Re52 魔法少女と邪神(?)
「それじゃあ、行くわよ」
「うん」
「……うん、ねえ」
「なんですか?」
皆の準備ができたところで魔王が仕切りをしているのだけれど、私の返事に時音さんがなにやら言いたそうだ。
「貴女、一応私達の敵になるかもしれない立場だってわかってる? 今は協力してるけど、実際は魔王討伐に派遣された魔法少女でしょ?」
「でもそれ、私を寄こしたのは邪神ですし……できれば皆で仲良くしたいじゃないですか」
まあ、その話も何処まで真実かって話だけれど。どうなのかなぁ。
「皆で仲良くなんて本心で言う奴が、えげつない魔法を使って魔術ぶっ放したりしないわよ。だから嘘ね。ハイ、論破」
「えぇ……」
なんか勝手に言い負かされてしまった。うぅん。
「貴女達、これから戦いなのよ。そろそろ気持ちを切り替えなさい」
しかし、私達がお喋りしていると、それを魔王が窘めた。
「あ、はい」
「また軽く返事して!」
「え、でも――」
「お前ら!!」
「「ひっ」」
私と時音さんが魔王がキレた。怖いって。
「いい加減にしてくれる? 遊びじゃないのよ」
「「はい……」」
魔王にまっとうな理由で怒られてしまった。魔法少女なのに。
「それじゃあ行くけれど、その前に、メグルに言っておくことがあるわ」
「なんですか?」
「四離は来ないわ。貴女の事すっごく気にし過ぎて、ちょっと面倒なことになってるから」
「それ何かの伏線ですか……」
なんか嫌な予感しかしないよ。
「そんなこと無いわ。ただ、貴女と愛し合いたいってそればっかりで。今そんな時間ないでしょう?」
「一生無いです」
私に女の子と愛し合う暇なんてない。一生無い。はず……。
「貴女あの子の事嫌いなの?」
「人……こほん。あまり恋愛とか興味ないので」
「今、人類か人間に興味ないって感じだったわよね……ホント似てるわ。私達」
魔王に何故か共感されてしまった。別に人嫌いとか思ってないよ。
「それじゃ、話も終わったし行くわよ」
そんなわけで、私はノモルワールの場所に通じる鍵を使った。
そして。
「今回は早いけど次週に続きます、次回『魔法少女と邪神(?)2』です!」
「続かないわよ、行くわよ阿保ピンク」
どうやら私の渾身のボケは無しにされるみたいだ。このまま行くらしい。
それにしても阿保ピンクって私の事かな? はあ。仕方ないなぁ。
「それじゃ行くよ魔王。えいっ」
私が鍵を使ってできた次元の扉に突っ込むと、それに続いて魔王チームが入って来た。
出てきた空間は……うん、見覚えがある。
ここは間違いなく、あの神様の部屋だ。
よく見渡すと、また部屋にテーブルと食事が用意されていて、そこに、居た。
あの神様が。邪神らしいけれど。
「ようやく来てくれたか。待っておったよ」
「出待ちですね」
「いや、この場合お出迎えじゃよ」
それもそうだ。ここはこの神様の部屋なのだから。
「それで、何の用だったかの。っと、その前に、とりあえず座って食事でもどうかね」
「頂きます」
「ちょっとメグル!」
「うん?」
私が席に着こうとすると、魔王や時音さん達が咎めるような視線を送って来ていた。
ちなみに止めたのは時音さんですね。
「コイツは邪神なのよ? 邪神が出したもの食べるとか正気?」
「でも、もう一回は食べてるし」
まあ、あの時は色々あって味わう余裕無かったけれど、今ならいける気がするんだよね。
「アンタ、ホントに変わってるわね……」
「そうかなぁ」
結構普通だと思うけどな。
だって、この神様が邪神になんて見えな……うん???
「よく見たらちょっと似てる?」
「お、ようやく気付いたかの」
この前会ったときは無かったもの。神様がオーラというか、魔力を纏っている。
それがアレに似ていた。
「ノモルワにそっくり」
そう、邪神ノモルワにガッツリ似ていた。
「その通りじゃよ。話せば長くなるんじゃが……」
「でしたらそれは次週でお願いします」
「じゃよな……」
という訳で、この謎だらけの神様の話は次週ということになりました。
ご読了ありがとうございました!




