第28話 ピンキー 対 弓の勇者
すみません、今回も日付が変わってしまいました。
二作品を連日投稿は、厳しいかな??
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ピンキー視点
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この弓を放ってくる人は人間の女の子でした。えっと、年は十二、十三歳ぐらいですかね。
そして周囲には大人の人たちが付いていますが、周りの人は普通の人ですね。
さて、この弓の人って子供ですよね。
子供相手では、対応に迷いますが、とにかく、お城に矢を飛ばされては迷惑だし、危ないですから。すぐに止めてもらいましょう!
一気に加速して、女の子のところに近づき、その危険な弓を蹴飛ばしてみました。
ただ、なんとなく、前の剣の人の時も剣自体は残したので、今回も武器は残しておく事にしました。
きっと、弓を蹴ってしまうと、壊れてしまいそうなので、女の子の腕を、本当に軽ーく蹴ることにしましょう。
いやー、本当に軽ーく蹴ったつもりだったのですがね。女の子の腕と弓は飛んで行ってしまいました。
うむむ? おかしいな。
とりあえず、タッタッタと走って、飛ばしてしまった腕と弓を回収です。
えっと、この『弓の勇者』って言う人は、武器の弓と弓を持つ左腕も無くしてしまいましたが、この状態ならどうなのですかね? やっぱり危険な人ですかね??
あれあれ? 周りの大人たちが彼女を放っておいて、一目散に逃げていきます。
……ふっふふ。人のお城に攻めて来ておきながら、勝手に帰るだなんて。駄目ですよー。
この人たちは、ちゃんと蹴り飛ばしましょう。
周りの大人を蹴散らした後、しばらく、女の子の様子を見ていたのですが、戦闘能力は無さそうですよ。そして、すごく痛そうです、何かわめいています。
あー、この出血量では、おそらく失血死してしまうかもですね。
うーん、大迷惑な人でしたが、一応、まだ子供ですし、収納しておきますか。『リンベル』さんにでも、あげたら喜びますかね?
では、「プイ!」っと。
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弓の勇者視点
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冷たい風が荒野を吹き抜ける。小高い丘の上に佇むアズガバン砦は、黒鉄の城壁と鋭く伸びる塔が威圧的にそびえ立ち、その存在そのものが脅威の象徴だった。
やられた! あの宰相、アズガバン砦周辺に味方の軍勢が居るから合流して戦えって言っていたけど、そんな者は居ないじゃないか。
私、セリア・アークライトは砦を前に、激しい憤りを感じていた。
もはや、自分が連れてきた兵士だけで戦うしかない。魔人族を前にして、おめおめと引き下がるわけには行かないのだ。
静かに弓を握りしめた。たしかに味方の人数は非常に少ない。しかし、私は勇者だ。王国のため、民を守るため。
その為に、苦しい訓練に耐え、自分を鍛え上げてきたのだ。
ようやく訪れた晴れの舞台だ。魔人族は人に害をなす存在であり、討伐こそが勇者の務めだ。
「……ここが、魔人族の砦」
私の呟きに、傍らの副官リースが静かに頷く。
「ええ、勇者様。ここを落とせば、王国にとって大きな勝利となります」
彼の言葉に、私は微かに唇を噛んだ。絶対に逃がさない。一人残らず全滅させる!
「チーム編成を二手に別ける。私が矢を放って敵が砦から出れないようにしておくから、リース、あなたはチームを率いて砦の裏手に回り込んでちょうだい! 囲い込みが完了したら、火魔法で奴らを砦ごと蒸し焼きにしてあげるのよ」
「はっ! それでは、さっそく砦の裏手に向けて出撃します。勇者様をお気をつけて! 武運をお祈りいたします」
リースが連れてきた兵士の大半を率いて、砦の背後を狙って移動を開始する。私は矢を大量かつ無限に放つことが出来る。
しかも命中率も極めて高い。何なら、少しぐらいは矢の方が自動で軌道修正をするのだ。
この能力はさすがに勇者と呼ばれるだけのことがある。
この力は神が人間に与えくれた物に違いない。そして、この力の存在こそが、魔人族を殲滅せよという神からの啓示だ。
神の期待に応えるため、私の弓、ルクス・アーヴェンを天に掲げる。
その瞬間、蒼白い魔力が弓全体に行き渡り、空気が張り詰めた。
「全員、配置につけ! 魔人族の砦を攻略する!」
号令とともに兵士たちは駆け出した。
砦の上には無数の矢が雨のように降り注ぎ、魔人族の兵士たちが慌てふためきながらも盾で防ごうとしている。
あはっ。無駄だ。この矢は盾を躱して刺さるよ。
哀れだね。人間社会に害をなす魔人族。奴らが存在しなければ人々はもっと安全に快適な暮らしが出来る。
奴らを倒せば、王国は、より一層繁栄する。
む。なんだ。この気配は! 強い! おそらく魔王軍の幹部級の魔人族だ。砦が攻撃されたので援軍に来たのか?
動きが早いが大丈夫だ。まずは敵を補足する。三本程度放って位置を掴めば、そこを中心として無数の矢を振らせてやろ。
あはは。矢を払ったね! 一度でも矢に触れたら、もう終わりだ! 位置は完全に把握出来たよ!
砦と援軍の魔人族の二面攻撃だが、大丈夫だ。交互に矢を放てば良いだけだ。
ほう。さすが援軍に来るだけのことはありそうだ。火炎魔法で矢を消し去ったか。しかし私は無限に放つことが出来るよ。
お前たちの魔力が、いつまで持つのか試してみるか!?
あはは。ざまぁみろ。ついに動きが止まったぞ。そこまでかぁ? 援軍に来たのに残念だったね。砦までもたどり着けなかったね。
……はぁ? な、なんだ。この気配は!? ドラゴンでもいるのか?
矢が当たっている感覚はある。それなのに、手ごたえが全くない。
こんな防御力など魔人族は持っていないはずだ。防御に特化した魔物でも出たのか?
あ、いや。これは、まずい。私の矢が効いていない。
あはっ。でも遅かったようだね。援軍に来ていた奴らの気配は消えたよ。死滅したかぁ?
とんでもない防御力の奴も、やはり効いているのか、砦に引き返したね。
あはははぁ! 結局、大したことは無いねぇ。
よーーっし。どんどん消し去ってやるよ。害虫どもが!!
……あん? なんだ、また出てきやがった。さっきの防御力特化の奴か!
っく! 早い、しかも矢が効いていないのか!?
ドシュッ!!
「っが!! いきなり、な、何が起きた! あぁぁぁ、わ、わたしの!! 私の腕がーー!!」
そんな馬鹿な! 勇者が、私が負けるはずは無いんだ!
「貴様!! 私の腕を!! あっ! く、来るな!! やめろ!!」
「プイ!」
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