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異世界のプレゼント

次の日、俺はエリナさんに紹介してもらったハナリヤに向かっていた。

名前は聞いたものの場所は聞いていなかったため探すのに少し苦労したが、何とか到着した。


「ここか」

お店の外見はこじんまりとしていて普通の古民家っていう感じだった。

看板もなく何も知らなければ通り過ぎてしまうようなお店だった。


中に入るとカランと鈴の音が鳴ったと思うとお店の中から「いらっしゃい」と声がした。

声がした方に振り向くと優しそうなお婆さんがいた。

「おの、ここって何のお店なんですか?」

「あらあら、カッコいいお兄さんだこと。ここはね魔導具のお店なのよ。それで、何をお探しなのかしら」

少し微笑みながら俺の質問に答えてくれた。


魔導具は、確か魔法を助ける物だったり、生活をより良くする物だっけ。

地球でいう家電製品みたいな感じかな。

辺りを見回してみると大小様々な導具が売ってあった。

「お世話になっている人にお礼をしたくて、でも、何が良いか分からなくて」

「そうなの。その方は女性かしら?」

「えっと、男性と女性です」

そう答えると、お婆さんお店の奥にあるショーケースの中から幾つかネックレスやブレスレッドの様な物を持って来た。


「これはね、魔導アクセサリーっていうの。この先にある魔石に付けたい効果を付与するのよ。癒しなら光属性、活力なら火属性、みたいにね。女性に贈るならこれの方がいいかしらね」


魔導アクセサリーか、これならヒーカさんもエリナさんも喜んでくれるかな。

ギルマスは‥‥‥‥‥。

何にしよう、これで良いのか?

男からアクセサリー渡されるのって普通嬉しいのだろうか。

もう少し、他のを見てみようかな。


「じゃあ、このネックレスを二つお願いできますか?」

「分かったわ、効果は何にするのかしら?」

お婆さんはネックレスを二つ取りながら聞いて来た。


効果か‥‥‥って知らないんだよな。

いや、魔導アクセサリーの説明でちらっと出て来たっけ?

確か、光属性が癒し、火属性が活力だったはず。

「あの、効果って何があるんですか?」

「癒しなら光属性、活力なら火属性、清潔なら水属性、身体強化なら土属性、魔力強化なら風属性ね」


ん~、ヒーカさんは受付の仕事とか大変そうだし癒しかな。

だったら、エリナさんは何となく活力かな。

「光属性と火属性の付与をお願いします」

「分かったわ」


そうして、俺は三人にお土産を買った。

エリナさんには活力の火属性。

ヒーカさんには癒しの光属性。

そして、ギルマスにはお店の奥の方にあった足ツボマッサージ機みたいな物を見つけたのでそれを買った。

勿論、それも活力の火属性の効果を付与してもらった。


買うと、どう渡そうか悩みながらお店を出てギルドに帰るために歩き出した。


♦︎♦︎♦︎♦︎


ギルドに帰り、先輩冒険者達と他愛もない話をしてギルドの俺の部屋に戻ると、アイテムバッグから三人へのプレゼントを出した。


「はぁ、いつ、どのタイミングで渡せば良いものか」

プレゼントを見つめて、渡すタイミングが良いのか悩んでいると、扉を誰かが叩く音がした。

プレゼントをマジックバックの中に入れて、出てみると、ヒーカさんが立っていた。


「あれ、どうかしました?」

俺が聞くとヒーカさんは不思議そうな顔をした。

「えっ、あの、エリナさんに"ここに来るように"って言われたんですけど」

「えっと、取り敢えず、中にどうぞ」

ヒーカさんを中に入れると、ベットの横にある椅子を差し出した。


えっと、全く心当たりがないんだよな。

エリナさん何がしたかったんだろ

エリナさんの意図が分からず二人で悩んでも、全く分からない。


「分からないですね。あ、お疲れでしょうし私はこれで。エリナさんに何だったのか聞いておきますね」

そう言ってヒーカさんは立ち扉のノブを掴んだ。


あ、そうだ、今渡せば良いかも。

ん?もしかしてエリナさん狙ってのか?

ヒーカさんを適当な口実でここに呼んで俺が渡しやすいようにしてくれたのかもな。


「あ、待ってください!」

「はい、どうしました?」

俺が急に叫んだのでヒーカさんは不思議そうな表情を浮かべていた。


「色々お世話になっているので、あの、お礼です」

ヒーカさんはとても驚いた表情で俺を見た。

「えっ、あ、ありがとうございます。中開けても?」

「どうぞ、気に入っていただけるか分かりませんけど」


袋から出すと、とても嬉しそうな顔になった。

「うわぁ~、ネックレス!ありがとうございます。でも、これ魔導アクセサリーですよね。高かったんじゃないですか?魔導アクセサリーは一つ作るのにもすごい労力を使うから高いのに、それに加えてこれ、光属性が付与されてますよね。ツバキさん、お礼にしてはちょっと高価というか、流石に貰うのはちょっと」

遠慮がちにヒーカさんは言った。


「何言ってるんですか。これだけじゃ足りないくらいお世話になっていますよ。ですから、貰ってください」

「そう、ですか。では、ありがたくいただきますね。大切に使わせてもらいます」

困った様にネックレスを見、大事そうに持って部屋を出た。


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