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Re55 魔法少女とノモルワ

「そういえばノモルワって今どのくらい強いんですか?」

「むむ?」

 私は魔法少女歴七年で、その間ノモルワが送り込んで来る怪物と戦っていたけど、ノモルワはその間で力を蓄えていた。

 そのノモルワを倒した私が死んだ先からノモルワが復活してると言うのは余りにも早すぎる気がする。

「ノモルワって私が倒したばっかりですよね」

「まあ、そうなんじゃが、何と言ったらよいかの……」

 そう言って何か言い難そうに魔王の方をチラチラとみているノモルワールさん。

「何よ、私が何かしたかしら?」

「う、うむ。君が魔王として君臨してからの数百年で既にノモルワが完全体になりうるだけの悪感情が集まってしまったようなんじゃよ……」

「魔王の所為じゃないですか」

「ストレートに来たわね。でもその私を送り込んだ神や、私を殺そうとした連中だって悪いはずよ。私だけの所為じゃないわ。どう?」

「ま、まあ確かに」

 こんな時、しっかり自己弁護できる魔王のメンタルの強さにビックリした。

 主犯なのは間違いないのにめちゃめちゃ堂々としてる。

「まあそんな訳じゃから完全体じゃよ。つまりまあ、メグルがノモルワを倒した頃にはもう既にほぼ完全体のノモルワが新しく生まれていたわけじゃな」

「本当に第二第三のノモルワが出て来るって凄いですね」

 悪役の『第二、第三の私が――』的なセリフがそのまま当てはまるような相手だった。

「そのノモルワにはノモルワールさんみたいな善の部分は無いんですか?」

「無い。ワシになった部分は善とは言っても悪党の掲げる正義という部分じゃよ。決して正しきものではない」

「じゃあノモルワールさんもグレーなんですね」

「む、むぅ、まあ、そう、じゃのう」

 私の言葉と構えた杖が怖かったのか、たどたどしく話すノモルワールさん。別にやっつけたりしないのに。

「両方の世界は時間の流れが違うからのう、ややこしい話じゃが、流れの早い君たちから見た異世界は悪感情の溜まりも早い。一概に魔王だけの所為と言えないのも事実じゃが恐怖の対象があればそれだけ溜まりが早くなるのも事実じゃ」

「話逸らしたわね」

「攻撃したりしないですよ……」

 なんか私こういう時疑われるようなことしたっけ?

「すまんすまん、お主、出会ってすぐにこの空間ぶち抜こうとしたからのう、またやられるかと思っての」

「あ、ありましたねそんなこと」

 なるほど、それでかぁ……。うん、ごめんなさい。

「その時メグルがこの空間破壊してたら外のノモルワと会敵してたってことよね」

「まあ、そうなるのう」

「滅茶苦茶危ないじゃない」

「じゃから止めたんじゃよ」

「そうですね、危なかったです」

 あの状態でいきなりノモルワと出会ったらわけわからなくて混乱したかもしれない。

 ……普通に魔法ぶっ放した可能性も無くはないけど。

「それで、どうやって外のノモルワと戦うのよ」

 さっきから基本的に魔王と私、ノモルワールさんで話してたけど、急に時音さんが出て来た。どうやら魔王が自分以外と話し込んでるのが気に入らなかった様子。なんか怒ってるし。

「ワシがゲートを開く、そこから出て貰えばすぐにでも戦えるぞ」

「なら、行くっきゃねぇな」

「うぅ……心配……」

 ここに来て操ちゃんと虎馬ちゃんも話に加わる。

 時音さんが入るまで会話に入りづらい雰囲気だったのかなあ。

「大丈夫よ、私とこのピンクのが居るんだから」

「ピンクのって……まあいいですけど」

 これから最終決戦(多分)が始まるのに随分と余裕な魔王。

 それに比べて私は……うん、ちょっとドキドキするくらいかな。平気そう。

「それでは行くぞ、準備はよいか?」

「はい」

「えぇ」

「問題無いわ」

「任せな」

「うん……」

「うむ」

 皆心の準備もいいようで、魔法少女とアルク、全員が返事をした。

 それに合わせるように、ノモルワールが頷き、ゲートを開ける。

 瞬間、ゲートを飛び出し私達はノモルワの居る空間に飛び出した。そして、そこで、視た。

「何、これ……」

 つい、言葉が詰まる。

 そこで見たのは無数のノモルワの体。

 恐らく成体になっているのは数体程度だけど、それ以外に、半透明の琥珀色の卵(?)のような物の中で蠢くものが無数に散らばっている。

「アレが全部……ノモルワ」

「ならすべて倒せばいい……なんて余裕なことは言ってられない雰囲気ね」

 私達は知らなかった。

 魔王が魔王として君臨してからの間で溜まった負の感情。そして、この世界がどれほど危うい状態に晒されていたのかを……。


ご読了ありがとうございました!

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