Re50 魔法少女のパレード
「パレード当日、私はキッツイきっついコルセットを着せられ、ドレス姿です。なんで?」
「何を言い出しているんだメグル」
客室での私の唐突な独り言にツッコむアルク。いや、だって。
「なんでドレス姿なの? 魔法少女だよ、私」
「あのなあメグル、お前、本気であの格好で出る気だったのか」
私の言い分には突如現れた皇帝が答えた。
「ノックくらいしてください」
「この国は俺のモノだぞ?」
「滅ぼしますよ」
「……わかった、次からはノックする」
私の脅迫に皇帝は折れた。
「お前、ホントに魔法少女か? 魔法少女ってそういう脅しとか平気でするのか?」
「いえ、私だけです。魔法少女を侮辱しないでください。滅ぼしますよ」
「お前……」
他の魔法少女を見損なってもらっては困る。この世界にいる魔法少女だけだ、変な連中は。
「あんな珍妙な格好でパレードなんてできるか。もっと見栄えが良く、かつ親近感というか、既視感を持てる服であるべきだ。異国の英雄など、信用できないからな」
「そういうものですか」
それはまあ、じゃあ、仕方ないのかな。
「さてそれで、そろそろだなメグル。お前には馬に乗ってもらうぞ」
「え、無理ですけど」
「え」
「え?」
皇帝の間の抜けた声に、私は疑問で返す。
「馬、乗れないのか?」
「乗れませんよ」
「龍に乗れるのにか」
「アルクって乗りやすいんですよ」
「オイ待てメグル、それだと我が乗られやすい軽い奴みたいだ」
「乗り心地いいんですよ」
「なんだ、なんかちょっと意味深になってないか?」
アルクが色々ツッコんできているけど、そろそろ無視しようかな、話が進まない。
「兎に角馬は無理です」
「じゃあ……他の物に馬を使わせるから、お前は後ろに引かれてろ」
「馬車ですか?」
「まあそんなところだな。馬車と違って屋根がない、見世物用だ」
「私は見世物ですか……」
「今回は間違ってないな。悪いが付き合ってくれ」
まあ、そういう約束だし、仕方ないかな。
パレードが始まる前、私は皇帝と一緒に城の中庭を一望できる場所に立たされていた。
どうやらここで初お披露目のつもりらしい。
「皆の者、ここにいる少女、三角廻こそがこの街の復興を瞬時に行い。また、この街で暴れていた者を倒した英雄である!」
『おぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
「うおぉう……」
皇帝の言葉に、テンション上がりまくりの民衆達。広場に集まってパンダを見に来たにしてはテンション爆発し過ぎだよ。
「メグル、引いてないで手を振るくらいしろ」
「あ、はいはい」
私は言われた通り、手を振る。
これで何か一言とか言われたら今度は本当に滅ぼしかねない。
「さてこれより、此度の英雄であるメグルのパレードを行う。帝都の大通りから巡るため、皆の者、より一層の歓待を上げよ!!」
『うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
「ひゃあ……」
テンションがもう、パンダを見るそれじゃない。正直結構怖いレベルです。はい。
「さあ行くぞメグル。これから馬車でじっくり三時間のパレードだ」
「三時間?! ……お尻大丈夫かなぁ……」
「出来るだけ良いモノを選んでいる。それでだめなら諦めろ」
「女の子に優しくないと国が滅びますよ?」
「それ、女の子にっていうかお前にだよな……」
まあ、そうとも言うけど。
「兎に角、行くぞ」
「はーい……」
こうして私はこの後、こってりじっくり三時間、馬車に乗って手を振り笑顔を振りまきと散々見世物を演じたのでした……。
もう、帰りたい(魔王城に)。
ご読了ありがとうございました!
こちらの作品も投稿時間を毎週火曜日の18:00までとさせて頂いております。




