Re45 魔法少女の二度目
「そもそも邪教徒とかってそんなに簡単に見つかるのかな」
「むう?」
神様の住居からこちらに戻って直ぐ、私とアルクは聖王国へ向かって飛び立っていた。
時音さんにも同行してくれるか聞いてみたけどかなり食い気味に断られたので二人で空の旅である。
「邪教ってくらいだから絶対隠れてるよね。見つからなくない?」
「そうなのか? 人間はそういうのが得意な物だとばかり思っていたが」
「え。なんで」
なんで得意だと思われてるんだろう。というか括りが大きくないかな。人間って。
「人間はすぐ邪教徒だ魔女だと騒ぐだろ。人間の得意分野ではないのか?」
「凄い皮肉交じりの誤解されてるなぁ……」
確かに人の歴史にはそう言うの凄くある。気に入らない相手は大体邪教だし魔女だっていう時期、人類なら必ずある。うん。あるんだけど。
「そもそもその場合魔女だって吊るされるの絶対私だよね……」
「よくわからんが、メグルは苦手なのか? 探すの」
「私は、っていうか、得意なのは一部のアレな方々だけだよ」
誰とも言えないし、知らないけど。多分カルト的なアレ系の人は得意だと思う。
「それじゃあどうやって探すのだ?」
「だからそれを相談したかったんだけどね」
まあでも今の感じだとアルクも探すの苦手そうだなぁ。どうしようこれ。
「ふむ。聖王国に頼れる相手はいないのか?」
「うーん……私一部の人には魔女扱いされかけてたくらいだしなぁ……」
なんかお城に行ったときに魔女って単語を聞いた覚えがあるので、あんまりあの国で私達魔法少女は歓迎されていない気がするけど、まあ何とか二人くらいは心当たりがある。
一人は私が聖王国滞在中にお世話になって居たノワール卿。
そしてもう一人は第三王女のフレデリカ様だ。
でも、出来れば後者には会いたくない……襲われかねないので。
「とりあえずノワール卿の所に行ってみようかな」
「ふむ。我は付いて行っても平気か?」
「その格好ならね。ドラゴンに戻らないでよ?」
「わかっている。そんなことしたら我とて自衛のために聖王国を滅ぼさねばならなくなる」
「それ過剰防衛だよ……」
聖王国程度が相手ならアルクなら逃げればお互い傷つかないと思う。
「さて、それでメグル。流石に空から降りていくのではないだろう?」
「まあ、人様の家に空から侵入とか常識外れだよね」
「なんだか若干思い当たる節があるがな」
「知り合いに居るの?」
「いや……うん……まあ」
なんかアルクが私から目を逸らして口ごもってるんだけど。もしかして私も知ってる人かな。
「さて、この辺りの森から歩いて行こうかな。飛んでるの目立つし」
「ふむ。人間も面倒なことだな」
とりあえず近場の森に着地した私とアルクはそこから徒歩で聖王都へ向かった。
そして王都の門まで来るとなにやら行列が出来ていた。
「何かなこれ」
もしかして検問とかかな。だとしたら私は身分を証明できるけど、アルクはどうしよう。
「アルク、身分証とかある?」
「何だそれは」
「えっと……私は何処に住んでる誰ですよって言う、要は怪しくないよって証明する物……かな」
「何だそれは。なんでそんなことをする」
「あ、うん、そういう感じね」
ドラゴン的価値観だとそう言うのは無いようだ。あー。面倒だなぁ……。
「ちょ、メグル。なんでちょっと今黒いオーラ出てたんだ」
「え。そんなの出てた?」
「あぁ……お前が面倒がって魔導砲をぶっ放すときの顔をしてたぞ」
「そんな顔あるの……?」
私そんな顔するの? 本当に??
それだと私かなりの危険人物じゃないかな。
「おい、そこのお前、次はお前だ」
「へ? あ、はい」
どうやらもう私達の順番が来ていたようで、えっと、なんだっけ。
「身分証は」
「あー、これで」
なんか以前に貰った「聖王の剣」とかいう身分証になるらしい剣を出してみた。
「! 貴様か! 邪教徒め!!!」
「え?」
「おお?」
剣を出した瞬間、それを見た衛兵の顔つきが変わり、次々とやって来た衛兵に取り囲まれる。
「邪教徒が出たか!」
「ついに現れたな!」
「牢にぶち込んでやる!!」
「えぇ?」
「おぉ……これが人間お得意の吊し上げか?」
「え、アルク超他人事じゃん!?」
こうして私は何故だか知らないけれど邪教徒として連行され、牢屋に放り込まれることになったのでした。
……なんで??
ご読了ありがとうございました!




