第2話 謝って済む問題ではありません!
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お姉さんに連れていかれるがまま、建物の中に入ると、何やらごちゃごちゃした研究室のような部屋に入った。何か研究をしているのか、実験をしているのか分からないが、目の前には機材が山のように積まれていた。その中でも異彩を放っているのがピンクの液体が入った大きなガラス管だ。
まさか、人が入っていないよね??
私がキョロキョロとあたりを見渡していると、お姉さんと、黒服が見事にシンクロしてジャンピング土下座をしてみせた。
「すまん。完全にこちらのミスだ。誤って済む問題では無いが、最早、謝ることぐらいしかできないんだ」
「やっぱり、生き返らせることは出来ないんですね」
「あぁ、もう肉体は使えない状態になっていて、魂を返しても駄目だなんだ」
「そうかなって思いましたけど、で、これから私はどうなるんですか?」
「い、意外とあっさりしているな? いや、泣いて喚かれるより助かるが」
「だって、もう、どうしようもないんでしょう。私もなんとなく分かっていましたよ」
「そうだな、本当にすまない。今回の件はちゃんと上に報告して今後このようなことが無いように改善するようにする。そして、こいつと私はちゃんと処罰を受ける」
「まぁ、私にとっては、今更関係が無いですけどね。その黒服の死神さんがクビになっても、私にとって何かあるわけでは無いですから」
「そ、そうだよな。うん。そうだ。私とこいつのエネルギーを全力で、あなたにつぎ込んで、あなたに新しい体と人生を用意しよう!」
エ、エネルギーって何? まさか生命力みたいな物じゃないよね?? いや、この人たち死神で生きていないから生命力は無いか! まぁ細かいことは良いや。
「新しい体と人生? うーーん。私このまま他の亡くなった方と同じでも良いけど? また、あの受験戦争をするのかって思うとゲンナリするんだよ」
「いや、非常に言いにくいことなんだが、あなたの死亡はイレギュラーなんだ。だから輪廻転生の枠が空いてなくってな。だから他の死者と同じ扱いは出来ないんだ。しかし、このままでは悪霊化してしまうのだ。それはあまりにも忍びない。そこで転生と言う形で生まれ変わってもらいたいのだ」
「へぇー転生ね。それはアニメで流行っているよ。私も見たことがある! でも、異世界転生ものだったけどね」
「ああ、まさにそれだ。元居た世界とは異なる世界に生まれ変わってもらう。元居た世界だと都合が悪くってな。今更戻ると生者の数が合わなくなるんだ。だから数の管理があいまいな異世界ってことになる」
「ふんふん、なるほど、そんな理由があるんだね。異世界か……ちょっと楽しそうね。ねえ、そしたら特典も付けてよ!」
「得点? 何をつけるんだ?」
「そうね。悪役令嬢が流行っているから、私が見たことがある悪役令嬢が良いね。それなら話の展開も知っているから、フラグ回避も楽勝よ。で、その主人公は意外なすっごい力を持っていて、なんでも出来ちゃうって奴が良いね!」
「ん、んん??? そ、その悪役霊獣ってのはなんだ?」
「うーん。私も良く分かっていないんだけど、なんか、ぶっ飛んでいて、悪者をササってやっつけたり、問題を解決したりする感じかな」
「うーーん、跳んでいるのかぁ、そして悪者をやっつけるのかぁー。うん、何とか考えよう」
「そのぐらいで、大丈夫か?」
「あ、そうだ。転生者の定番で収納って魔法を付けてね。私、結構、物を溜めこんじゃうタイプだから収納があると良いな。あれよマジックボックスって奴でなんでも入れておけるの。あ、後、転生するんだから、今度は簡単に死なないようにしておいてよ!」
「うーーん。何とか作ってみるよ。じゃあ、そろそろ転生しないと本当に悪霊になってしまう。それでは、こっちに来てくれ」
良し! とりあえず詰め込みたいものは、全部詰め込んだはずだ。
先ほどから自己主張の強いピンクのガラス管の横に立たされた。まぁ立たされたと言っても地面に足が付いていないから、ガラス管の横に浮かんでいるだけだね。
頭の上を見るとシャワーヘッドのようなものがある。ちょっとショボい感じがするけど大丈夫だよね?
はぁ、私は生まれた時から独りぼっちだった。物心ついた時には、既に両親は居なかった。
私の両親は自動車事故で亡くなったそうだ。私は当時、母のお腹の中にいて事故発生後、緊急の帝王切開により娩出されて助かったが、母と父は、そのまま亡くなってしまった。
その後、身寄りの居ない私はずっと養護施設で暮らしてきた。
結局、最後も道端で一人で亡くなってしまった。今度は違うと良いな。
先ほど話していたお姉さんが何かタッチパネルのような物を操作している。
なんだか、体が暖かくなってきた。寒い冬に暖かい布団で寝るときのように、全身をふわっと包み込んで行く。
「あ、あと、可愛くしてね!」
――――
「おい、死神。彼女が言っていたこと、お前はちゃんと理解できたか? 正直に言うと私は一部分かっていないぞ」
「わたくしも一発で理解できなさそうだったので、ちゃんとメモっていましたよ! ほら、これですよ」
「うん。良くやった。しかしよく分からん要望だったな。どれ、メモを見せてみろ」
・得点を付けてほしい。
・見たことがある悪役霊獣が良い
・すごい力を持っていて、なんでもできる感じ
・跳ぶことができる。悪者をやっつけることが出来る
・収納という魔法が使えてなんでも入れることが出来る
・簡単には死なない
・かわいい
うむ。確かに彼女が言っていた内容だが色々と分からん。
「なあ、得点とは何の点だ?」
「うーん、彼女はアニメと言っていたので、たぶん能力値ってことですかね。それを多めに付けて欲しいのでは? おそらく『すごい力』という部分と『悪者をやっつける』のも関連があるのでしょうね」
ふむふむ。
「悪役霊獣は、私も想像がつくが変わったものが人たちに流行っているんだな。要するに魔獣って事だよな」
「そうですね。人間が悪役って言うぐらいですから、反対に位置する魔の物ってことですね。それで、彼女が見たことがあるってことは、こっちの世界に似たような姿の生き物が居て、跳べるとなると」
そうだな、思い当たるモノは複数居るが、そのうちどれを選べば良いんだ?
「あ、そういえば最後に可愛くしてくれって言ってましたね。魔獣で可愛くか、本当に変わってますね」
「そうだなー、あのぐらいの年の女の子が可愛いと思える姿の魔獣で、こっちの世界でも存在している生物に似ていて、跳べると言えば……分かったぞ!!」
「あとは収納という魔法は作れば良いから可能だし、簡単には死なないって部分も不老不死じゃないなら何とかなりますね」
「ああ、そうだな。誤って命を奪ってしまった以上、何としても叶えなければならない」
私たちは全身全霊を使って、彼女の新たな体を作り上げ、そして魂と融合させて異世界へと転生させた。
ほんの気持ち程度のおまけ機能も付けてな。
エネルギを使い切った死神の奴は、ほとんど消えかかり、私も形は残ったが天使としての力は無くしてしまった。
それでも全力で精一杯の償いは出来たと思っている。
さぁて、二人で神に怒られに行くか。
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