第26話 弓の勇者:アズガバン砦
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魔王軍幹部 リンベル将軍視点
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疲れた。何で、ケッシ―にピンキーを預けに行っただけなのに、こんなに疲れるのだ。
あれから、何とかケッシ―を落ち着かせ事情は理解してもらえて、一人で王城に戻ってきたわけだが、今度は、こっちでも面倒なことが起きたのだ。それは魔王様だ。まったく、仕事にならん!!
ピンキーが居るうちは、普通に仕事で来ていたのに、居なくなったら、とてつもなく低テンションだ。そのくせ、時折外を眺めている。
あぁぁ、もう!! 何で私が、必死で仕事をこなさなければならないんだ。私もゆっくりと魔王様の憂いのある顔を眺めて居たいのに!!
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ケッシ―視点
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なるほど、不思議な角ウサギだ。王城でも少しの単語は教えたようだが、名詞だけで動詞を教えていないのかもしれないな。名詞と動詞が組み合わされば、少しは会話できるかもしれない。
それでは、この砦にいる間に私が教えてみよう。
まずは、言葉を教えるつもりだと伝えた方が良いかな。まずは、名前をもう一度名乗って、次に別の名詞を教える。
それを動詞でつなげるという感じで行くか。
『ケッシ―』
うん、うん。頷いているな。まぁ、それは分かっていると言っているのかな。
次だ。
『手』
うーーん。たぶん初めての単語かな? あ、自分の手を指さした方が良いのか。
良し、理解できたようだ。では次だ。
『ケッシ―、手、あげる』
はっはは。なかなか賢いな。ちゃんと理解できてるようだ。
では、では、次は……
あーー。疲れた。結局、そのまま消灯時間近くまで続けてしまった。
思わず、怪我人だったことを忘れていた。
このままでは、また看護師に怒られてしまいそうだな。
しかし、これでだいぶん言葉を覚えたぞ。名詞と動詞を使えるようになったら、少しは意思表示が出来るようになるだろう。
よし、それでは、続きは、明日かな……うん?
『ピンキー、どうした?』
『敵! 来る!』
はぁ!? 敵が来るだと!! まずい! ナースコールだ! 使い方は違うが、とにかく誰かに知らせないと!
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ピンキー視点
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白猫さんの『ケッシ―』さんとお勉強していると、何か強い気配が近づいてくるのがわかりました。
ああ、これは。あれですね。初めて『リンベル』さんや『エリオス』君にあった時に居た人間に近いですね。
あの時は、すべての人間があのような気配を出すのかと思っていましたが、この前の小さなお城で戦った時に違うと確信しました。この強い気配の人間は他の人間とは、ちょっと違う特別なのですね。
本当は、『ケッシー』さんに強い敵だと伝えられたら良いのですが、まだそこまでは、何て言えば良いのかわからないのです。
お、虎さんが来ました!! やはり、見た目は強そうですね。えっとお名前は『セリシア』さんですね。『ケッシ―』さんと『セリシア』さんとで、何やらお話をしていますね。
ん? 誰かを呼ぶみたいです……あ、ウサギさんですね。このウサギさんとも話が出来たら良いのですけどねー。
ウサギさんが紙とペンを持ってきて『ケッシ―』さんに渡しましたね。何をするのでしょうね。
おお、『ケッシ―』さんがお絵描きを始めました。ええ、もちろんわかりますよ。ここが、この小さなお城ですね。
へぇー、大きなお城と、この小さなお城、それと前回いったことがある小さなお城。こういう位置関係なのですね。
ほう、ほう。この中が悪魔族の人たちのエリア、国なのかな? こっちは人間かな……ふっふふ。人間の絵がすごいことになっていますよ。相当嫌いなのですね。
えっと、人間の国は悪魔族の国を囲むようにあるのですか。『剣国』、『弓国』、『槍国』、『聖国』というのは
きっと国名ですかね。念話と文字で示してくれるたので、少しは文字も覚えておきましょう。
えっと、『ケッシ―』さんが念話で『敵』という言葉を伝えてくると共に首をかしげています。おそらく、この絵は地図を表しているのでしょう。あぁ、しかしですね。建物の中にいると、大きなお城の位置がどっちだったか分からなくなってしまいました。
外に居ればわかるのですけどね。どうしましょうかね。
とにかく方角が知りたいのですね。
えっと、あっちです!
私は後ろ足で立ち上がって、手で方向を示してみました。
あ、頭の中で『ケッシ―』さんが何か言っていますが、私に話しかけるには長いし複雑すぎますから、おそらく独り言なのかもしれませんね。
何やら納得したようで絵の中に人型の絵を描き加えました。ふむふむ。『弓国』の人のようですね。
あ、『弓国』というには、たぶん、「弓国」です。もしくは「弓の国」とか、そういう意味のようですよ。だって、人が弓を構えている絵を書きましたからね。
そうだ、前の人と、同じような人だって伝える方法を思いつきました!
まずはジェスチャーゲームです。まずは弓の人を指さして、私も二本足で立ち上がって、弓を引く動作をしてみます。次に剣を振る動作をして、首をかしげて。どうです?
『剣』
おーー。たぶん「剣」って答えてくれたのでしょう。ならば『剣』と言って、さらに戦う動作をして、『リンベル、エリオス』と言って、倒れる。そして一息入れて『ピンキー、剣』で戦う動作をして、腕を空に突き上げて勝ったぞーってやってみる。これでどうかな。
『剣の勇者!』
うん、うん。たぶんそれであってそうな気がする。それでは『剣の勇者』と言って、次に弓の人の絵を指す。
『下skうんmtもmt4』
あぁーわからないですよ。興奮しながら話しているので、これは独り言なのか私の話しているのかわからないなー。
まぁそれは置いておいて、この後の戦い方についてお話しないとです。
まずは、ちょっとペンを借りて、うーん、私の手はペンを持つようには出来ていないのですね。何とか両手で挟んでもっていますが、ちょっと手まで、もふもふなので滑ります。
だいぶん下手ですが、小さく人の絵を足しました。その絵は丸で囲んで複数人をイメージしてみましたが、これは伝わらないかもしれませんね。
それで、弓の人を手で指して、『ピンキー』、書き足した小さい人を指して『セリシア、ケッシ―』とこれで伝わりましたか?
強い人は私が受け持つから、それ以外の人は皆でよろしくねって言ってみたのですけどね。
ほぉっ。何とか伝わったようです。『ケッシ―』さんが『セリシア』さんに何か言ってくれているようです。
では、そろそろ。私は出ましょうかね!
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