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第16話 ピンキーは何処だ?

下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――


 魔王 エリオス・ローエングラム視点


 ――――――――――――――――――――――――――――


 何か変だ。


 メイドたちに促されて入浴している最中から、何か胸騒ぎがする。


 リンベルもおそらく入浴しているだろうし、セバスは相変わらず忙しくしているだろうから、気がするだけで呼びたてるのも気が引ける。入浴をなるべく早く終わらせるしかない。


 急いで、入浴を済ませ自分の部屋に戻る。おそらく胸騒ぎはピンキーに関することだろう。

 ピンキーは俺の部屋に居るはずだ。ピンキーの寝床はまだないから、今日は俺の部屋のソファーで寝てもらおうかと思って部屋に置いて来たのだ。一応、風呂に入って来ると伝えたが、どうだろう。伝わって居るだろうか、いや、そもそも魔物に風呂は分からんか。


 しかし、この胸騒ぎは風呂の話とは関係ないだろう。慌てて自分の部屋のドアを……ん?

 何故、ドアの前に誰も居ないのだ? そんなはずはない。警備の都合上、必ず誰かが居ることになっている。そうだ、先ほど風呂に向かった時もドアの前には兵士が立っていた。


 彼は、どこに行った? ……これは、非常事態と言う事だな!


 下手に声を出して、不審者を刺激してはいけない。音を立てずにゆっくりとドアの前から離れ、近くの控室に兵を呼びに行った。兵たちは、俺が突然、控室の来たことで驚いたようだが、手短に状況を説明すると、全員に緊張が走った。とりあえず。兵士の一人をリンベルのもとに向かわせる。


 自分の城の中で情けないが、ここの兵士では心許ないのだ。こいつらに戦わせるぐらいなら自分でやった方が安心出来るレベルだ。

 自分の部屋に入るのは、リンベルを待ってからにするべきか……いや、待てないな。ピンキーが心配だ。


 いやいや待てよ。ピンキーが部屋の中に居るのならば、不審者などに負けるはずはないから安全となるが、もし、ピンキーが居ない場合は不審者が待ち構えている可能性が出て来る。そうなるとピンキーは何処に行った?


 部屋の中の気配を探ってみるが……誰も居ない気がするが……はぁ、何だか間抜けな絵面だな。自分の部屋のドアも開けれずに右往左往しているのだからな。


 リンベルが駆けつけてくるのが見えた。良かった。まだお風呂に行っていなかったようだ。

 ん?……何でメイドたちを引き連れてやって来たのだ? あいつはメイドたちと何をしていたのだ?


「リンベル。部屋の前に居るはずの兵士が居ない。部屋の中はまだ確認をしていないが、おそらくピンキーも居ない気がする」


「た、確かに。ピンキーなら特に気配を消すことも無く堂々としているはずですね。それでは私が開けてみましょう」


 部屋に入って分かったが、おそらく人間だろう。わずかだが、奴らの防具に塗るオイルの臭いがした。人間が侵入したと言う事は、まさか勇者か! どこかの国の勇者が来たのか?


 いや、勇者だったら、ここまでコッソリ侵入して暗殺まがいの事はしないだろう! 奴らは自己主張、名誉欲の塊のような連中だ。人知れず魔王を殺すなどやるはずがない。


 分からん、いったい、どこの誰が、何の目的で侵入したのだ? まさか、ピンキーが目的か? 何らかの理由でピンキーを捕えたかったとか?

 しかし、あのピンキーが捕まるとは思えない……いや、うーーん、まさかな!?


「魔王様、ピンキーも居ませんね。ピンキーが侵入者ごときに捕まるとは思えませんが、おいしそうな物で釣られた可能性は否定できませんね」


 あぁあー。言ってしまったな。いや、確かに、俺も一瞬頭をよぎったが、ピンキーは頭が良いんだ。

 そんな簡単な手で捕まるとは思えない……思いたくは無いが、食べ物かーー。食べ物はなぁーー。


「たぶん、侵入者に付いて行ったんだと思う。わざと捕まったか、こっそりと後ろを付いて行っているかの、どちらかだと思う。そんな危ないことしなくても良いのに」


「ふっふふ。魔王様、心配ですか? 大丈夫ですよ。あのピンキーですからね。勇者相手でも勝てるぐらいですから明日まで様子を見ましょう」


「いや、出来る限り調べておきたい。ピンキーなら、何か情報を残すかも知れない。その辺を捜索してみよう!」


 結局、城の兵士はもちろん、メイドたちも動員して城内を探し回った。


「魔王様、一階の廊下に血痕がありました。その近くの窓に、こじ開けたような跡がありました。おそらく侵入者は、その窓から出入りしたと思われます。それで、その血痕を調べてみたのですが、おそらくファングボアの血ですね」


 メイドたちが血痕を見つけてくれたようだ。何だと、ファングボアだと! 間違いなく彼女だ。


「魔王様は、ひとまずお部屋で休んでいてください。兵士は付けておきますので、この後は私たちで追っかけてみます」


「いや、俺も行く! 気になって休めないだろう。それだったら、一緒に探している方が良い」


 リンベルや皆も俺に休んでいてほしいようだが、俺も気になってしまって休めるはずもない。


 ……気になるというより心配なのだ。やはり俺は、彼女の事が相当気に入っているようだ。


 実は血痕が見つかって、少しホッとしている。

 俺が、一番怖かったのは、俺たちが嫌になって、自分の意志で出て行ってしまったというケースだ。その場合は戻って来ないだろうし、こちらからも彼女を探すのは難しいだろう。しかし、わざわざ、ファングボアの血痕を残したという事は、少なくとも俺たちに何かを伝えようとしていると言う事だ。


 彼女は戻って来る!


 そのあと、メイドたちは城に戻して、俺とリンベル、その他に数人の兵士を連れて、血痕の跡を追った。

 城を出て、林の中を通り進んでいく。この方角は剣国か。途中、少し開けたところで血痕を見失った。しかし、次なるヒントが出て来た。馬だ。

 馬の足跡が残っていたのだ。それも三頭だ。そうすると、侵入者も三人と言う事だろう。


 砂地や土の部分には足跡が残っているが、草地などを走ると足跡が不明瞭になる。侵入者は馬で走るので良いだろうが、こっちは足跡を探しながら歩いているのだ。とてつもなく時間が掛かる。


 カザマスタ砦に近づいて来たころには、遂に夜が明け始めた。一度、カザマスタ砦で休憩しよう。俺とリンベルは大丈夫だが、兵士どもは疲労困憊だ。砦で休息と食事をとって、再び捜索を開始した。


 ん、ん!? 空に何か飛んでいる。あ! あれは彼女だ。こっちに向かっている!!


「おーーい。ピンキーー!!」


「魔王様、火魔術で合図を出してみます!!」


 おお、そうだな。声では聞こえるわけがないな! 俺も焦っていたのだな。王城に向かって飛んでいる姿を見て、少し安心した。



ふっふふ。魔王様がピンキーの事を「彼女」と表現するようになってきましたね。


※ 作者からのお願い

「面白い」「続き読みたい」など思った方は、ぜひログインしてブックマークと下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。よろしくお願いします!

つまらないと思った方は、☆一つでも評価つけてくれると勉強になりますので、よろしくお願いします。


毎日更新できるように、頑張ります。

よかったら、他の作品も見に来てくださいね。

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