第31話 弓国の悲劇
風邪で熱があるので、今日と明日はショートでお送りまーす
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弓の勇者 副官リース視点
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まずい、馬たちも俺たちも休息が足りない。俺たちはまだ何とかなるが、馬はそうはいかない。無茶をさせると本当に心臓が止まってしまう。
もう全速力は出せないが。それでも何とか無理をさえて、駆け足で走らせる。
しばらく走って、速足まで速度を落とす。するとピンクの化け物がやって来る。駄目だ、また一人飛ばされた。
また駆け足まであげて走らせ、しばらくすると速足に落とす。すると、またピンクの化け物が現れる。
「クソ! 何なんだ、あの化け物は! 何で付いて来やがる!」
ソグルが唸るように言い放った。
「副官、このままでは馬が持ちませんよ。二手に分かれますか?」
ソグルの言ったことは、半数を犠牲にして、残りのメンバーで逃げ切ろうと言っているのだ。
この場合、俺とソグルそれぞれが半数づつ兵を率いて別々に逃走するのだ。ピンクの化け物がどっちを追いかけるかは運しだいだ。
追いかけれた方は、馬は疲労で潰れ、その後人間も助からないだろう。
やむを得ないか。二手に分かれるという指示を出そうとしたとき、前を走っていた馬が、足をもつれさせるようにして倒れた。
当然乗っていた兵士は投げ出された。打ち所が悪かったのか、地面に倒れたまま動く気配はない。
しまった。判断が遅すぎた!
慌てて速度を落としたが、既に、馬の体力と心臓、足への負担は大きく、そのまま横倒しに倒れる馬が出てきた。
馬に乗っている状態で下手に投げ出されるよりは、自力で歩いたほうが良い。
「総員、下馬! これより徒歩だ! あ! 化け物が!!」
全員に馬から降りて歩いていくことを命じた途端、ピンクの化け物が姿を表した。
っく! これまでか!
んん? な、なんだ、馬が、馬が消えた! ピンクの化け物が喰ったのか?
まさか、勇者様も喰われたのか!?
い、嫌だ! 兵として戦って死ぬなら、まだ納得がいく。しかし食料として喰われるのは嫌だ。
何とか全員を奮い立たせ、徒歩での撤退に移る。……どういう訳かピンクの化け物がついてこない。
これは、先ほど喰らった馬がまだ消化できていないのかも知れない。
しめた! 今がチャンスだ。
その後も俺たちは歩き続け、何とか国まで戻ることが出来た。馬が喰われるまで、相当な距離を馬で走れた事が大きい。
そして、その馬が喰われている間に逃げることが出来たのも大きかった。
あれらの事が無かったら、果たして、この人数が生き残れただろうか!? まだ我々の武運は尽きていない。
……残念だ……尽きていないと思ったのは、気のせいだったようだ。
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ピンキー視点
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あぁーー、やっと着いたようです。
これが「弓の国」ですかね。『エリオス』君たちの言葉では『弓国』というようですね。
では、ここまで案内してくれた人たちとも、お別れです。
ぱっぱぱっと片付けて。うん、これでよし! では観光に行ってみますかね。
この前の『剣国』よりもはるかに大きいですね。ひょっとすると、この前に行った街は『剣国』の地方都市の一つだったのかも知れませんね。そして、おそらくここは『弓国』の首都ですね。
だって、すっごい大きなお城がありますからね。
これは『エリオス』君たちの住んでいるお城よりもはるかに大きいです。
では、街中はどのような感じですかね。さっそく突撃です。
ほうほう、何やらいい匂いがするところがありますね。まずは腹ごしらえです。
はい、はい。ちょっと失礼しますよ。
えーっと、お金は持っていないですが、少し味見させてくださいね。
ふむふむ。おいしいですが、ちょっと味が濃いですね。やはり私が魔物だからか濃い目の味は苦手なのかもです。
へぇー、人がいっぱい居ますね。あ、剣とか槍とか持っている人が来ました。
あー、ひょいっと! 少し蹴飛ばしてあげると大げさに飛んでいきました。この人たちは、さっきの馬に乗っていた人より遥かに弱いです。
あ、そうそう。今回は私、ちゃんと暴れる気持ちで来ているのですよ。
『ケッシ―』さんを怪我させたのは、この国の人たちだって知っていますからね。
それなのに、さっきも攻めて来たのですから……
当然、皆さんも仕返しされるのは、覚悟の上ですよね!
では、攻撃開始です!!
まずは、全速力で街を縦断です!! 次は横断でーーす!
そしてジャンプ、ジャーンプ!
ふっふふ。楽しくなってきましたよ。あっちこっち走り回ります。
ぐるぐるぐるーー! ぴょん、ぴょん!
あ、そっれ。ぐーるっぐるー! ぴょん、ぴょん、ぴょーん!
お城も蹴飛ばしましょう。よいしょっと!
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