込んだ。目の前に広がるのは、どこまでも続く黒焦げの大地。村々は灰の山と化し、田畑は焼き尽くされ、川には魚一匹すらいない。城壁すら形をとどめていない。


 兵士たちは無言で荒廃した土地を見渡した。生存者の姿はない。あるのは、燃え残った木々が立ち尽くす亡霊のような風景だけだった。剣国の誇り高き騎士たちはどこへ消えたのか。かつて栄華を誇った都も、黒い瓦礫の山となり、風がすすり泣く音が響いていた。


「食べ物をくれ……」


 進軍を続けるうちに、かろうじて生き延びた住民の群れと遭遇した。ボロボロの衣服を身にまとい、骨と皮ばかりの姿をした彼らは、軍隊を見るなり、地にひざまずき声を上げた。


「お願いです、食べ物を……もう何日も何も食べていないのです……」


 サルサ将軍は言葉を失った。敵国の民に対する情けなど無用と思っていた。しかし、彼らの痩せ細った体を見れば、もはや敵とすら呼べるものではなかった。副官が低くつぶやいた。


「将軍、持ち込んだ糧食も限られています。援助など……」


 将軍は黙って頷いた。進軍を続けるしかない。彼らを救う手段もなく、戦利品も見つからない。現地調達の計画はもろくも崩れ去り、進むほどに絶望だけが募った。


 やがて、一行は剣国の中心地へと到達した。


 だが、そこに待っていたのは、かつての壮麗な王城の残骸だった。

 崩れ落ちた石の山。あちこちに散乱する剣と盾。


「ここも……なのか……」


 サルサ将軍は、剣国の終焉を前に、ただ立ち尽くすしかなかった。


 将軍は仕方なく、弓国本国へ伝令を送り、帰還の命令を待つことにした。しかし、何度使者を送っても返事はない。

 不安を募らせながら、一行は帰路を急いだ。


 しかし、弓国の国境に戻った彼らが目にしたのは、さらに衝撃的な光景だった。


 そこに広がっていたのは、剣国と同様に焼け野原となった故国。かつて賑わっていた弓国の町も、城も、すべてが瓦礫の下に埋もれていた。


 兵士たちはうつろな目で将軍を見つめた。これからどうするのか、誰もが答えを求めていた。サルサ将軍は天を仰ぎ、ただ一言、つぶやいた。


「……俺たちは、どこへ行けばいいのだ……」



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